インボイス制度対応~特許取得のOCRで読み取った適格請求書発行事業者登録番号を自動確認技術の提供


ファーストアカウンティング株式会社(本社:東京都港区、代表:森 啓太郎)は、インボイス制度に対応したAIソリューションを2023年4月より提供開始したことを、5月1日プレスリリースで公表した。

このソリューションは、インボイス制度において必要とされる適格請求書6項目の読み取りと適格請求書発行事業者登録番号の自動判定が可能となり、制度の施行により想定される経理業務の負荷を軽減するもの。また、ファーストアカウンティングの特許技術により、OCRで読み取った適格請求書発行事業者登録番号を自動で確認できることが最大の特徴だとしている。

インボイス制度対応AIソリューションの概要 】

・適格請求書発行事業者登録番号の自動判定
当社AIが請求書に記載された事業者名と適格請求書発行事業者登録番号を読み取り、事業者が国税庁のインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトに登録されている適格請求書発行事業者かどうか等を自動で確認し、記載漏れ、番号の不一致、有効期間外でないか等を判定。これは同社の特許技術となっている。

・適格請求書に必要な記載6項目の読み取り
当社AIが適格請求書の記載事項を読み取り、適格請求書に必要な記載6項目が含まれているかどうかを判定。この6項目は以下の通りとなっている。

① 適格請求書発行事業者番号:登録番号を読み取り、出力
② 取引年月日:明細行ごとに日付(取引年月日)を読み取り、出力
③ 取引内容:明細の品名を読み取り、出力
④ 適用税率と税率毎の合計金額:適用税率と税率毎の合計金額の読み取りと出力及び金額検算結果の出力
⑤ 税率毎の消費税額:税率毎の消費税額を読み取りと出力及び金額検算結果の出力
⑥ 事業者の氏名または名称:読み取った宛名を読み取り、出力

インボイス制度への対応と想定リスク 】

買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けた適格請求書の保存等が必要となる。そのため、買手においては請求書・領収書を処理する場合、インボイス制度の施行で以下の確認が必要となる。
① 取引相手(売手)が登録事業者であるかの確認
② 適格請求書に必要な事項が記載されているかの確認

この確認を怠ることにより、免税事業者が誤って証憑に記載してしまった消費税額を仕入税額控除の対象として集計をしたり、または、請求書・領収書に登録番号・適用税率・消費税額等が記載されていないにもかかわらず、適格請求書として保存し仕入税額控除を適用してしまうリスクが想定される。

この場合、仕入税額控除が過大集計されたことにより、消費税の修正申告が必要になると考えられ、税務調査等で仕入税額控除の過大計上が発覚すると、最長過去7年間分について同様の事案が発生していないか調査が必要になる可能性がある。また、消費税の修正申告は財務会計にも影響することから、財務諸表に与える影響も懸念される。

このような税務・財務リスクを最小限にするために、大手企業を中心に、データ数が数千件から数万件ある支払先マスタの大規模な改修や、経理部門における伝票確認体制の強化を目的とした経理部員の増員を計画しているケースが散見できる。これにより、インボイス制度対応のためのシステム改修コスト・作業工数の増加を経営課題として認識されてる。

同社は経理業務の革新と効率化を目的に、ファーストアカウンティングは請求書や領収書の読取り・台紙切り取り・仕訳(勘定科目推論)などの機能を持つAIエンジン「Robota」、ならびにRobotaのAIエンジンを組み合わせ、ウェブブラウザで完結するクラウド型会計ソリューション「Remota」を開発し、提供している。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000061842.html


Latest Posts 新着記事

AI×半導体の知財戦略を加速 アリババが築く世界規模の特許ポートフォリオ

かつてアリババといえば、EC・物流・決済システムを中心とした巨大インターネット企業というイメージが強かった。しかし近年のアリババは、AI・クラウド・半導体・ロボティクスまで領域を拡大し、技術企業としての輪郭を大きく変えつつある。その象徴が、世界最高峰AI学会での論文数と、半導体を含むハードウェア領域の特許出願である。アリババ・ダモアカデミー(Alibaba DAMO Academy)が毎年100本...

翻訳プロセス自体を発明に──Play「XMAT®」の特許が意味する産業インパクト

近年、生成AIの普及によって翻訳の世界は劇的な変化を迎えている。とりわけ、専門文書や産業領域では、単なる機械翻訳ではなく「人間の判断」と「AIの高速処理」を組み合わせた“ハイブリッド翻訳”が注目を集めている。そうした潮流の中で、Play株式会社が開発したAI翻訳ソリューション 「XMAT®(トランスマット)」 が、日本国内で翻訳支援技術として特許を取得した。この特許は、AIを活用して翻訳作業を効率...

特許技術が支える次世代EdTech──未来教育が開発した「AIVICE」の真価

学習の個別最適化は、教育界で長年議論され続けてきたテーマである。生徒一人ひとりに違う教材を提示し、理解度に合わせて学習ルートを変化させ、弱点に寄り添いながら伸ばしていく理想の学習プロセス。しかし、従来の教育現場では、教師の業務負担や教材制作の限界から、それを十分に実現することは難しかった。 この課題に真正面から挑んだのが 未来教育株式会社 だ。同社は独自の AI学習最適化技術 で特許を取得し、その...

抗体医薬×特許の価値を示した免疫生物研究所の株価急伸

東京証券取引所グロース市場に上場する 免疫生物研究所(Immuno-Biological Laboratories:IBL) の株価が連日でストップ高となり、市場の大きな注目を集めている。背景にあるのは、同社が保有する 抗HIV抗体に関する特許 をはじめとしたバイオ医薬分野の独自技術が、国内外で新たな価値を持ち始めているためだ。 バイオ・創薬企業にとって、研究成果そのものだけでなく 知財ポートフォ...

農業自動化のラストピース──トクイテンの青果物収穫技術が特許認定

農業分野では近年、深刻な人手不足と高齢化により「収穫作業の自動化」が急務となっている。特に、いちご・トマト・ブルーベリー・柑橘など、表皮が繊細な青果物は人の手で丁寧に扱う必要があり、ロボットによる自動収穫は難易度が極めて高かった。そうした課題に挑む中で、株式会社トクイテンが開発した “青果物を傷付けにくい収穫装置” が特許を取得し、農業DX領域で大きな注目を集めている。 今回の特許は単なる「収穫機...

<社説>地域ブランドの危機と希望――GI制度を攻めの武器に

国が地理的表示(GI:Geographical Indication)保護制度をスタートしてから10年が経つ。ワインやチーズなど農産物を地域の名前とともに保護する仕組みは、欧米では産地価値を国境を越えて守る知財戦略としてすでに大きな成果を上げてきた。一方、日本でのGI制度は、導入から10年が経った今ようやくその重要性が幅広く認識される段階に差し掛かったと言える。 農林水産省によれば、2024年時点...

保育データの構造化とAI分析を特許化 ルクミー「すくすくレポート」技術の本質

保育業界におけるDXが本格的に進む中、ユニファ株式会社が展開する「ルクミー」は、写真・動画販売や登降園管理、午睡チェックシステムなどを通じて保育の可視化と効率化を支えてきた。その同社が開発した 保育AI™「すくすくレポート」 が特許を取得したことは、保育現場のデジタル化における大きな節目となった。 「すくすくレポート」は、子どもの日々の成長・発達をAIが分析し、保育士の観察記録を補助...

JIG-SAW、動物行動AIの“核技術”を米国で特許化 世界標準を狙う布石に

IoTプラットフォーム事業を展開する JIG-SAW株式会社 が、米国特許商標庁(USPTO)より「AI算出によるベクトルデータをベースとしたアルゴリズム・システム」に関する特許査定を受領した。対象となるのは 動物行動解析分野—つまり動物の動き・姿勢・行動をAIで読み取り、ベクトルデータとして構造化し、行動傾向や異常を自動判定するための技術だ。 近年、ペットヘルスケア、畜産、動物実験、野生動物の行...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る