タニタヘルスリンク、健康診断と生活習慣データからAIが健康リスクを予測~生活習慣病予防支援サービス開始


健康サービス事業を展開する株式会社タニタヘルスリンク(本社:東京都港区 代表:土志田敬祐)は、生活習慣病予防支援サービス「ミライフ」を商品化したことを、24年1月31日プレスリリースで公表した。

「ミライフ」は、健康診断と生活習慣データから将来の健康リスクをAI(人工知能)が予測。現在の生活習慣が引き起こす影響をイラストなどで分かりやすく「見える化」し、将来の健康リスクと生活習慣の改善方法をパソコンやスマートフォンで確認できるというもの。

生活習慣病を予防するためには、日常生活の中で栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠などといった正しい生活習慣を定着させることが重要で、近年では生活習慣の改善に着目した一次予防に重点が置かれている。しかし、多くの世代で健康に関心がなかったり、正しい生活習慣の継続が難しかったりすることなどが、企業や健康保険組合、自治体などにおける生活習慣病予防対策で課題になっている。

「ミライフ」は、このようなニーズに対応するため、生活習慣改善の動機付けに必要な「現状分析」「将来予測」「予防方法」の3カテゴリーにおいて、健康診断と生活習慣データをもとに一人ひとりの健康リスクやそれに備えた情報を提供する。

具体的には、「現状分析」では、健康診断の各検査値を3段階(「異常なし」「生活習慣改善(保健指導域)」「受診勧奨」)で表示するほか、注意すべき生活習慣から生じる健康リスクなどを47タイプに判別。関連する健康情報をイラストとともに表示。

「将来予測」では、現在の生活習慣を続けた場合の将来の健康リスクをAIが予測。このAIは、千件以上の論文から生活習慣や検査数値との関連性を学習させたハイブリットエンジン※1で、8項目(体格、血圧、糖代謝、脂質代謝、肝機能、尿酸、腎機能、血液一般)について現在の生活習慣が引き起こす影響を5段階(「悪化する可能性はとても低い」「悪化する可能性は低い」「やや悪化傾向」「悪化傾向」「要注意」)で解析するとしている。

このほか、メタボリックシンドローム該当要件3項目(血圧、血糖、脂質)の将来のリスク度もレーダーチャートで表示。生活習慣病の発症リスクを視覚的に確認することができ、「高血圧」「高血糖」「高血中脂質」の3つが連鎖するトリプルリスクの予防に役立てることができる。

「予防方法」では、一人ひとりの将来の健康リスクに応じて、改善や継続が必要な生活習慣や具体的な改善方法を保健師や管理栄養士が作成した動画コンテンツなどで紹介。改善に向けた意欲を高め行動変容を促す。加えて、本サービスと同時展開する生活習慣改善サポートシステム「健康シフトプラン」をオプションで組み合わせると、健康づくりのセルフマネジメント力を向上させ、正しい生活習慣を定着させることが期待できる。

これらの機能を搭載した「ミライフ」を活用することで、生活習慣の改善を促すとともに、健康診断後の受診者へのフォローや生活習慣病予防における対象者への働きかけ、健康増進事業の効果検証などのツールとして利用することができ、生活習慣病対策で高い効果が期待できるとしている。

※1:株式会社AncientTree(本社:滋賀県草津市 代表:岡本 稔)の健康チェックサービスに特化した特許技術のHelpU(Healthy Lifestyle Promotion for You) AIエンジンを活用。なお、「ミライフ」のコンテンツ開発にあたっては、医師(医学博士 降旗 謙一氏)が監修している。

特許概要

【特許番号】特許第6473988号
【登録日】平成31年2月8日(2019.2.8)
【発明の名称】検査データの予測、記録、比較装置
【特許権者】 【氏名又は名称】株式会社AncientTree
【発明者】 【氏名】藤原 壮好 【氏名】岡本 稔

【要約】 【課題】生活習慣情報と各種検査データとの相関関係に基づき、以後の検査データ(健康の程度)を予測し、その結果を健康管理に役立たせんとするものである。
【解決手段】 本発明は、対象者の生活習慣情報を記憶する生活習慣記憶手段と、生活習慣に由来する公知の情報を記憶する公知情報記憶手段と、前記対象者の各種検査データを記憶する検査データ記憶手段とが具備され、公知情報記憶手段に記憶されている公知情報と検査データ記憶手段に記憶されている検査データを比較して、将来の検査データを予測することを特徴とするものである。


Latest Posts 新着記事

「広告を見るだけでお得に?」特許技術が生む新時代のリテールメディア

リテールメディアの進化と消費者還元の流れ 近年、小売業界において「リテールメディア」の重要性が高まっている。リテールメディアとは、小売業者が自社の販売データや購買履歴を活用し、広告主にターゲティング広告を提供するマーケティング手法を指す。AmazonやWalmartを筆頭に、世界中の小売企業がこのモデルを取り入れている。 しかし、多くのリテールメディアは広告主と小売業者の利益を重視しており、消費者...

インフォメティス、NEC特許獲得で電力データ分野のグローバ ルリーダーへ

近年、エネルギー業界では、再生可能エネルギーの普及や電力供給の効率化に向けた取り組みが急速に進展しています。その中で、電力データの高度な利活用がカギとなり、特にAI技術やスマートグリッドの活用が重要視されています。インフォメティス株式会社は、NECが保有していた特許を譲受することによって、この分野での競争力を一層強化し、グローバルな事業拡大を目指しています。本コラムでは、インフォメティスが反発を乗...

韓国LCC再編の波— ティーウェイ航空、ソノグループ傘下で新ブランド「SONO AIR」へ

韓国の格安航空会社(LCC)であるティーウェイ航空が、大きな経営転換を迎えようとしています。国内最大のリゾート企業であるソノグループ(旧大明グループ)の子会社、ソノ・インターナショナルがティーウェイ航空の経営権を取得し、社名変更を検討しているとの報道が相次いでいます。本稿では、その背景や経営権取得の経緯、そして今後の展望について詳しく解説します。 経営権取得の経緯 2025年2月26日、ソノ・イン...

「特許取得技術搭載!屋外でも快適なWi-Fiを実現するAX3000メッシュWi-Fi「Deco X50-Outdoor」」

はじめに インターネットの普及とともに、Wi-Fi技術も日々進化し、私たちの生活をより快適に、効率的にしています。特に、Wi-Fi 6(802.11ax)規格の登場は、通信速度や接続の安定性に大きな進歩をもたらしました。 しかし、多くの家庭やオフィスでは、Wi-Fiの電波が届きにくいエリアや、屋外での利用が難しいという課題があります。屋内だけでなく、庭やバルコニーなどの屋外でのインターネット接続の...

大学転職時の特許の扱いで国が初指針 「研究者に返還」選択肢に

はじめに 日本の大学における知的財産の管理は、これまで大学側の裁量に大きく依存していた。しかし、研究者が大学を転職する際に特許の権利がどのように扱われるかは明確でなく、トラブルが発生するケースもあった。こうした状況を受け、政府は初めて大学の転職時における特許の扱いについて指針を策定し、「研究者に特許を返還する」という選択肢を明示した。 本稿では、この新指針の内容と意義、そして研究者や大学、企業が直...

特許出願の減少は技術停滞のサインか? 2025年最新データを解説

2025年1月から2月にかけて、日本における発明特許の登録件数が前年同期比で15.97%減少したことが報告されています。これは、特許出願を取り巻く環境が変化していることを示唆しており、企業の研究開発活動や経済状況に影響を与える可能性があります。本稿では、この減少の背景を探るとともに、世界的な特許出願の動向と今後の展望について詳しく考察します。 1. 2025年初頭における特許出願件数の減少傾向 特...

特許出願でEV技術の最前線へ!トヨタが欧州特許庁のランキングで2位

欧州特許庁(EPO)は2024年の特許指数を発表し、日本の自動車メーカー・トヨタ自動車が電気自動車(EV)関連技術において世界第2位となったことが明らかになった。本コラムでは、トヨタの特許出願動向、技術戦略、そして今後の展望について詳しく解説する。 1.トヨタの特許出願動向 EPOの発表によると、2024年におけるトヨタ自動車の特許出願数は、EV技術分野で世界第2位となった。 トヨタはこれまでハイ...

BMS、特許切れでも2032年に売上倍増の目標達成へ—新製品に賭ける自信

ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は、2032年までに売上を倍増させるという強気の目標を掲げている。特許切れが迫る主力品による売上減少を予測しながら、同社がこのような高い成長目標を設定する背景には、強力な新製品パイプラインと戦略的なM&A(合併・買収)戦略がある。本稿では、ブリストルの戦略を主力製品の特許切れ、業界動向、新薬開発の進展と絡めて分析し、同社がどのようにして成長を維持し...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る