コロナ禍の2021年、今年も締めはランキング、〇〇大賞



新語・流行語大賞、Yahoo検索大賞、マンガ大賞、レコード大賞、日経トレンディヒット商品ランキング、DIMEヒット商品総まとめ、日本スポーツビジネス大賞など。さらに商標登録を検索すると、先端技術大賞、助かりました大賞、ホラー小説大賞、ふるさとCM大賞・・・などなど、面白い“大賞”が出てくる。

2021年も終わりを告げようとしているこの時期になると、さまざまなランキングや〇〇大賞が発表され一年の区切りを感じさせてくれる。

同時にそれは“今”の『風』とか『気分』を改めて感じさせてくれる。そしてこの風は2022年へと続き、変化し、また新たな展開が生まれる。それも大きく、急速に。

先輩曰く、マーケッターはその風を読むのが仕事だ。またあるひとは“先”は読む=予測するのではなく自ら起こすのだと言っているひともいて、なるほどと思うのだ。

さて本題だが、ことし私がいちばんインパクトの大きかったWordは『SDGs』です。小学館のビジネスパーソンの為の情報誌「DIMEのトレンド大賞でもライフスタイル部門の大賞だ。
SDGsは2015年9月に国連サミットで採択され、国連加盟183ヶ国が2016年から2030年の15年間でよりよい世界を実現するために掲げた持続可能な「世界共通の目標」だ。コロナ禍の暮らしの変化で今年、急速に認知度が高まった。

そして、来年2022年。認知から行動へ。国も企業もひとりひとりも、具体的に行動する年となる。多くの企業活動においてこの17のテーマに必ず何らかの形で関係し、マーケティングに於いてもより具体的に取り組んでいくことになる。いわば、2022年はSDGsマーケティング元年になる。

SDGsマーケティングと言うと大企業のマーケティング戦略のように聞こえるがそうではない。街の小さなカフェにおいてもコーヒーの味や価格、サービスの価値で顧客の評価を得る、ある意味表面的なニーズに依存した取組みになりがちだが、生活者の意識は先行しており例えばストローを紙にするとか、SDGsな課題解決への取組みにお店のロイヤルティ評価が高まり、そのことが持続的な利益を生み出すことにつながり、そんな具体的なマーケティングが求められることになる。

通販においてもネットショップモールの「楽天市場」では「EARTH MALL with Rakuten」として“未来を変える買い物”の考え方のもと、SDGsの環境、社会、経済の側面に貢献する商品やサービスを集めたインタネット・ショッピングモール&オンラインメディアを展開している。

また、健康茶・健康食品・化粧品などの通信販売のティーライフでは、主力商品のティーバック素材はトウモロコシから作られた生分解性フィルターを使用し、数年で土に還る環境にやさしい素材を使用している。

このように商品でもサービスでも顧客との関係性において、今までの単にニーズに沿う企画・開発から、プラスSDGsな取り組みを具体的に表し、そのことで企業・ブランド価値、共感を高める行動が必須となってきたと言える。

ちなみに、2021年4月、電通が発表した第4回「SDGsに関する生活者調査(調査期間2021年1月)」によると、SDGs認知率は54.2%に達している。これは前回の第3回(調査期間:2020年1月)のときのSDGs認知率29.1%からほぼ倍増だ。


ライター

渡部茂夫

SHIGEO WATANABE

マーケティングデザイナー、team-Aプロジェクト代表

通販大手千趣会、東京テレビランドを経て2006年独立、“販売と商品の相性” を目線に幅広くダイレクトマーケティングソリューション業務・コンサルティングに従事。 通販業界はもとより広く流通業界及びその周辺分野に広いネットワークを持つ。6次産業化プランナー、機能性表示食品届出指導員。通販検定テキスト、ネットメディアなどの執筆を行う。トレッキングと食べ歩き・ワインが趣味。岡山県生まれ。




Latest Posts 新着記事

GE薬促進の陰で失われる特許の信頼性―PhRMAが警告する日本の制度的リスク

2025年4月、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が日本政府に提出した意見書が、医薬業界および知財実務者の間で波紋を呼んでいる。矛先が向けられたのは、ジェネリック医薬品(GE薬)に関する特許抵触の有無を判断する「専門委員制度」だ。PhRMAはこの制度の有用性に疑問を呈し、「構造的な問題がある」と批判した。 一見すれば、専門家による中立的判断制度は知財紛争の合理的解決に寄与するようにも思える。だが、...

破産からの逆襲―“夢の電池”開発者が挑む、特許逆転劇と再出発

2025年春、かつて“夢の電池”とまで称された次世代蓄電技術を開発していたベンチャー企業が、ついに再建を断念し、破産に至ったというニュースが駆け巡った。だが、そのニュースの“続報”が業界に波紋を呼んでいる。かつて同社を率いた元CEOが、新会社を設立し、破産企業が保有していた中核特許の“取り戻し”に動き出しているのだ。 この物語は、単なる一企業の興亡を超え、日本のスタートアップエコシステムにおける知...

サンダル革命!ワークマン〈アシトレ〉が“履くだけ足トレ”でコンディションまで整うワケ

「サンダルなのに快適」「履いた瞬間にわかる」「この値段でこれは反則級」――こうした驚きと称賛の声が続出しているのが、ワークマンの〈アシトレサンダル〉だ。シンプルな見た目に反して、履き心地・健康効果・歩行補助といった多面的な機能を備える同製品は、単なる夏の室内履き・外出用サンダルという枠を超えて「履くことで整う道具」として注目されつつある。 このコラムでは、アシトレサンダルの具体的な機能や構造だけで...

斬新すぎる中国製“センチュリーMPV”登場!アルファード超えのサイズと特許で快適空間を実現

中国の高級ミニバン市場に、新たな主役が登場した。GM(ゼネラルモーターズ)の中国ブランド「ビュイック(Buick)」が展開するフラッグシップMPV「世紀(センチュリー/CENTURY)」は、その名の通り“100年の誇り”を体現する存在だ。日本の高級ミニバンの代名詞・トヨタ「アルファード」をも超えるボディサイズに、贅沢を極めた2列4人乗りの内装、そして快適性を徹底追求した独自の“特許技術”が組み込ま...

実用のドイツ、感性のフランス──ティグアン vs アルカナ、欧州SUVの進化論

かつてSUVといえば、悪路走破性を第一義に掲げた無骨な4WDが主役だった。しかし今、欧州を中心にSUVの在り方が劇的に変化している。洗練されたデザイン、都市部での快適性、電動化への対応、そしてブランドの哲学を反映した個性の競演。そんな潮流を牽引するのが、フォルクスワーゲン「ティグアン」とルノー「アルカナ」だ。 この2台は単なる競合ではない。それぞれ異なる立ち位置とブランド戦略を背景に、「欧州SUV...

戦略コンサルはもういらない?OpenAI『Deep Research』の衝撃と業界の終焉

OpenAI「Deep Research」のヤバい背景 2025年春、OpenAIがひっそりと発表した新プロジェクト「Deep Research」。このプロジェクトの正体が徐々に明らかになるにつれ、コンサルティング業界に戦慄が走っている。「AIは単なるツールではない」「これは人間の知的職業に対する“本丸攻撃”だ」とする声もある。中でも、戦略コンサル、リサーチアナリスト、政策提言機関など、いわゆる“...

老化研究に新展開——Glicoが発見、ネムノキのセノリティクス作用を特許取得

はじめに:老化研究の新潮流「セノリティクス」 近年、老化そのものを「病態」と捉え、その制御や治療を目指す研究が進んでいる。中でも注目されるのが「セノリティクス(Senolytics)」と呼ばれるアプローチで、老化細胞を選択的に除去することで、慢性炎症の抑制や組織の若返りを促すというものだ。加齢とともに蓄積する老化細胞は、がんや糖尿病、心血管疾患、認知症といった加齢関連疾患の引き金になるとされ、これ...

EXPO2025に見る「知と美」の融合──イタリア館が描く未来の肖像

2025年大阪・関西万博(EXPO2025)が近づくなか、多くの国が自国の強みをテーマにパビリオンを構築している。イタリアといえば、多くの人が思い浮かべるのは、パスタやピザ、ワインといった「食」、アルマーニやプラダ、グッチなどの「ファッション」だろう。しかし、イタリアの真の魅力はそれだけではない。今回の万博では「もうひとつのイタリア」、すなわち高度な技術力と伝統文化、そして未来志向の融合が強く打ち...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る