人間工学的コントローラー及びシステム
エルゴノミクスデザインのゲームコントローラー
現在広く用いられているゲームコントローラーとして、最初に思い浮かぶのは、世代の差こそあれ、十字キーのついている任天堂の「ファミコンコントローラー」から派生した、左手で方向キー、右手でボタンを押すタイプか、アーケードゲーム機のようなジョイスティックタイプのいずれかではないでしょうか。 このようなゲームコントローラーを介して、プレイヤーはゲームをプレイするわけですが、昨今のゲーム人気の高まりに伴い、ゲームの高スコアの達成のためのプレイヤー間の競争はますます激しくなっています。
しかし、最高のスコアを達成したいというこの願望は、より長い時間をゲームに費やすことを必要とし、これによる手および手首の問題、例えば手根管症候群およびその他の反復性緊張障害をもたらすことが問題となっています。
ところで、ゲームの種類に応じて、最近ではそれぞれ異なるタイプのコントローラーが使用されるようになってきました。特定のタイプのゲームに特定の利点を提供するようなコントローラーが広く販売され、利用されています。このようなコントローラーは数え切れないほどの種類が市場にありますが、どれも上述した従来型のコントローラーから派生したものと言わざるを得ず、人間工学的にみて、プレイヤーの手に大きな負担を強いるものが多いのが実情です。
そこで、各ボタンの配置を、人間の手及び指の形に合わせるようにし、手首の向きに合わせて傾斜させて配置するようにしました。また、各指に対応して複数のボタンを選択できるようにし、どのボタンをどの機能に割り当てるかの機能設定もできるようにしたことで、プレイヤーの手の大きさ等に対して、よりフィットするようなボタン配置が可能となりました。このような傾斜配置をとることで、ユーザーの両肘はより離れる方向に(胸が開くような)姿勢をとることができるため、手首に対する負担がより少なくなるように設計されています。
ユーザーの手首を保護するような、エルゴノミクスデザイン・エルゴノミクスキー配置については、PCのキーボードについては左右分離型キーボードなど、少々マニアックながらも古くから存在しており、特に大量の文書入力をする仕事をする場合などに活用されていました。ゲーム分野においても、同様の課題からプレイヤーの体を守るような製品が出てきたことで、よりいっそうゲームにのめり込む時間が増えそうですね。
従来の課題
家庭用テレビゲームは、アーケードゲームと同様、様々な最先端の技術を駆使して、ユーザーがあたかも現実世界にいるような映像及び感覚を提供する。
また、家庭用ゲームの技術レベルは日々進歩し続けており、ユーザーは、地域的又は世界的にランク付けされたトーナメントにて、他のプレイヤーとオンラインで競うことも可能である。
ゲーム機に応じて異なるタイプのコントローラーが使用される。また最近では、アーケードスタイルのコントローラーも復活し、ゲーム好きを中心に人気が高まっている。
しかしながら、いくつかのアーケードスタイルのコントローラーは、ユーザーの指や手に負担をかけるなど、人間工学的な課題を有しており、継続的な開発が望まれている。
本発明の効果
本発明のコントローラーは従来のものに比べて機能性及び互換性が改善されており、ユーザーはゲームのジャンルおよび個人の好みに応じて様々な家庭用ゲーム機に使用することができる。
一連のボタングループは、手首が傾斜するのを防ぐため、手首から肘の角度に対応する角度でわずかに角度がつけられている。また本発明のゲームコントローラーには、電力試験ユニットが設けられており、バッテリー回路からの危険なサージ電流又はバッテリー電源の低レベル化を防止することができる。
特許請求の範囲のポイント
本発明のポイントを下記に示す。
「以下から構成されるゲームコントローラーシステム
・ゲーム中の入力に対応する複数のボタンを含むゲームコントローラー、
・ゲームコントローラー内に配置され、ゲーム内入力情報を変更するプロファイルデータを含む非一時的な可読記憶装置を有するローカルメモリー、
・ゲームコントローラー内に配置され、入力情報を変更するプロファイルデータを考慮して非一時的な記憶装置を読み取るように構成されたプロセッサ
本発明の更なるポイントとして、
・各プロファイルは、複数のボタンに関連付けられた別々のゲーム内入力を含む
・プロセッサは、メニュー画面にアクセスすることなく、ゲームにおいて複数のゲームプロファイルのうちの1つを選択するように構成される
・ゲームプロファイルを含む遠隔ネットワークをさらに含み、プロセッサは、追加のゲームプロファイルをメモリに移動するように構成される、が挙げられる
全体構成
本発明におけるゲームコントローラーの一例を図1A及び1Bに示す。
【図1A】 本発明におけるゲームコントローラーの平面図
【図1B】本発明におけるゲームコントローラー上でユーザーの手を保持する方法の一例
本発明のゲームコントローラーは、概ね長方形の形をしており、図1Aに示すように、広範囲に亘って切り替え可能な一連のボタングループが配置されることにより、ユーザーのプレースタイル及び好みにハイレベルに応えることができる。
ボタングループは複数あって、例えば、第一のグループは、左移動ボタン138、右移動ボタン140、上移動ボタン142、下移動ボタン144からなる。
第二のグループは、左の移動ボタン148、右の移動ボタン150、上の移動ボタン152、及び下の移動ボタン154からなり、第三のグループは、第一のアクションボタン群158と第二のアクションボタン群160からなる。
第一のアクションボタン群158は、第一のトリガーボタン162、第二のトリガーボタン164、第三のトリガーボタン166及び第四のトリガーボタン168を含む四つのトリガーボタンから構成される。第二のアクションボタン群160は、第一アクションボタン170、第二アクションボタン172、第三アクションボタン174、及び第四アクションボタン176を含む四つのアクションボタンから構成されている。
本発明のゲームコントローラーは、図1Bに示すように、人間の手に対応するレイアウトより構成されている。平均的な人の手がリラックスしているとき、手首から測定すると、小指は最短距離、人差し指は次の最短距離、薬指は人差し指より長い距離、中指は最長距離をそれぞれ伸ばしている。リラックスすると、末節骨、中節骨、及び近位指節骨の間の関節がわずかに曲がる。好ましくは、右側の角度alは左側の角度a 2と等しく反対である。また、al及びa 2はVMに対して角度がついており、互いに45°以内、より好ましくは30°以内、さらにより好ましくは25°以内である。
細部
本発明の制御回路を図2に示す。
【図2】本発明の制御回路
本発明の制御回路は、電力回路システム202、GCUシステム204、通信モジュール206、サーバネットワーク208、コンピュータシステム210及びボタン回路システム211等を含む。
電力回路システム202は、電源回路212及びバッテリー回路216を含み、これらはいずれも電力監視回路214を介して監視されている。
バッテリー回路216は、充電可能なバッテリーを含み、主に電源回路212を介して充電される。電力試験ユニット218は、電力を監視するために電力回路システム202からの電流を試験し、GCUシステム204に送信している。
電力試験ユニット218は、バッテリー回路216からの危険なサージ電流又はバッテリー電源の低レベル化を防止することができる。電力試験ユニット218には、電力警告LEDを接続することができ、バッテリ充電が低レベルである時にLEDを点滅させる、又は電源回路212がバッテリー電源に接続されている場合はライトを提供するように構成することができる。
同様に、バッテリー回路216が完全に充電されると、LEDの色が変わったり、LEDが点滅したりする。
電力回路システム202からの電力はGCUシステム204に送られる。このシステムはコントローラー222と通信モジュール206を含む。コントローラー222は、プロセッサ224と、非一時的な可読記憶メモリ226を含む。
コンピュータシステム210は、有線又は無線であるインターネット接続240をさらに含む。インターネット接続240は、サーバーネットワーク208へアクセスし、メモリ226とサーバーネットワーク208との間でデータを送信する。
サーバーネットワーク208は様々な種類のデータを格納することができる。例えば、プロファイルデータ232、ソフトウェアアップデート242、認証データ244、及びソーシャルネットワークデータ246、及びコントローラーサービスデータ248などが挙げられる。
GCUシステム204は計算システム208を介してサーバネットワーク210に接続され、メモリ226とサーバー208との間でデータの転送を可能にする。
各認証データ233、244は、特定のコントローラーのGCUシステム204がサーバーネットワーク208に接続されている場合、その個々のコントローラーの過去の使用に基づいてオプションが提供されるように適合させることができる。
メモリ226は限られた量のプロファイルデータ232のみを格納することができるが、他のプロファイルデータ232はサーバーネットワーク208に保存され、インターネットへの接続時にアクセスすることができる。
認証データ233、244は、個々のコントローラーをそのコントローラーに関連する様々なソーシャルメディアプラットフォームに接続するために使用することができる。ソーシャルメディアへ接続することで、プロファイルデータ、ゲームのスクリーンショット、ビデオゲームのコンテンツを共有することができる。
ここで様々なプロファイルデータは、ソフトウェアを介してインターネットに接続することなく、また、ユーザーインターフェース238上に表示されるメモリ226又はコンピュータシステム210のいずれかローカルに保管されたデータを介して、変更及び保存することもできる。
展望、結語
本発明は、人間工学及び機能性が改善されたゲームコントローラー及びシステムに関するものである。
ゲームコントローラーは、様々な情報入力に対応する一連のボタンのグループを含み、これらのボタングループは、操作者の指がボタンに置かれた際に、手首の傾斜及び負担が最小になるように角度が付けられている。
またゲームコントローラーには、ボタン入力の強度を変える調節ボタンが備えられている。
本発明のゲームコントローラーは、ゲームジャンル及びユーザーの好みの多様化に高品質に応えることができ、ユーザーは、優れたゲーム体験を現実のものとすることができる。
概要
出願国:米国
発明の名称:人間工学的ゲームコントローラー及びシステム
出願番号:PCT/US2019/056952
公開番号:WO 2020/081943 Al
出願日:2019年10月08日
公開日:2020年04月23日
出願人:HIT BOX, L.L.C.
経過情報:国際公開
IPC:A63F13/22; A63F13/24
<免責事由>
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