特許庁が青森県を含む地域を「知財活用重点支援エリア」に指定、中小企業の成長を後押し


特許庁は最近、2024年度に開始予定の新規事業の一環として、青森県を含む3つの自治体を「知財重点支援エリア」として選定したことを発表しました。この取り組みにより、青森県は国からの知財専門家の支援を受け入れ、地元の各種組織と連携して、県内企業が提供する商品やサービスの付加価値と競争力を高めることを目指します。

知的財産とは、特許や実用新案、意匠、商標など、産業に深く関わるものから、地域ブランドの保護や活用を目的とする地域団体商標(GI)に至るまで、幅広い範囲を含みます。

特許庁のこの支援プログラムは、大企業と比べて限られた経営資源を持つ中小企業に知財を重要な資源として位置づけ、持続的な利用を推進することを目的としています。今回の支援エリアは都道府県と政令市を対象に公募し、応募のあった6地域から選ばれた青森県、石川県、神戸市の3つです。支援期間は最大3年間とされています。

特許庁は、知財活用に積極的な姿勢や農林水産物の付加価値向上への知財活用などを理由に、青森県を重点支援エリアに選定したとしています。特許庁は民間コンサルティング会社に事業を委託し、専門家や特許庁の産業財産権専門官を派遣します。青森県では、県知財センターを含む専門チームの設立が進んでおり、具体的な体制作りが進行中です。

県は、知財関連の人材育成や知財利用意識の啓発にも取り組む予定です。県知財センターの工藤ユミ総括主幹は「地域全体で知財活用への意識を高め、多くの企業が収益アップのために知財を戦略的に経営に組み込む動きにつながることを目指す」と述べています。


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