【プリント配線板用樹脂材料】特許総合力トップ3は 味の素、昭和電工マテリアルズ、三菱ガス化学


株式会社パテント・リザルト(本社:東京都文京区 代表:白山隆)はこのほど、2022年1月28日までに日本の特許庁で公開された「プリント配線板用樹脂材料関連技術」について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始したことを2月9日公表した。

プリント配線板の絶縁基材に使用される樹脂材料は、その機能や特性に応じて様々な材料があり、本ランキングでは、日本の特許庁で公開されているプリント配線板用樹脂材料関連技術全般について、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースに、特許の質と量から総合的に見た評価を行っている。

集計の結果、「総合力ランキング」では、1位 味の素、2位 昭和電工マテリアルズ、3位 三菱ガス化学となった。

1位 味の素は、アミノ酸に関するノウハウを応用したエポキシ樹脂に関する技術を基板用絶縁材料に応用しており、事業としてはグループ会社の味の素ファインテクノが行っているものの、特許の名義は味の素となっている。

同社の注目度の高い特許には、「可とう性に優れ、絶縁層表面の粗度が低くても、高いピール強度を有する導体層が形成可能である樹脂組成物」や「湿式粗化工程において絶縁層表面の粗度が小さく、十分なピール強度を有するめっき導体層を形成することができ、誘電特性、熱膨張率にも優れた樹脂組成物」などが挙げられる。

2位 昭和電工マテリアルズの注目度の高い特許には「相容性が良好で、かつ高周波特性、導体との高接着性、優れた耐熱性、低熱膨張特性、高難燃性及び高ガラス転移温度を有する熱硬化性樹脂組成物」や「高周波特性、導体との接着性、耐熱性及び低吸湿性を高い水準で備える樹脂フィルム」などが挙げられる。

なお、昭和電工マテリアルズは、2021年9月にプリント配線板事業を、ポラリスキャピタルを通し、リンクステックに譲渡しているが、材料事業は譲渡の対象となっておらず、本分析対象の調査時点において、昭和電工マテリアルズからリンクステックに譲渡された特許はない。

3位 三菱ガス化学の注目度の高い特許には「優れた光硬化性を有し、耐熱性、熱安定性及び絶縁信頼性をバランスよく優れる硬化物を得ることができる樹脂組成物」や「露光工程においては、光硬化反応を阻害せず、優れた光硬化性を有し、現像工程においては、優れたアルカリ現像性を付与できる樹脂組成物」に関する技術などが挙げられる。

そのほか、4位 DICは「エポキシ樹脂用硬化剤として用いた場合に、得られる硬化物の耐熱性、難燃性に優れるフェノール樹脂組成物」など、5位 パナソニックは「熱伝導性、耐熱性、ドリル加工性、及び難燃性に優れた熱硬化性樹脂組成物」などの技術が、注目度の高い特許として挙げられる。

6位以下には住友ベークライトや積水化学工業、日鉄ケミカル&マテリアルなどの企業がランクインしている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.patentresult.co.jp/news/2022/02/printresin.html


Latest Posts 新着記事

GE薬促進の陰で失われる特許の信頼性―PhRMAが警告する日本の制度的リスク

2025年4月、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が日本政府に提出した意見書が、医薬業界および知財実務者の間で波紋を呼んでいる。矛先が向けられたのは、ジェネリック医薬品(GE薬)に関する特許抵触の有無を判断する「専門委員制度」だ。PhRMAはこの制度の有用性に疑問を呈し、「構造的な問題がある」と批判した。 一見すれば、専門家による中立的判断制度は知財紛争の合理的解決に寄与するようにも思える。だが、...

破産からの逆襲―“夢の電池”開発者が挑む、特許逆転劇と再出発

2025年春、かつて“夢の電池”とまで称された次世代蓄電技術を開発していたベンチャー企業が、ついに再建を断念し、破産に至ったというニュースが駆け巡った。だが、そのニュースの“続報”が業界に波紋を呼んでいる。かつて同社を率いた元CEOが、新会社を設立し、破産企業が保有していた中核特許の“取り戻し”に動き出しているのだ。 この物語は、単なる一企業の興亡を超え、日本のスタートアップエコシステムにおける知...

サンダル革命!ワークマン〈アシトレ〉が“履くだけ足トレ”でコンディションまで整うワケ

「サンダルなのに快適」「履いた瞬間にわかる」「この値段でこれは反則級」――こうした驚きと称賛の声が続出しているのが、ワークマンの〈アシトレサンダル〉だ。シンプルな見た目に反して、履き心地・健康効果・歩行補助といった多面的な機能を備える同製品は、単なる夏の室内履き・外出用サンダルという枠を超えて「履くことで整う道具」として注目されつつある。 このコラムでは、アシトレサンダルの具体的な機能や構造だけで...

斬新すぎる中国製“センチュリーMPV”登場!アルファード超えのサイズと特許で快適空間を実現

中国の高級ミニバン市場に、新たな主役が登場した。GM(ゼネラルモーターズ)の中国ブランド「ビュイック(Buick)」が展開するフラッグシップMPV「世紀(センチュリー/CENTURY)」は、その名の通り“100年の誇り”を体現する存在だ。日本の高級ミニバンの代名詞・トヨタ「アルファード」をも超えるボディサイズに、贅沢を極めた2列4人乗りの内装、そして快適性を徹底追求した独自の“特許技術”が組み込ま...

実用のドイツ、感性のフランス──ティグアン vs アルカナ、欧州SUVの進化論

かつてSUVといえば、悪路走破性を第一義に掲げた無骨な4WDが主役だった。しかし今、欧州を中心にSUVの在り方が劇的に変化している。洗練されたデザイン、都市部での快適性、電動化への対応、そしてブランドの哲学を反映した個性の競演。そんな潮流を牽引するのが、フォルクスワーゲン「ティグアン」とルノー「アルカナ」だ。 この2台は単なる競合ではない。それぞれ異なる立ち位置とブランド戦略を背景に、「欧州SUV...

戦略コンサルはもういらない?OpenAI『Deep Research』の衝撃と業界の終焉

OpenAI「Deep Research」のヤバい背景 2025年春、OpenAIがひっそりと発表した新プロジェクト「Deep Research」。このプロジェクトの正体が徐々に明らかになるにつれ、コンサルティング業界に戦慄が走っている。「AIは単なるツールではない」「これは人間の知的職業に対する“本丸攻撃”だ」とする声もある。中でも、戦略コンサル、リサーチアナリスト、政策提言機関など、いわゆる“...

老化研究に新展開——Glicoが発見、ネムノキのセノリティクス作用を特許取得

はじめに:老化研究の新潮流「セノリティクス」 近年、老化そのものを「病態」と捉え、その制御や治療を目指す研究が進んでいる。中でも注目されるのが「セノリティクス(Senolytics)」と呼ばれるアプローチで、老化細胞を選択的に除去することで、慢性炎症の抑制や組織の若返りを促すというものだ。加齢とともに蓄積する老化細胞は、がんや糖尿病、心血管疾患、認知症といった加齢関連疾患の引き金になるとされ、これ...

EXPO2025に見る「知と美」の融合──イタリア館が描く未来の肖像

2025年大阪・関西万博(EXPO2025)が近づくなか、多くの国が自国の強みをテーマにパビリオンを構築している。イタリアといえば、多くの人が思い浮かべるのは、パスタやピザ、ワインといった「食」、アルマーニやプラダ、グッチなどの「ファッション」だろう。しかし、イタリアの真の魅力はそれだけではない。今回の万博では「もうひとつのイタリア」、すなわち高度な技術力と伝統文化、そして未来志向の融合が強く打ち...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る