マクドナルドはロシアのウクライナ侵攻に反対する消費者の圧力を受け、2022年3月8日(火)に「ロシアにおける外食事業の一時停止」を発表した。閉鎖したマクドナルドの代わりにロシアで展開したファーストフードレストラン「ワーニャおじさん」のロゴが、マクドナルドのロゴに酷似していると指摘されていることをGigaZineが22年3月18日伝えている。。
ロシアにマクドナルドが出店したのは1991年からで、「冷戦終結時の東西の関係改善の象徴」とも言われていた。しかしロシアがウクライナに侵攻したことを受け、マクドナルドのクリス・ケンプチンスキーCEOは「マクドナルドは、ウクライナで繰り広げられる不必要な苦しみを無視できません」と述べてロシアの全ての店舗を一時的に閉鎖することを発表した。
マクドナルドはロシア国内に約850店舗、ロシアの首都であるモスクワ市内だけで約250店舗展開しており、モスクワ市長は「国内チェーンが1年以内に250のマクドナルドに取って代わる可能性がある」と述べている。
そんな中で、マクドナルド営業停止から間もなくロシア当局に「ワーニャおじさん(Uncle Vanya)フランチャイズ」の商標登録が提出されたと報道されている。
ロシアで新たに展開することが計画されている「ワーニャおじさん」のロゴ(右)とマクドナルドのロゴ(左)。「ワーニャおじさん」のロゴはラテン文字の「V」に相当するキリル文字「В」をモデルにしたもので、マクドナルドのロゴを横向きに倒したようにも見える。
背景には、ロシアが2022年3月6日付けで発令した第299法令がある。この法令は「ロシアの企業が外国企業の特許を無断で使用しても損害賠償を請求されることはなくなる」と定めており、その対象国のリストにはマクドナルド本社が位置するアメリカも含まれている。
ロシアの下院議長のヴャチェスラフ・ヴォロージン氏は「ワーニャおじさんがマクドナルドに取って代わるべきです」と議会に語っており、ロシア全体で展開することが考えられる。
ロシアでそっくりブランドの対象となるのは、マクドナルドだけではないかもしれない。ウクライナ侵攻が始まって以来、企業はウクライナの背後に結集し、ロシアでの事業を停止している。そこにはスターバックス、IKEA、ユニリーバ、H&M、Netflixやハイネケンなどの有名企業が含まれるが、そのいくつかは既にそっくりチェーンが設立されている。
例えば、バーレルに入ったフライドチキンを販売するCrimean Fried Chicken(CFC)や、コーヒーを販売するStarducks(スターダックス)という、元祖のブランドにそっくりなチェーン店が既に存在するという。
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://gigazine.net/news/20220318-mcdonalds-russia-trademark/
https://www.huffingtonpost.jp/entry/mcdonalds-russia-logo_jp_623a8687e4b009ab92ff099a
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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