Apple、AirPodsで歯ぎしりの診断がより簡便に、かつ、起きている時でも測定できる機能の特許を出願


歯ぎしり(ブラキシズム)は、睡眠中や覚醒中に現れる最も一般的なパラファンクション(悪習癖)と言われ、ブラキシズムを監視し治療するための市販の装置は高価で日常的に頻繁に使用するには不便だが、AirPodsでその検出が行えるようになるかもしれない。

今回米国特許商標庁(USPTO)が公開したAppleの特許出願は、AirPodsのモーションセンサーを用いたブラキシズムの診断とモニタリングに関するものだとiPhone Maniaが22年10月11日伝えている。

公開日は2022年10月6日、公開番号はUS20220313153、実効出願日は2021年3月29日で発明の名称は”DIAGNOSIS AND MONITORING OF BRUXISM USING EARBUD MOTION SENSORS”(イヤーバッドのモーションセンサーを使用した歯ぎしりの診断と監視)となっている。

AirPodsの装着場所は、歯の動きを明確に捉えるのに適切で、歯の動きによって生じる音の振動は頭蓋骨の骨を通して伝導し、内耳に届くため測定が可能だというアイデアだ。

Appleの特許図面1は、ユーザーの耳に挿入されたイヤホンと、ブラキシズムイベントによって引き起こされるオーディオ帯域の音の振動をキャプチャする加速度計を示している。図面2は、ブラキシズムを診断および監視するシステムを示すブロック図、図面3は、口腔内活動の音響プロファイルの例のスペクトログラムとなっている。
Appleの特許図面6は、ブラキシズムイベントの診断と監視のためのデータ処理パイプラインのフローチャート。

しかしながら、AirPodsが夜間、睡眠中のユーザーのブラキシズムを監視するためには、デザインを変更し耳から何もはみ出るものがない状態にし、横向きで寝る人でも落ちにくいようにする必要があるかもしれない、とPatently Appleはコメントしている。なお、特許出願のAirPodsには、特殊なモーションセンサーが使用されるとも記されており、通常のAirPodsのセンサーでは歯ぎしりの検出は難しいようだ。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://iphone-mania.jp/news-494450/
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20221010-00318939


Latest Posts 新着記事

知財分析に地殻変動:Patentfieldが中韓データ標準化を実現

はじめに 企業がグローバル市場で競争力を維持・強化するうえで、知的財産(IP:Intellectual Property)の戦略的な活用は欠かせません。特許情報の分析は、新たな事業機会の発見、研究開発の方向性決定、競合の動向把握など、多様な意思決定の根拠となります。その中で、知財分析プラットフォームとして多くの企業や研究機関に支持されてきた「Patentfield(パテントフィールド)」が、このた...

iPhoneの次はこれ?アップルが仕掛けるAIウェアラブル革命

2025年5月、米Apple(アップル)が出願した新しい特許資料が公開され、テック業界やウェアラブル技術の未来に関心を持つ多くの人々の間で話題となっている。その内容は、従来のスマートウォッチやARグラスの枠を超える、まさに「身体拡張」と呼ぶにふさわしい次世代のAIウェアラブルデバイスに関するものだった。 本稿では、特許から読み取れるデバイスの可能性、他社動向との比較、そしてアップルが目指すであろう...

エーザイ、レンビマ特許訴訟に勝訴 知財強化で収益基盤を防衛

2024年3月、日本の製薬大手エーザイ株式会社は、同社が開発・販売する抗がん剤「レンビマ(一般名:レンバチニブ)」に関する米国での特許侵害訴訟において、インドの大手後発医薬品メーカーであるサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ(Sun Pharmaceutical Industries Ltd.)との間で和解に至ったことを発表した。この訴訟での勝訴は、単なる一製薬企業の勝利にとどまらず、国...

「宇宙旅行OS」が誕生──スペースデータ、次世代ステーション統合特許を取得

2025年、宇宙ビジネスのフロンティアを牽引する日本企業「スペースデータ株式会社」が、宇宙ステーションの統合管理から宇宙旅行の予約・運用システムに至るまでを包括的にカバーする特許を取得した。これは単なる技術的成果にとどまらず、宇宙産業全体の未来像を方向づけるマイルストーンとなり得る重要な出来事である。 本コラムでは、スペースデータ社の取得した特許の概要、技術的・社会的な意義、そしてそこから見えてく...

ステランティス、ブラジルで特許出願急増 3倍増で革新の最前線へ

2024年、ステランティスはブラジルにおいて目覚ましい成果を収めた。特許出願数が前年比で3倍に達し、国内企業としては第3位という快挙を成し遂げたのである。これは単なる数字の増加ではなく、同社が南米、特にブラジルを次世代モビリティの技術革新の中核と位置づけ、グローバルな戦略拠点として本格的に機能させ始めていることを示す重要な指標だ。 ブラジルでの研究開発強化 ステランティスが急速に特許出願数を増やし...

知財リノベーション:老舗企業に求められる特許戦略の転換

はじめに:増え続ける「数」の先にあるもの 日本は長年にわたり、技術立国として数多くの特許を生み出してきた。特に1980年代から1990年代にかけては「知財大国」として世界を牽引していたが、21世紀に入り、特許出願件数が急増する一方で、その“質”への懸念が深まっている。いま、企業は単なる特許の“数”ではなく、社会的価値や経済的インパクトを持つ“質”を問われる時代に突入しているのだ。 この流れの中で、...

知財戦略の先に未来がある ― IT企業の特許から見る国際競争力

近年、IT業界のグローバル競争は激化の一途をたどっている。GAFAを筆頭に、中国BAT(Baidu, Alibaba, Tencent)や新興のスタートアップが覇権を争う中、各社がグローバル市場での競争優位を築くために重視しているのが「知的財産」、特に「特許」である。特許は単なる技術の保護にとどまらず、国際戦略の可視化、競合排除、M&Aの交渉材料としても機能する。各社がどの分野にどのような...

ジェネリックに逆風?東レ新薬が特許侵害で沢井製薬に大勝利

2025年5月、知的財産高等裁判所(知財高裁)は、東レ株式会社が起こした特許権侵害訴訟において、沢井製薬株式会社をはじめとするジェネリック医薬品メーカーに対して、217億円の損害賠償を命じる判決を下した。このニュースは製薬業界関係者を驚かせるとともに、日本の知財制度と医薬品政策のあり方について、改めて深い議論を呼び起こす契機となっている。 本稿では、この判決の背景、判決が意味するもの、そして今後の...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る