将来のAirPodsは外耳道の形や歩き方で本人確認? アップルが特許を出願


様々なアップル製品が指紋認証や顔認証など本人確認システムを備えているなか、将来的にAirPodsにも生体認証が追加される可能性を伺わせる特許が発見されたことをengadgetが22年1月28日伝えている。

これはアップルが米特許商標庁(USPTO)に申請した「ヘッドホンを使ったユーザー識別(USER IDENTIFICATION USING HEADPHONES)」と題された特許です。2020年8月に申請書が提出され、今年(2022年)1月27日に公開されたものだ。

なぜ、AirPodsのようなワイヤレスヘッドホンにも生体認証が必要とされるのか。特許出願によれば、これらはデバイスに接続した状態で(本来の持ち主以外の)誰でも装着でき、個人情報にアクセスしたり、Siriに命令できるためです。

またヘッドホンを通じて「さまざまなアウトプット」が提供されるリスクも説明されています。例えば、インスタントメッセージなどを受信したとき、それを(デバイス本体がロックされている時も)そのメッセージが読み上げられて装着している人に聞こえることなど。

しかし従来のシステムでは、ヘッドホンを装着しているユーザーが、デバイスの個人情報と関わる機能と対話を許可されているかどうかは確認していません。したがって「ヘッドホンを使うユーザー識別のために改良されたシステム」が望まれているというわけです。

その方法の1つは、一種のソナーとして超音波信号を使い、ユーザーの外耳道(外側で音波を集める耳介から鼓膜までの部分)の形状を検出すること。すなわち超音波信号を外耳道の表面で反射させて、ユーザーに関連付けられた“署名”を持つエコーを生成できるかもしれない、と述べられている。

もう1つの可能性が、「歩き方」の情報です。すなわち歩数やペースおよび歩幅など、ユーザーの歩き方や走り方に関する情報を取得して、登録済みの歩行情報と比較してもいいと説明されている。

iOS 15以降ではAirPodsでも「紛失モード」が利用可能となり、落としたり置き忘れたユーザーは、見つけてくれた人に電話番号やメールアドレスを記したメッセージを共有できる。その一方でiPhoneのようにアクティベーションロックを掛けて他人が使えなくする(他のデバイスとペアリング不可にする)ことはできないが、生体認証のしくみが実装されれば、将来的には可能となるのかもしれない。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://japanese.engadget.com/future-airpods-may-verify-your-ears-083044950.html


Latest Posts 新着記事

EXPO×経済:未来を支える「柔軟な太陽電池」―どこでも発電が可能になる日

近年、再生可能エネルギーへの関心が高まり、世界中で太陽光発電の重要性が増している。その中で、特に注目されているのが「軽量で曲がる太陽電池」の技術だ。この革新的な技術は、従来の硬直したパネル型の太陽電池に代わり、さまざまな場所で手軽に設置可能な新しい発電方法を提供する。さらに、この技術は世界のエネルギー問題を解決する可能性を秘めており、特に経済的なインパクトが大きいと期待されている。本コラムでは、軽...

オルツが切り開く未来の会話記録:AIが複数音声を統合する技術」

はじめに 2025年4月、AI技術を活用した会話記録の革新を実現した企業、オルツ株式会社が、複数の音声データを単一の会話記録に統合する技術に関する特許を取得したことが発表されました。この技術は、従来の会話記録システムが抱えていた限界を克服し、会話をより正確に、かつ効率的に処理する方法を提供します。本稿では、この技術の詳細と、その商業的および社会的影響について考察します。 会話記録技術の現状と課題 ...

Edraのファニチャー:美と機能が調和した次世代の居住体験

感性と技術の「完璧な融合」がもたらす、美と機能の未来形 インテリアデザインの世界には、数多くの名作が存在するが、その中でも「心地よさ」と「驚き」を両立させる家具ブランドは非常に少ない。快適な座り心地を提供する家具が多い一方で、視覚的に驚きを与えるようなデザインは必ずしも居心地の良さを伴っているわけではない。しかし、イタリアのラグジュアリーファニチャーブランド「Edra(エドラ)」は、まさにその両極...

IBM z17が示す、AI×メインフレームの最前線

2025年4月、IBMは次世代メインフレーム「IBM z17」を正式発表した。メインフレームと聞くと、一部では“古い技術”と捉える向きもあるが、現代のzシリーズはむしろ最先端のIT基盤として進化を遂げている。特にAIとの統合を強化したz17の登場は、企業のIT戦略を再構築する契機となる可能性を秘めている。 AI推論処理能力が50%向上——処理は“データのある場所”で行う z17最大の進化点は、AI...

「タブレットの終焉?」─四つ折りスマホが開く“次世代モバイル”の扉

スマートフォン市場は、かつてない静かな転換点を迎えている。これまで、スマートフォン、タブレット、ノートPCといったデバイスは、それぞれの用途に応じて選ばれ、併用されることが当たり前だった。しかし、2025年に入り、その常識を覆しかねない“次世代モバイル端末”が注目を集めている。それが「四つ折りスマホ」である。 折りたたみスマホといえば、既にサムスンのGalaxy Z Foldシリーズや、Huawe...

10年後のソニーを創るのは誰か?─デザイナーたちの構想力と戦略

「10年後のソニーをデザインしてください。」 この一言から始まったのが、ソニーグループ・クリエイティブセンターが担った“未来ビジョン”プロジェクトだ。主導したのは、センター長である石井大輔氏。通常、企業の中長期戦略の策定といえば経営企画や戦略部門の仕事だが、ソニーはあえてこの“未来を視覚化する”仕事を、デザイン部門に託した。 この動きには、ソニーの本質が色濃く現れている。単なる技術革新ではなく、技...

「GOGEN」特許が変える不動産販売の常識─新築マンションの申込から契約までをオンライン完結へ

オンライン化が遅れていた「不動産販売」という壁 デジタル化が進展する中でも、なぜかアナログな手続きが根強く残る分野の一つが不動産業界だ。特に新築マンションの販売においては、物件の見学、パンフレットの請求、モデルルームでの商談、購入申込書の記入、手付金の支払いなど、多くのステップがオフラインを前提としていた。近年は一部の不動産テック企業がVR内見やWeb申込を取り入れているが、業界全体としては「オン...

パソナG、知財支援に進出 海外特許出願代行で新事業モデル構築へ

2025年4月上旬、パソナグループ(パソナG)の株価が急騰した。報道によれば、その背景には「同社系が海外での特許出願代行を始める」という日経新聞の報道がある。人材派遣業界の代表的企業が、突如「海外特許出願」というニッチで専門性の高い領域に乗り出すというニュースは、知財業界にとっても異色であり、衝撃だった。 一見、畑違いにも思えるこの新事業。しかし、詳しく紐解いていくと、そこにはグローバル人材活用の...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る