Macbookなどのノート型PCに応用可能な、アンテナの設置位置に関する技術を公開しました。
アンテナの設置位置によって、通信効率はかなり変化する
無線LANのアンテナを、自宅のどこに設置するかで通信速度がかなり変動するという経験をした方は少なくないでしょう。同様に、PCやスマートフォン等に内蔵されているアンテナは、筐体のどの部分にアンテナを設置し、その周囲にどのような機器が配置されるかによって、その通信効率が大きく変化します。電波状況を適切にするためのアンテナ構造を実現するために、機器のサイズについて制限がかかることもしばしばあり、特に小型機器で十分な電波効率を持つアンテナを用意するのは困難だといいます。
このような背景から、Appleは、機器の通気孔にアンテナを配置することとしました。具体的には、ノートPCを例にとれば、上部筐体と下部筐体をつなぐヒンジ部分の通気孔にアンテナを配置することを提案しています。
アンテナはあらゆる無線帯域を想定してよく、例えば、携帯電話の帯域や2.4GHzのBluetoothやその他のワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)の帯域、または2.4GHzや5GHzのWi-Fiやその他のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の帯域(IEEE 802.11帯域またはワイヤレスローカルエリアネットワーク通信帯域としても知られる)で動作するワイヤレス通信回路、近接通信、ミリ波/センチ波周波数での通信、光ベースのワイヤレス通信、衛星測位システムとの通信、その他のワイヤレス通信を行うための無線通信回路も含まれ得ます。
通信効率を最適化するために通気孔開口部にアンテナを配置した
筐体を横から見た断面図であらわしたものが上図ですが、ヒンジ部分130と、給排気のためのクリアランス132を電波の通り道として、通気孔となる開口部76-1にアンテナ40を配置することが示されています。この位置にアンテナを配置することで、アンテナをユーザーの視点から隠しつつ、外部汚染や損傷も防ぐことができるとのことです。
なお、PCの上部筐体を開けた使用時の断面図が次の図となりますが、ここにおいても、ヒンジ部分に通信のためのクリアランスは維持したままの設計となっています。このような設計とすることで、通信環境の最適化が図られるというわけです。
このような部品配置の発明は、ちょっとしたことかもしれませんが、高度化した機器においては少しの違いが大きなユーザーエクスペリエンスの違いとなって現れてくることは自明のことです。従来の機器設計にとらわれずに常に新しい設計を開拓する、アップルらしい技術ではないでしょうか。
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