日本ハムが「BIGBOSS」を商標登録できないことが発覚!第三者がひと足先に出願していた


今季のプロ野球は日本ハムの新庄剛志監督(50)に話題が集中。昨年10月に監督就任が決定して以降、スポーツメディアのみならず、バラエティー番組にも多数出演するなどメディアを“ジャック”。2月のキャンプでも連日、一挙手一投足が報じられた。

そうした成果もあって、3月29日の本拠地開幕戦は、平日開催にもかかわらず早々と完売。ビッグボス関連のグッズはキャンプ地で売り切れが続出。2月25日付の地元紙・北海道新聞WEB版では、札幌にある公式ショップでも新庄監督のユニホームが1番人気だと報じている。
そんな新庄フィーバーに水を差すような出来事が起きている。新庄監督の肩書である「BIGBOSS」(ビッグボス)の商標登録を巡り、日本ハムよりも先に、日本ハムと無関係と思われる奈良県在住の第三者が特許庁に商標登録を出願していることが判明したと、YAHOOJAPANニュースは22年3月16日伝えている。

新庄監督は昨年11月4日の就任会見の際、「監督って、言わないでください。BIGBOSSでお願いします」と発言。その場で報道陣に「BIGBOSS SHINJO」と印字された名刺を配り、選手たちにも「BIGBOSS」と呼ぶように求めたことで、「新庄監督=BIGBOSS」がファンのみならず一般の人たちにも認知されるようになった。

「ユニホームの背中のネームも『SHINJO』『BIGBOSS』の2バージョンを用意。日本ハムとしても当然、『BIGBOSS』を前面に出してグッズ販売などを展開したい。ところが、いざ特許庁に商標登録を申請する段階で問題が起きた。日本ハムよりも先に、『BIGBOSS』の商標登録を出願した第三者がいるのです」(地元関係者)

特許情報が閲覧できるWEBサイト「J-Plat Pat」を見ると、実際、日本ハムが昨年11月22日に申請するより前に、第三者が就任会見4日後の同8日に出願。15日現在も審査中となっており、日本ハムはその審査が終わるまで、審査待ちを強いられているのである。  

このことについて、浦上総合法律事務所の浦上俊一弁護士が言う。「日本ハムより先に登録申請した方は、『被服』『運動用特殊衣服』などウエアやユニホームに関わる『第25類』について商標申請を出している。仮にこれが認められた場合、日本ハムは『BIGBOSS』の名称が入ったユニホームなどを販売するには、その第三者に対して商標使用許諾が必要となり、ロイヤルティーを支払わなければいけません。

もっとも、今回のケースは特許庁が前もって申請した第三者に対し、商標登録できない理由を記した『拒絶理由通知書』を出している。この第三者が特許庁に対して意見書を出したとしても、おそらく登録が認められることはないと考えられます」  

結果的に日本ハムが商標登録できそうだが、問題はその時期がいつになるのか、だ。

「現時点ではまだ、日本ハムの審査がスタートしていません。昨今は申請数が多いためか、商標の申請から登録まで1年程度の期間を要する傾向があります。

ただし今回は『早期審査の対象』となっていますので、審査の開始から2カ月ほどで決着するとみられます。日本ハムの登録が認められるまで、『BIGBOSS』のロゴが入ったTシャツなどは誰が販売しても、ロイヤルティーは発生しないと考えられます」(浦上弁護士)  

もっとも、日本ハムは入団会見で「BIGBOSS」の名刺を報道陣に配っている。もっと早くに商標申請していれば……と言いたくもなるが、新庄フィーバーの余波が思わぬ形で広がっていることだけは確かだ。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://news.yahoo.co.jp/articles/7536260b48b45e4093603a0dcc8f3b0dba3a0a95?page=1


Latest Posts 新着記事

「しなやかでタフ」なカルコパイライト太陽電池の進化戦略

はじめに 太陽光パネルといえば、重くて硬いシリコン製を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし今、次世代技術として「カルコパイライト太陽電池」が静かにその存在感を高めています。 「曲がる太陽電池」カルコパイライトとは? カルコパイライト太陽電池は、銅(C)、インジウム(I)、ガリウム(G)、セレン(S)などを原料とする化合物系の薄膜太陽電池です。これらの構成元素の頭文字をとって「CIGS(シグス)」と...

連邦政府が大学の特許収入を狙う トランプ政権の新方針が波紋

はじめに 米国の大学は、研究開発活動を通じて得られる特許収入を重要な財源としてきました。大学の特許収入は、新しい技術の商業化やスタートアップ企業の設立に活用され、イノベーションの促進に直結しています。しかし、トランプ政権下で、連邦政府が大学の特許収入の一部を請求する方針が検討されており、大学の研究活動やベンチャー企業の育成に対する影響が懸念されています。 特に米国は、大学発ベンチャーの育成や産学連...

脱石炭から技術輸出へ:中国が描くクリーンエネルギーの未来

21世紀に入り、世界各国が環境問題やエネルギー安全保障への対応を迫られるなか、中国はクリーンエネルギー分野で急速に存在感を高めてきた。とりわけ再生可能エネルギー技術、電気自動車(EV)、蓄電池、送配電網、そしてグリーン水素などの分野において、中国は「追随者」から「先行するイノベーター」へと変貌を遂げつつある。なぜ中国が短期間でこのような飛躍を実現できたのか。その背景には、国家戦略、産業政策、市場規...

世界のAI特許6割を握る中国 5G・クラウドを基盤に国際競争を主導

近年、中国はデジタル経済の拡大と技術革新を国家戦略の中核に据え、AIや5G、クラウド、データセンターといった基盤技術において世界を牽引する存在となっている。その象徴的な事実として注目されるのが、人工知能(AI)に関する特許出願件数である。国際特許機関の最新統計によれば、中国からのAI関連特許は世界全体の約6割を占め、米国や欧州、日本を大きく上回る圧倒的なシェアを記録している。 本稿では、中国がいか...

AgeTech知財基盤を強化――パテントアンブレラ(TM)が累計41件出願、AI特許も追加

高齢社会の進展に伴い、健康維持、生活支援、介護軽減を目的としたテクノロジー領域「AgeTech(エイジテック)」への注目がかつてないほど高まっている。その中で、知的財産を軸に事業競争力を高める取り組みが活発化しており、今回、独自の「パテントアンブレラ(TM)」戦略を進める企業が、AI関連特許を含む29件の新規出願を追加し、累計41件の特許出願を完了したと発表した。これにより、類型141件の機能をカ...

フォシーガGE、特許の壁を突破 沢井・T’sファーマの挑戦

2025年9月、日本の医薬品市場において大きな話題を呼んでいるのが、SGLT2阻害薬「フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)」の後発医薬品(GE、ジェネリック)の登場である。糖尿病治療薬の中でも売上規模が大きく、近年では慢性腎臓病や心不全の領域にも適応拡大が進んだフォシーガは、アストラゼネカの主力製品のひとつである。その特許の“牙城”を突破し、ジェネリック医薬品の承認を獲得したのが沢井製薬とT&#...

電池特許はCATLだけじゃない――AI冷却から宇宙利用まで、注目5大トピック

近年、知的財産の世界では、特定の企業やテーマに関心が集中しやすい傾向がある。中国・CATLの電池特許戦略や、AIをいかに効率的に冷却するかといったテーマは、テクノロジー産業の今を象徴するキーワードだ。しかし同時に、その裏側には見落とされがちな知財動向や、将来を左右しかねない新しい潮流が潜んでいる。本稿では、「電池特許CATL以外にも」「特集AIを冷やせ」を含め、いま注目すべき5本のトピックを整理し...

バックオフィス改革へ ミライAI、電話取次自動化で特許取得

AI技術の進化が加速するなか、企業のバックオフィスや顧客対応の現場では「省人化」「自動化」をキーワードとした取り組みが急速に広がっている。その中で、AIソリューションを展開するミライAI株式会社は、従来の電話取次業務を人手に頼ることなく「完全無人化」するための技術を開発し、特許を取得したと発表した。この技術は、音声認識・自然言語処理・対話制御を組み合わせ、従来課題とされてきた「誤認識」「取次精度の...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る