アジュバングループと理化学研究所の共同研究で 2種のペプチドを含む育毛剤の特許を取得


株式会社アジュバンホールディングス(本社:兵庫県神戸市 代表:中村豊、以下「アジュバンホールディングス」という)は、国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター器官誘導研究チーム(辻孝チームリーダー、以下「理化学研究所」という。)との共同研究「毛質のメカニズムの科学的解析と新規ヘアケア剤候補物質の評価・探索」で発見した2種のペプチドを含む育毛剤の特許を2021年10月7日に取得したことを21年10月22日公表した。

共同研究においては、パルミトイルジペプチド-5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニンおよびパルミトイルジペプチド-5ジアミノヒドロキシ酪酸(以下、「ペプチドA」という。)を含有する外用剤が、ミノキシジルと同等に毛髪の成長を促進させる育毛活性効果があることを発見するとともに、毛髪の成長を制御する毛乳頭細胞における育毛に関連する成長因子の遺伝子の発現を誘導することも明らかにした。
近年、育毛効果および毛種・毛質を改善する育毛剤などの外用剤の需要が伸びており、毛周期の調節に寄与する有効成分が提案され育毛剤として上市されるケースが増えている。

中でもミノキシジルを有効成分とする育毛剤は広く利用される一方で、その医薬用途は男性の壮年性脱毛症に限られるなど、育毛効果および毛種毛質改善効果を所望する幅広い消費者の要望を十分に叶えるものとはなっていないと言える。

こうした中、共同研究では新たに幅広く使用できる育毛成分の発見を目指し、多くの既存の化粧品成分をスクリーニングにかけ育毛効果が認められる成分を探索した。

その結果、毛幹伸長速度の上昇と最大毛幹長の増大が認められる成分を生体内試験で特定し、さらに同成分が毛包周囲の毛細血管の増殖や新生を促進する働きを持つ成長因子「VEGF」と毛母細胞の増殖・分裂を促進する働きを持つ成長因子「FGF-7」の発現量を増加させることを生体外試験で確認した。

これらの研究結果より取得した特許は、同成分を有効な成分として配合した頭髪・眉毛および睫毛用の外用剤(育毛剤・スカルプケア剤)およびそれらを投与することを含む育毛方法に関するもの。

共同研究において、特定した育毛活性効果のある成分「ペプチドA」は一般に化粧品原材料として知られており、保湿効果を目的として化粧品に配合される成分で、従来、肌への保湿等に関する作用は確認されていたが、頭皮に関する研究報告はない。

今回、理化学研究所が保有する独自技術「生体毛周期計測モデル」を用いて、ヒトの毛髪環境を再現した試験で正確に評価し、毛幹の成長促進効果、毛幹伸長速度の向上効果、毛幹最大長の向上効果および毛幹径の増大の育毛活性効果に加えて、ヒト毛乳頭細胞試験による評価では毛母細胞の成長を促進する2つの発毛関連成長因子の発現量を増加させることを確認している。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000089086.html


Latest Posts 新着記事

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

SoC時代の知財戦争──ホンダと吉利が仕掛ける“車載半導体覇権競争”

自動車産業が「電動化」「自動運転」「ソフトウェア定義車(SDV)」へと急速にシフトするなか、車載半導体・システム・チップ(SoC:System­on­Chip)を巡る知財・開発競争が激化している。特に、ホンダが「車載半導体関連特許を8割増加」させているとの情報が注目されており、同時に中国自動車メーカーが特許活動を爆発的に拡大しているとされる。なかでもジーリー(Geely)が“18倍”という成長率を...

試験から設計へ──鳥大が築くコンクリート凍害評価の新パラダイム

はじめに:なぜ“凍害”がコンクリート耐久性の大きな壁なのか コンクリート構造物が寒冷地・凍結融解環境(凍害)にさらされると、ひび割れ・剥離・かさ上がり・耐荷力低下といった劣化が進行しやすい。例えば水が凍って膨張し、内部ひびを広げる作用や、塩分や融雪剤の影響などが知られている。一方、これらの劣化挙動を実験室で迅速に・かつ実サービスに近づけて評価する試験方法の開発は、長寿命化・メンテナンス軽減の観点か...

Perplexityが切り拓く“発明の民主化”──AI駆動の特許検索ツールが変える知財リサーチの常識

2025年10月、AI検索エンジンの革新者として注目を集めるPerplexity(パープレキシティ)が、全ユーザー向けにAI駆動の特許検索ツールを正式リリースした。 「検索の民主化」を掲げて登場した同社が、ついに特許情報という高度専門領域へ本格参入したことになる。 ChatGPTやGoogleなどが自然言語検索を軸に知識アクセスを競う中で、Perplexityは“事実ベースの知識検索”を強みに急成...

特許が“耳”を動かす──『葬送のフリーレン リカちゃん』が切り開く知財とキャラクター融合の新時代

2025年秋、バンダイとタカラトミーの共同プロジェクトとして、「リカちゃん」シリーズに新たな歴史が刻まれた。 その名も『葬送のフリーレン リカちゃん』。アニメ『葬送のフリーレン』の主人公であるフリーレンの特徴を、ドールとして高精度に再現した特別モデルだ。特徴的な長い耳は、なんと特許出願中の専用パーツ構造によって実現されたという。 「かわいいだけの人形」から、「設計思想と知財の結晶」へ──。今回は、...

“低身長を演出する靴”という逆転発想──特許技術で実現した次世代『トリックシューズ』の衝撃

ファッションと遊び心を兼ね備えた新発想のシューズ「トリックシューズ」が市場に登場した。通常、多くの「シークレットシューズ」や「厚底スニーカー」は身長を高く見せるために設計されるが、本モデルは逆に身長を「低く見せる」ための構造を意図しており、そのためにいくつもの特許技術が組み込まれているという。今回は、このトリックシューズの設計思想・技術構成・使いどころ・注意点などを掘り下げてみたい。 ■ コンセプ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る