現地での目視検針が不要になる、 「自動販売機の遠隔検針サービス」における特許を取得


北陸電力株式会社(以下、北陸電力)とアイルジャパン株式会社(以下、アイルジャパン)が共同開発した「自動販売機用検針装置及び検針システム」が、特許を取得したことを21年12月22日両社が公表した。

両社は、2021年3月から全国初となる「自動販売機の遠隔検針サービス」の提供を開始しており、現在では、北陸コカ・コーラボトリング株式会社様の自動販売機約1,000台で採用されている。

今回、特許を取得したのは、本サービスで使用している自動販売機の売上等のデータを送信するための既存の通信回線を利用し、電力量計で計測した検針データを遠隔検針サーバーに送信する、共同開発されたシステム。

本システムでは電力量計の目視検針が不要になる等、労務量削減や利便性向上に役立つものと評価されている。

・特許番号 :特許第6973722号
・発明の名称 :自動販売機用検針装置及び検針システム
・登録日 :2021年11月8日

従来、例えばドリンクなどの自動販売機にかかる電気代を算出するためには、自動販売機のコンセントが接続された電力量計を検針することにより行われていた。このような検針方法の場合、検針員が、各自動販売機が接続された電力量計が設置された場所に訪れ、目視により確認することが一般的であった。

また、検針員による検針方法では、リアルタイムに消費電力量を知ることができない。自動販売機の消費電力量は、自動販売機の稼働率などとも密接な関係があり、商品の販売ロスを防ぎ、売上を向上させるためには、リアルタイムに知ることが好ましい。

リアルタイムに消費電力量を把握するためには、自動販売機に電力量検出手段と通信制御手段とを備えることにより可能となるが、既存の自動販売機を、電力量検出手段を備えた自動販売機にリプレイスすることは、多大なコストを要することになるため、現実的ではない。

一方で、近年の自動販売機は、売上データをオンラインでサーバーに送信するためや、また、自動販売機において電子マネーを利用可能にするために、例えば、VCCSやJVMAといった規格の通信に対応したものがほとんどである。

本発明は、このような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、商品の販売管理を行う販売管理部と、該販売管理部によって生成された売上データを、通信機器を介して所定のサーバーに送信する通信部と、を少なくとも備えたメインコントローラと、を有する既存の自動販売機に対して後付けで設置することができ、低コストで自動検針を可能とすることができる検針装置及び検針システム。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000009.000036514&g=prt
https://aisle-j.co.jp/news/news.php?id=26
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200


Latest Posts 新着記事

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

SoC時代の知財戦争──ホンダと吉利が仕掛ける“車載半導体覇権競争”

自動車産業が「電動化」「自動運転」「ソフトウェア定義車(SDV)」へと急速にシフトするなか、車載半導体・システム・チップ(SoC:System­on­Chip)を巡る知財・開発競争が激化している。特に、ホンダが「車載半導体関連特許を8割増加」させているとの情報が注目されており、同時に中国自動車メーカーが特許活動を爆発的に拡大しているとされる。なかでもジーリー(Geely)が“18倍”という成長率を...

試験から設計へ──鳥大が築くコンクリート凍害評価の新パラダイム

はじめに:なぜ“凍害”がコンクリート耐久性の大きな壁なのか コンクリート構造物が寒冷地・凍結融解環境(凍害)にさらされると、ひび割れ・剥離・かさ上がり・耐荷力低下といった劣化が進行しやすい。例えば水が凍って膨張し、内部ひびを広げる作用や、塩分や融雪剤の影響などが知られている。一方、これらの劣化挙動を実験室で迅速に・かつ実サービスに近づけて評価する試験方法の開発は、長寿命化・メンテナンス軽減の観点か...

Perplexityが切り拓く“発明の民主化”──AI駆動の特許検索ツールが変える知財リサーチの常識

2025年10月、AI検索エンジンの革新者として注目を集めるPerplexity(パープレキシティ)が、全ユーザー向けにAI駆動の特許検索ツールを正式リリースした。 「検索の民主化」を掲げて登場した同社が、ついに特許情報という高度専門領域へ本格参入したことになる。 ChatGPTやGoogleなどが自然言語検索を軸に知識アクセスを競う中で、Perplexityは“事実ベースの知識検索”を強みに急成...

特許が“耳”を動かす──『葬送のフリーレン リカちゃん』が切り開く知財とキャラクター融合の新時代

2025年秋、バンダイとタカラトミーの共同プロジェクトとして、「リカちゃん」シリーズに新たな歴史が刻まれた。 その名も『葬送のフリーレン リカちゃん』。アニメ『葬送のフリーレン』の主人公であるフリーレンの特徴を、ドールとして高精度に再現した特別モデルだ。特徴的な長い耳は、なんと特許出願中の専用パーツ構造によって実現されたという。 「かわいいだけの人形」から、「設計思想と知財の結晶」へ──。今回は、...

“低身長を演出する靴”という逆転発想──特許技術で実現した次世代『トリックシューズ』の衝撃

ファッションと遊び心を兼ね備えた新発想のシューズ「トリックシューズ」が市場に登場した。通常、多くの「シークレットシューズ」や「厚底スニーカー」は身長を高く見せるために設計されるが、本モデルは逆に身長を「低く見せる」ための構造を意図しており、そのためにいくつもの特許技術が組み込まれているという。今回は、このトリックシューズの設計思想・技術構成・使いどころ・注意点などを掘り下げてみたい。 ■ コンセプ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る