キット勝つ!で国民的にチョコに

みなさん最新号の特許マガジン、チョコレート特集は御覧頂けましたでしょうか?
普段何気なく食べているお菓子も、掘り下げると奥が深く様々な技術が集約されていますね。
バレンタインデーが終わっても、ホワイトデーはもちろん、受験でもまだまだチョコレートが活躍するシーズンです。

受験にチョコと言えば、「きっと勝つ!」のキットカット。
前々回のコラム「スイスの巨大企業Nestle(ネスレ)」でも取り上げたNestleの大ヒット商品。

Nestleでは、その他にも「エアロ」や「ミロ」などの商品がありますが、
日本人にとってこのキットカットは馴染み深く、日本のお菓子と勘違いしている人も多いのではないでしょうか。

キットカットは1973年(昭和48年)に日本で販売され、フォーフィンガーと呼ばれる
縦長で食べやすく割れところが特徴的で、誰がみてもキットカットだと分かるでしょう。
実はこの見た目、過去に商標登録しようと申請をしたのですが、Nestleが思っているほど固有の認知力がなかったのか、登録できず却下されました。

見た目、つまりデザイン面の権利にも関わらず、なぜ意匠ではなく商標で権利化を狙ったのか?
気になるところではありますが、残念ながら登録されなかったものの、
マーケティングとしては、受験生を応援するお守りツールとして若者を中心に大成功。

Nestleの技術力を最大限に生かすマーケティング力はキットだけでなく、
+VISIONのインタビュー記事にも掲載されている、知財活用商品の「立って寝る」ボックスにも一役買っています。

コーヒースタンドの横に設置して、
コーヒーを1杯飲んだ後に仮眠をすると最適な時間でスッキリことをうたいメディアで話題に。

日本の技術力は素晴らしいものがあるが、シャレの効いたマーケティング力はなかなか見られない。
知財力だけでなく、「知財を活用する力」も見習う点が多いはず。


ライター

渡部一成

株式会社白紙とロック代表取締役

高校卒業後、20歳で起業しwebマーケティングや商品開発に関するコンサルティング事業を15年間経営。
さらに、バンコクでスタートアップ企業を設立し、海外でIT関連のプロダクト開発を経験。
その後、大手IT企業に特許を売却し、その資金で株式会社白紙とロックを設立。
創業後も複数の特許を取得。 その他にも、新規事業の立ち上げや、医療法人理事、大学で特別講師として授業を行うなど多角的に活動中。