Switch 2アクセサリー特許:釣りリールとクリックホイールが登場?


1. はじめに

2025年8月現在、Nintendo Switch 2(通称「Switch 2」)の公式発表から数ヶ月が経過しながらも、いまだ多くの謎に包まれた次世代ハード。このタイミングで注目を集めたのが、「Joy-Con 2」向けのアクセサリーを想定した特許出願です。本稿では、WIPO(世界知的所有権機関)へ出願された特許内容を紐解き、その可能性や背後にある意図、そして新たな遊びの形を考察します。

なお、これらはあくまで特許上の技術展開であり、任天堂からの正式な発表はありません。出願から読み取れるヒントとして、想像を膨らませていきましょう。

2. 特許出願の内容:クランクとクリック式ホイール

最新の報道によれば、任天堂はJoy-Con 2向けのアクセサリーについて、WIPOに2件の特許を出願しています。その内容は主に以下の通りです。

(1) クランク(リール)型アクセサリー

  • 回転ディスク(#803)を備え、Joy-Con 2に内蔵されたマウスセンサー(#172)がウィンドウ(#807)越しにその回転を読み取ります。

  • 固定には2つのマグネット(#511 & #512)が使われ、Joy-Conに磁気で簡単に装着可能です。

(2) クリック可能なホイール型アクセサリー

  • 回転に関してはギア列(#941 & #942)を介してマウスセンサー(#174)が追跡し、クリック操作はSLボタン(#31)に伝達されます。

  • SRボタンのための第2ボタン(#950)も装備されています。こちらもマグネット固定方式です。

このように、物理的な回転操作をデジタル入力として読み取る仕組みが明確に示されています。

3. なぜ“釣りゲーム”と結びつく?

なぜこのアクセサリーが「釣りゲー」に使われるのでは、という話になるのか。その背景には、Switch世代から続くJoy-Conによる体験型ゲーム開発の流れがあります。

  • 過去には「Nintendo Labo」で段ボール製の釣り竿Toy-Conが登場し、Joy-Conを使ってリールを巻く体験が可能でした。

今回の特許も、それをよりシンプルかつ耐久性の高い形で再構築し、「釣りをする感覚そのもの」をJoy-Conに持ち込むアクセサリーとして設計されている可能性があります。ファンからは「Animal Crossing」などでの実装を期待する声も上がっており、具体的に「釣りミニゲームに革命をもたらすのでは」と注目されています。

4. Joy-Con 2の特徴とマウスセンサーとの親和性

Joy-Con 2はSwitch 2の挙動そのものを示す要素として、以下のような特徴が挙げられています。

  • 磁石による取り付け機構で、脱着がスムーズに行えます。これは本体側も同様に採用しており、アクセサリーとの親和性も高いと考えられます。

  • マウスモードが正式対応。Joy-Con 2は机などの平面上でマウスのように滑らせる操作が可能で、軌道の読み取りも前提に設計されています。

こうしたJoy-Con 2のハードウェア的進化が、今回の外付けアクセサリーを可能にしている土台と言えるでしょう。

5. 実際に製品化される可能性は?

特許が出願されただけで、必ず製品化されるとは限りません。任天堂の過去を振り返ると……

  • 特許の申請から1年~数年後に製品が登場する例もありますが、多くは未製品化に終わっています。

さらに、実際には手間やコスト、開発リスクが懸念されてしまい、結局市場に出せないケースも少なくありません。それでも、今回の特許が話題になるのは、Switch 2という未来世代機に対する期待が大きいからでしょう。

6. 特許から見える「遊びの未来」への示唆

Joy-Con 2用のこうしたアクセサリー特許は、単なるハードの進化を超えた「遊びのカタチ」の提案と見ることもできます。

  • 釣りリール型クランク:釣りゲーだけでなく、回転入力を活かした工作ゲームやDIYゲーム、音楽系ミニゲームなど、多方面で活用されうる汎用性があります。

  • クリックホイール:インターフェース操作やスクロール精度が求められるゲーム──たとえば、写真撮影をモチーフにした「ポケモンスナップ」系のゲームなどで新たな体験が期待されます。

  • Joy-Conのマウス性と磁気着脱の利便性:ユーザーが自分なりの遊び方を発見できる“ラテラルな発想”を育てる余地があり、まさに任天堂のDNAとも言える精神が息づいています。

7. 結び:特許という窓から見えるNintendoの未来

今回、WIPOへ出願されたJoy-Con 2向けの“クランク”と“クリックホイール”というアクセサリー特許は、任天堂がSwitch 2で再び「ちょっと変で楽しい」体験を届けようとしている兆しかもしれません。現時点ではあくまで「特許上のアイデア」に留まりますが、その構造と仕組みには、実際に手にとって使いたくなるワクワク感があります。

とりわけ「釣りリール型クランク」は、Laboに続く体験重視のゲームデザインとして位置づけられる可能性があり、「釣りゲーには新しい時代が来るかも」とファンが期待するのも頷けます。

今後、任天堂がどのような形でこれらの技術を製品やソフトに落とし込んでいくのか、その発表や展開に注目が集まります。新たなJoy-Conの遊び方が生まれるかもしれない——Switch 2の世界は、まだまだ広がりそうです。


Latest Posts 新着記事

中国当局、米特許商標庁職員に出国禁止措置 米国務省が強く非難し即時解放を要求

2025年7月21日、米国務省は、中国滞在中の米特許商標庁(United States Patent and Trademark Office=USPTO)職員が、中国当局により「出国禁止(Exit Ban)」の措置を受けていると発表した。この職員は米商務省傘下の機関に所属し、訪中の目的は私的なものであったとされるが、帰国を予定していたところ、空港で出国を阻止されたという。米中間の緊張が続く中での...

発売60年で悲願達成!ポッキーが立体商標登録 形と色で一目でわかるブランドの力

2025年7月25日、江崎グリコ株式会社が販売するロングセラー商品「Pocky(ポッキー)」のスティック形状が、特許庁によって正式に立体商標として登録されました(登録第6951539号)。発売から実に60年、国内外で愛されてきたスティック型チョコレート菓子が、ついに“形そのもの”でブランドを証明できる権利を獲得した瞬間です。 今回の登録は、「形と色だけでポッキーだとわかる」ほどの圧倒的認知度とブラ...

Switch 2アクセサリー特許:釣りリールとクリックホイールが登場?

1. はじめに 2025年8月現在、Nintendo Switch 2(通称「Switch 2」)の公式発表から数ヶ月が経過しながらも、いまだ多くの謎に包まれた次世代ハード。このタイミングで注目を集めたのが、「Joy-Con 2」向けのアクセサリーを想定した特許出願です。本稿では、WIPO(世界知的所有権機関)へ出願された特許内容を紐解き、その可能性や背後にある意図、そして新たな遊びの形を考察しま...

海老名発・泉橋酒造、ドローン×AIで酒米品質を収穫前診断 効率化と品質安定へ特許出願

海老名の老舗酒蔵が描く次世代農業の姿 2025年8月10日、神奈川県海老名市に本社を構える泉橋酒造株式会社は、酒米の品質を収穫前に予測できる独自技術を開発し、その成果を特許として出願したことを発表しました。この技術は、ドローンによる空撮映像とAI解析を組み合わせたもので、従来の農業現場では困難とされてきた「事前の品質把握」を可能にします。酒造りの品質安定化、農作業の効率化、そして地域農業の持続性向...

ドイツ自工会、EUの標準必須特許規制撤回を批判 “欧州の技術進歩に重大な悪影響”と警鐘

2025年8月6日、ドイツ自動車工業会(VDA)のユルゲン・ミンデルCEOは、欧州委員会が標準必須特許(Standard-Essential Patents: SEP)に関する規制案を撤回したことに対し、以下のような声明を発表しました。 「欧州全体の技術進歩に重大な悪影響をもたらす」との強い懸念を示し、特にドイツの自動車産業だけでなく、欧州のイノベーションや競争力においても損害が避けられないとの評...

トランプ政権、特許法で学問の牙城に迫る  ハーバード大学への前例なき圧力

序章:学術の聖地に急展開する“知財の戦場” 2025年8月、トランプ米政権(第2期)は、学術界の最高峰たるハーバード大学に対し――今度は“特許権”の面から――強烈な圧力をかけ始めました。これまでの研究資金凍結や留学生排除策に加えて、特許権の没収や第三者へのライセンス付与をちらつかせることで、学術の自由と大学運営への介入が一層深刻化しているのです。 1. Bayh-Dole法を武器とするトランプ政権...

戸籍業務を劇的効率化!「AI相続ミツローくん」新特許で相続手続きを変える

このたび、株式会社サムポローニア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:竹内澄成)が提供する「AI相続ミツローくん」が、新たに特許第7714754号(発明名称:「少ない資料で相続人の相続順位を特定するシステム」)を取得し、自治体や金融機関への導入展開を進めています。本稿では、取得特許の概要、技術的な背景、導入のメリット、今後の展望までを詳しく解説します。 1. 特許の概要とその意義 特許番号:第7...

米特許制度改定案で韓国大手に“維持費10倍”の衝撃 三星・LG直撃の負担増

1. 米国特許制度見直しの動き 米国商務省は現在、特許庁(USPTO)の料金体系を抜本的に見直す改革案を検討している。今回の見直しは単なる料金改定ではなく、特許権の「価値」に基づく課金を導入するという点で、従来の枠組みを大きく変えるものとなる見通しだ。 この案では、特許の維持費を一律に徴収する従来型の方式から脱却し、特許権の市場価値や企業規模、あるいはその特許がもたらす収益規模に応じて変動させる方...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る