国内小売り最大手のイオンは、三重県四日市市の岡田屋呉服店と関西の2店が提携して1970年に設立されたジャスコが前身だ。1989年には創業20周年を記念して、同社を中核とするジャスコグループの名称を「イオングループ」に変更した。ちなみに「イオン」は「永遠」を意味するラテン語からきている。
さらに2001年には、社名もイオンに変更。創業家出身の岡田元也社長(当時)の下でM&Aによる事業拡大を進め、売上高8兆円を超える一大流通グループとなっている。
この間、グループ傘下に「ジャスコ」「サティ」など複数のブランドが併存していたが、2011年から順次、それぞれの総合スーパーの店名を「イオン」に統一。その結果、店名としての「ジャスコ」は消滅していった。
無くなって久しいジャスコだが、今でも往時の店舗を懐かしむファンも多い。イオンの屋上看板に旧ジャスコ時代のロゴマークがうっすら残っている様子がSNSで拡散するなど、いまだ多くの人にとって郷愁と愛着のあるビッグネームの「ジャスコ」。
そんなジャスコの店名ロゴを、イオンが商標出願した。2021年3月15日に出願され、同月30日に出願情報が公開されている。するとSNS上では、何らかの形でジャスコが復活する前触れかと、期待の声が上がっている。
一方で、クイズ番組「東大王」(TBS系)に出演し、「ジャスコ林」のニックネームで知られる林輝幸さんが、今春から本格的なタレント活動を始めると自身のSNSで宣言。イオンの商標出願は「名前を使わせないためでは?」といった臆測も飛び交った。
その意図を巡って期待と臆測が入り交じる今回の商標出願。真の狙いは何か。イオンのコーポレート・コミュニケーション部の担当者によると、ジャスコの店名が消滅した後も、過去の商標を引き続き登録するため、何年かおきに出願を続けているとのことだった。
ジャスコの店名を捨てた今でも商標を登録し続けているのは、「ジャスコという名前は、会社にとって大切なもの」という思いからだという。「ジャスコは、当時の社員が一生懸命に作り育ててきた。我々は今でも、ジャスコを大事に思っています」つまり、ジャスコの復活を具体的に企図した出願ではないとのことだった。
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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