「仲良く分けるんです」ケーキをぴったり“等分”にできる装置 大分県の高校生が発明


大分県国東市の県立国東高の部活動「工業技術部」の生徒3人がケーキやピザをどんな数にでも均等に切れる装置を発明した。柔軟な発想と工夫で日常生活の課題を解決した作品は2021年の「県発明工夫展」で最高賞の県知事賞を授賞し、注目を集めていると毎日新聞は22年1月17日伝えている。

家族でホールケーキを食べる際、特に5人、7人といった奇数だと均等に切り分けるのが難しい。中には、4分割や8分割にして、余ったケーキが“争奪戦”となるケースもあるかもしれない。

こうした問題が起きないよう、均等に切れるユニークな装置、 その名も「仲良く分けるんです」。ケーキやピザを食べる人数に合わせて均等に分ける装置だ。開発したのは、大分県の県立国東高の「工業技術部」の財前光美さん(3年)、小野田渉さん(2年)、木村凜人さん(2年)の3人。

使い方は、ケーキやピザをターンテーブル上に置き、レーザーマーカーのスイッチを入れる。すると、固定側(0度)と稼働側のレーザーが照射される。 次に、稼働側のレーザー(矢印の下に見えるレーザー)を切り分けたい個数の角度に合わせる。

例えば、7等分の場合なら51.4度にレーザーを合わせればOKだ。 ちなみに、4等分=90度、5等分=72度、6等分=60度、8等分=45度、9等分=40度、10等分=36度に合わせることとなる。 そして、レーザーに合わせて0度と51.4度の場所を包丁でカット。 続けて、ターンテーブルを回し、カットした場所を0度の位置に合わせ、さらに51.4度の場所をカットする。 これを繰り返していくと、見事に7等分ができるというわけだ。

この装置が生まれたきっかけは、小野田さんの実体験から。 小野田さんは7人家族で、ケーキを切り分ける際は切り分けづらい人数。いつも8等分に分けて、残った一切れは、姉2人とじゃんけんをし、勝った人が食べられるというルールだったという。小野田さんは、何とか均等に切る方法はないかという発想からこの装置を考案した。

ちなみに、名前の「仲良く分けるんです」は、木村さんが家族や親せき等で食べる際に「仲良く分けて欲しい」との思いからつけた。 この装置、2021年の「大分県発明くふう展」に応募し、最高賞の県知事賞を受賞。現在までに、商品化の依頼はないが、発明くふう展の参加も勉強の一つと考えているので商品化については一切考えてないとのこと。

この装置を作るきっかけとなった小野田さんの家では、まだこの装置は使われていないとのことだ。しかし、”仲良く分けたい”という発想を大事にして、今後もみんなが幸せになれる発明品を作っていってほしい。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f6357ee59b7057253c99511f3577571ff57aaca
https://mainichi.jp/articles/20220117/k00/00m/040/179000c


Latest Posts 新着記事

「しなやかでタフ」なカルコパイライト太陽電池の進化戦略

はじめに 太陽光パネルといえば、重くて硬いシリコン製を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし今、次世代技術として「カルコパイライト太陽電池」が静かにその存在感を高めています。 「曲がる太陽電池」カルコパイライトとは? カルコパイライト太陽電池は、銅(C)、インジウム(I)、ガリウム(G)、セレン(S)などを原料とする化合物系の薄膜太陽電池です。これらの構成元素の頭文字をとって「CIGS(シグス)」と...

連邦政府が大学の特許収入を狙う トランプ政権の新方針が波紋

はじめに 米国の大学は、研究開発活動を通じて得られる特許収入を重要な財源としてきました。大学の特許収入は、新しい技術の商業化やスタートアップ企業の設立に活用され、イノベーションの促進に直結しています。しかし、トランプ政権下で、連邦政府が大学の特許収入の一部を請求する方針が検討されており、大学の研究活動やベンチャー企業の育成に対する影響が懸念されています。 特に米国は、大学発ベンチャーの育成や産学連...

脱石炭から技術輸出へ:中国が描くクリーンエネルギーの未来

21世紀に入り、世界各国が環境問題やエネルギー安全保障への対応を迫られるなか、中国はクリーンエネルギー分野で急速に存在感を高めてきた。とりわけ再生可能エネルギー技術、電気自動車(EV)、蓄電池、送配電網、そしてグリーン水素などの分野において、中国は「追随者」から「先行するイノベーター」へと変貌を遂げつつある。なぜ中国が短期間でこのような飛躍を実現できたのか。その背景には、国家戦略、産業政策、市場規...

世界のAI特許6割を握る中国 5G・クラウドを基盤に国際競争を主導

近年、中国はデジタル経済の拡大と技術革新を国家戦略の中核に据え、AIや5G、クラウド、データセンターといった基盤技術において世界を牽引する存在となっている。その象徴的な事実として注目されるのが、人工知能(AI)に関する特許出願件数である。国際特許機関の最新統計によれば、中国からのAI関連特許は世界全体の約6割を占め、米国や欧州、日本を大きく上回る圧倒的なシェアを記録している。 本稿では、中国がいか...

AgeTech知財基盤を強化――パテントアンブレラ(TM)が累計41件出願、AI特許も追加

高齢社会の進展に伴い、健康維持、生活支援、介護軽減を目的としたテクノロジー領域「AgeTech(エイジテック)」への注目がかつてないほど高まっている。その中で、知的財産を軸に事業競争力を高める取り組みが活発化しており、今回、独自の「パテントアンブレラ(TM)」戦略を進める企業が、AI関連特許を含む29件の新規出願を追加し、累計41件の特許出願を完了したと発表した。これにより、類型141件の機能をカ...

フォシーガGE、特許の壁を突破 沢井・T’sファーマの挑戦

2025年9月、日本の医薬品市場において大きな話題を呼んでいるのが、SGLT2阻害薬「フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)」の後発医薬品(GE、ジェネリック)の登場である。糖尿病治療薬の中でも売上規模が大きく、近年では慢性腎臓病や心不全の領域にも適応拡大が進んだフォシーガは、アストラゼネカの主力製品のひとつである。その特許の“牙城”を突破し、ジェネリック医薬品の承認を獲得したのが沢井製薬とT&#...

電池特許はCATLだけじゃない――AI冷却から宇宙利用まで、注目5大トピック

近年、知的財産の世界では、特定の企業やテーマに関心が集中しやすい傾向がある。中国・CATLの電池特許戦略や、AIをいかに効率的に冷却するかといったテーマは、テクノロジー産業の今を象徴するキーワードだ。しかし同時に、その裏側には見落とされがちな知財動向や、将来を左右しかねない新しい潮流が潜んでいる。本稿では、「電池特許CATL以外にも」「特集AIを冷やせ」を含め、いま注目すべき5本のトピックを整理し...

バックオフィス改革へ ミライAI、電話取次自動化で特許取得

AI技術の進化が加速するなか、企業のバックオフィスや顧客対応の現場では「省人化」「自動化」をキーワードとした取り組みが急速に広がっている。その中で、AIソリューションを展開するミライAI株式会社は、従来の電話取次業務を人手に頼ることなく「完全無人化」するための技術を開発し、特許を取得したと発表した。この技術は、音声認識・自然言語処理・対話制御を組み合わせ、従来課題とされてきた「誤認識」「取次精度の...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る