たまごっちは1996年11月23日にバンダイから発売された不思議な生き物を育てるキーチェーンゲームであり、登場するキャラクターのことでもある。 企画、開発は横井昭裕氏。
初期のモデルは30以上の国と地域で販売され、世界中の人々がこのゲームに殺到した。発売から2年半で4000万個以上を売り上げ、連日ニュースで報道されるほどの社会現象となった。
生命を連想する「たまご」型と、同じ時間を共有する意味での「ウォッチ」を組み合わせた名称、キャラクターの不思議な魅力などに加え、自分の都合で電源のオン・オフができない仕様や、当時玩具としてはタブーとされていたうんちの処理、キャラクターの死など、「かわいさが2割、面倒さが8割」というペット飼育の楽しさと難しさを表現したことが大ヒットの理由の1つ。
その頃、流行の発信源だった女子高生をターゲットにしたこともブームの一端を担うが、当初はバンダイもここまで人気が出るとは予想していなかった。発売直後に模倣品が爆発的に出回り、特に、たまご型の外観と正面中央の液晶パネル、正面の操作ボタンを模した商品が大量に販売された。
当初は、意匠権、商標権の取得前であったため、まずは不正競争防止法により模倣品対策に奔走。その後、意匠権(第993383号)、商標権(第4070675号等)を取得して対策を講じることにより、徐々に被害は沈静化した。
また、海外については、国ごとに異なっていた商品名に個別に対応するため、1997年には27の国・地域に147件、39種類の商標を出願した。
やがて最初のブームが収まると一時販売を休止。しかし2000年代、「女子高生が過去のたまごっちで遊んでいる」と耳にする。2004年に「かえってきた! たまごっちプラス」が発売されると、初期のブームを知らない小学生が反応。
その後も、キャラクター同士の結婚により両親や祖父母のデザイン的特徴を子孫に受け継がせる仕様(特許第6055147号)などの新機能を次々に加え、これまでに累計17タイトルを販売。今では50以上の国・地域で販売され、累計出荷数は8200万個を超える。
リニューアル時には、初期の経験を踏まえてあらかじめ国内外で知財対策を行った。商標権、意匠権などの取得、知財による税関差止のほか、事前に模倣品対策済みであることを公表。
また、模倣品製造工場の摘発にも注力し、その結果も発表して「模倣品に厳しいバンダイ」をアピールしている。「たまごっち」は、子どもたちに受け継がれるブランドとして今も進化を続けている。
【オリジナル記事】
https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/vol42/05_page1.html
https://tokkyo-lab.com/co/tizai-example7
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
関連記事
- 「身長が低く見えるシューズ」トリックシューズ 発売
- PIP-Maker、AIを活用した比較動画生成システムで特許取得
- 中国の大学が「海底ケーブル切断装置」の特許を出願、世界的な安全保障上の懸念が高まる
- 東京ステンレス研磨興業、独自研磨で減・調厚加工を実現
- TMEIC、UPS特許侵害で富士電機に追加訴訟を提起
- 三井化学が特許探索に生成AIチャット、業務時間を80%削減へ
- iPhone17 ProのDynamic Island小型化のヒント?Appleが埋込み型Face ID特許を取得
- ゲーム業界における知的財産権の重要性とは – 任天堂をはじめ国内メーカー5社が語る
- ジゴワッツがEV充電制御技術で特許取得、電力使用の最適化を推進
- シャープとサムスン、5G特許を含むクロスライセンス契約を更新