ニチレイ特許

栽培方法で特許取得の植物肉「ミラクルミート」がニチレイフーズの冷凍食品「大豆ミートのハンバーグ」に採用


発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:井出 剛、以下「DAIZ」)は、冷凍食品大手の株式会社ニチレイフーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:竹永雅彦、以下「ニチレイフーズ」)が2021年3月1日発売した冷凍食品「大豆ミートのハンバーグ」に、DAIZの植物肉「ミラクルミート」が採用されたとリリースした。

今回、発売されたニチレイフーズの「大豆ミートのハンバーグ」は、肉を使用せず、大豆ミートで作られたハンバーグ。大豆ミートを数種類組み合わせることで、肉のような食感やジューシー感が再現されており、このハンバーグ1個でイソフラボンが約25㎎摂取でき、また、肉を使用したハンバーグと比較して、コレステロールが約95%抑えられているというもの。

この「植物肉」、従来、植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題により、本格的な普及の妨げとなっていたが、今回採用のDAIZの植物肉は、原料に丸大豆を使用し、さらに、独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決した植物肉「ミラクルミート」となっている。

この「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用し、さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味が低減され、さらには独自製法である味や機能性を自在にコントロールする特許取得の「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号/特許第5795676号)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させている。さらにその発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)にかける。この特許準備中の膨化成形技術により、肉のような弾力と食感を再現しているというもの。

植物肉は畜産に代わる「次世代の肉」として、また温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品として近年注目され、地球温暖化を防ぐため、私たちが今からでもできることはなるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れること、このメッセージも込められている。

【引用・参照】
https://www.hatsumei.co.jp/pdf/output.php?id=291
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000052858.html
https://patents.google.com/patent/JP5795676B1/ja
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
https://www.daiz.inc/tech/


Latest Posts 新着記事

ロボットの動きをAIが特許化する時代に──MyTokkyo.Aiの最新発明抽出事例

家庭内ロボット市場が急速に進化している。掃除ロボットや見守りロボットだけでなく、洗濯物の片付けや調理補助など、従来は人が行ってきた細やかな日常作業を担う“家庭アシスタントロボット”が次のトレンドとして期待されている。しかし、家庭内という複雑な環境で、人に近いレベルの判断と動作を瞬時に行うためには、膨大なセンサー情報を統合し、高度なモーションプランニング(動作計画)を行う技術が不可欠だ。 このモーシ...

「施工会社」から「技術企業」へ──特許資産ランキング2025、鹿島建設が首位に立つ理由

建設業界は今、大きな転換点に立っている。少子高齢化による深刻な人手不足、カーボンニュートラルへの対応、インフラの老朽化、建設コストの上昇など、従来型のゼネコン経営では持続可能でなくなる課題が次々と顕在化している。こうした中、各社が未来の競争力として注力しているのが「特許」だ。特殊技術の囲い込み、施工ノウハウの形式知化、AI・ロボティクス・材料開発などの分野で、知財の強化が急速に進んでいる。 202...

自動車軽量化の裏側で進む加工技術革新──JFEスチールの割れ防止発明が鍵に

自動車の軽量化ニーズが高まり、高強度鋼板(AHSS:Advanced High Strength Steel)が普及するにつれて、プレス成形時の“割れ”は避けて通れない技術課題となっている。特にAピラー下部、サイドメンバー、バッテリーフレームなど、複雑な形状でありながら衝突時に高いエネルギー吸収が求められる部位では、L字形状のプレス部品が多用される。しかし、こうしたL字プレス品は、曲げコーナー部に...

アップルはなぜ負けた? 医療特許の壁に直面したApple Watch

米国の特許訴訟市場が久々に世界の注目を集めている。発端は、Apple Watchシリーズに搭載されてきた「血中酸素濃度測定(SpO₂)機能」をめぐる特許訴訟で、米国ITC(International Trade Commission)がアップルに対し“侵害あり”の判断を下したことだ。米国では特許侵害が認められると、対象製品の輸入禁止措置という強力な制裁が発動される可能性がある。今回の判断は、App...

デフリンピック開催に寄せて:「聞こえ」を支えるテクノロジー、人工内耳の「中核特許」

2025年11月、日本では初めてのデフリンピックが開催されています。これは、手話をはじめとする、ろう者の文化(デフ・カルチャー)が持つ独自の力強さに光が当たる、歴史的なイベントです。 https://deaflympics2025-games.jp/   デフリンピックの開催は、スポーツイベントであると同時に「聞こえ」の多様性について考える絶好の機会でもあります。聴覚障害を持つ人々にとっ...

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る