ロータス初のフル電動ハイパーSUV!新型「タイプ132」の概要が明らかに―デザイン特許も確認される


2022年3月29日(英国現地時間)、ロータス カーズは初のフル電動ハイパーSUV「エレトレ(Eletre)」を発表した。いよいよロータスの本格的なEV化が始まる。オーストラリアのオンライン知的財産プラットフォームでデザイン特許の内容も確認され、外観が明らかとなったとWebモーターマガジンが22年3月30日伝えている。

「タイプ132」のコードネームで呼ばれていたロータスの次期モデルは、噂どおりフル電動のハイパーSUVだった。そして、このモデル以降、ロータスはEV専門メーカーとなる。その名は「エレトレ(Eletre)」。ロータスのネーミング流儀に則り「E」で始まるまっさらの車名は、東ヨーロッパの言語で「Coming to Life」を意味するという。

エレトレは、ロータスのポートフォリオに大胆な新次元をもたらす。初の5ドア プロダクションカーであり、初のスポーツカーセグメント以外のモデルであり、初のライフスタイルEVであり、そしてロータス史上もっともデジタル化が進むとともにコネクトに配慮されたモデルだ。

ロータス「タイプ132」のデザイン特許画像

だが、ロータスの矜持である先駆的な技術、本物のスポーツ性能、目的のシンプルさを満載した美しいモデルであることに変わりはない。

スタイリングはキャブフォワードのスタンス、ロングホイールベース、フロントとリアのショートオーバーハングなど、大胆かつドラマチックなものだ。短いボンネットは、ロータスの象徴であるミッドエンジンレイアウトのイメージを踏襲している。全体として視覚的に軽快さがあり、SUVというよりも、むしろハイライディング スポーツカーのような印象を受ける。

エレトレは、ハイパーEVのエヴァイヤ同様、空気は車体の上下や周囲にも流れるという空力学的理論「ポロシティ」をデザインに採用している。たとえば、車体前縁の下を流れた空気はボンネット上部に組み込まれた2つの出口から排出される。フロントホイールアーチの前方や後方、リアホイールの後方、さらにはDピラーの上部にもポロシティがあり、空気抵抗を少なくすることで航続距離/速度/性能の向上を図っている。

フロントまわりのデザインは、エヴァイヤやエミーラの系譜を受け継いでいる。スリムなライトクラスターは、ヘッドランプにマトリクス方式を採用している。フロントグリルは必要に応じて開閉するアクティブグリル。ウインドスクリーンは傾斜が強く、サイドウインドーの幅も狭い。フローティングタイプのDピラーには、ドラッグを低減するエアブレードが備わる。

ドアミラーの代わりに電動リバースミラーディスプレイ(ERMD)を採用(許可されていない国では標準のミラーを装着)し、リアまわりではフルワイドリボンライトがボディサイドの特徴的なラインと繋がっている。ルーフエンドではカーボンファイバー製のスプリットルーフスポイラーが特徴的だ。多くの部位にカーボンファイバーとアルミニウムを最大限に活用し、軽量化を実現している。

エレトレは、中国の武漢に完成した新工場で2022年後半から生産が開始される予定だ。ロータスでは、今後4年間で3台のライフスタイルEV車両を展開する計画で、エレトレはその第1弾となる。なお、エレトレの販売に関しては米国と中国をメインマーケットとしてスタートするため、日本への導入時期は現段階では未定となっている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.autocar.jp/post/797893
https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17529120/p2#content-paging-anchor-17529120


Latest Posts 新着記事

終わりなき創造の旅 厚木の発明家が挑む“次の技術革命”」

特許数でギネス更新 21世紀のエジソン、厚木に―発明の街が問いかける、日本の未来図 神奈川県厚木市―東京からわずか1時間足らずの距離にあるこの街が、世界の技術史に名を刻んだ。特許数の世界記録を更新した発明家、山﨑舜平(やまざき・しゅんぺい)氏が拠点を構えるのが、まさにこの地である。彼の名がギネス世界記録に再び載ったというニュースは、科学技術の世界だけでなく、日本人のものづくり精神を象徴する話題とし...

知財は企業の良心を映す鏡――4億ドル評決が語るイノベーションの倫理

2025年10月、米テキサス州東部地区連邦地裁で、韓国の大手電子機器メーカー・サムスン電子に対し、無線通信技術の特許侵害を理由に4億4,550万ドル(約690億円)の賠償を命じる陪審評決が下された。この判決は、単なる企業間の紛争を超え、ハイテク産業における知的財産権(IP)の重みを再認識させる事件として、世界中の知財関係者の注目を集めている。 ■ 「技術を使いたいが、支払いたくない」——内部文書が...

知財が揺るがす電機業界――TMEIC×富士電機、UPS特許訴訟の裏側

2025年夏、産業用電源装置分野を揺るがすニュースが伝わった。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、富士電機の無停電電源装置(UPS)製品が自社の特許を侵害しているとして、韓国において訴訟および輸入禁止の措置を求めた件である。韓国貿易委員会(KTC)は8月下旬、TMEICの主張を一部認め、富士電機製の特定UPSモデルについて韓国への輸入を禁止する決定を下した。日本企業同士の知財紛争が、国外で具...

「JIG-SAW、AI画像技術で米国特許を獲得へ 知財を武器にグローバル競争へ挑む」

はじめに:発表概要と意義 JIG-SAW(日本発の IoT / ソフトウェア/AI ベンチャーと理解される企業)は、米国特許商標庁から「コンピュータビジョン技術」に関する Notice of Allowance(特許査定通知) を取得した旨を、自社ウェブサイトおよびニュースリリースで公表しています。 具体的には、JIG-SAW は「コンピュータビジョン技術、画像処理・画像生成支援技術」分野において...

「特許で世界を包囲する中国 イノベーション強国への加速」

はじめに:なぜ国際特許出願数が注目されるか イノベーション(技術革新)の国際競争力を測る指標として、研究開発投資、論文発表数、特許出願数などが長らく注目されてきました。特に国際特許(例えば、特許協力条約 PCT 出願、あるいは各国出願による外国での保護を意図した出願)は、一国の発明・技術が国際市場を見据えて保護を志向していることを示すため、技術力だけでなく国際志向性の強さも反映します。 近年、中国...

「AI×知財が生む国産イノベーション ナレフルチャットの議事録特許が拓く未来」

2025年秋、CLINKS株式会社が提供する法人向け生成AIチャット「ナレフルチャット」が、議事録生成技術に関する特許を取得した。 このニュースは単なる技術発表にとどまらず、「AIが人の仕事の記録と知識をどう扱うか」という大きな変化の象徴でもある。 いま、AIは“人の代わりに考える”段階から、“人の思考を支える”段階へと進化している。 その中で、「会議をどう記録し、どう活かすか」は、企業の知的生産...

「日用品にも知財戦争 クレシア×大王製紙、“3倍巻き”特許訴訟の行方」

はじめに:争点と構図 日本製紙クレシア(以下「クレシア」)は、トイレットペーパーについて、従来品に比して「長さ3倍(長巻き)」としつつ実用性を保つ技術を有する特許を取得しており、これを背景に、同種製品を販売する大王製紙(以下「大王製紙」)に対し、製造・販売の差止めおよび約3,300万円の損害賠償を求めて訴訟を提起しました。 第1審(東京地裁)では、クレシアの請求は棄却され、大王製紙の製品がクレシア...

「ナノレベルの精度を支える静電チャック ― ウエハー温度均一化の秘密」

ウエハー温度を均一に保つ静電チャック ― 半導体製造を支える見えない精密技術 半導体製造の現場では、目に見えない高度な工夫が、日々の歩留まりや性能向上に直結しています。その代表例の一つが、静電チャック(Electrostatic Chuck, ESC)です。静電チャックは、半導体ウエハーをチャック面で静電力により吸着保持し、ナノメートル単位の加工を可能にする装置です。表面からはただの「吸着板」のよ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る