プレイヤーも開発者も白熱!eスポーツ特許特集〜ハード編〜

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プレイヤーも開発者も白熱!
eスポーツ特許特集〜ハード編〜

目次

INTRODUCTION

コロナ禍の深刻な状況が続いています。ワクチンの接種が始まったとはいえ、我々を含む世界中の人々が接種をし、「根絶」「集団免疫の獲得」というところには、まだまだ長い時間がかかりそうです。
世界的に多くのイベントが中止になっているところ、延期となった東京オリンピックが2021年にどのような形で開催されるか、大変興味深いところではあります。

しかし、種々のスポーツイベントが中止や縮小などに追い込まれている中、競技としてのゲーム、「eSports」は、2020年の世界市場規模として、日本円換算で1400億円を超えるともいわれ、「withコロナ」の現状において爆発的な盛り上がりをみせています。

そこで、今回はeSports特許特集と題して、eSportsにまつわる特許情報の一部を解説していきます。

人間工学的コントローラー及びシステム

エルゴノミクスデザインのゲームコントローラー

エルゴノミクスデザインのゲームコントローラー

現在広く用いられているゲームコントローラーとして、最初に思い浮かぶのは、世代の差こそあれ、十字キーのついている任天堂の「ファミコンコントローラー」から派生した、左手で方向キー、右手でボタンを押すタイプか、アーケードゲーム機のようなジョイスティックタイプのいずれかではないでしょうか。 このようなゲームコントローラーを介して、プレイヤーはゲームをプレイするわけですが、昨今のゲーム人気の高まりに伴い、ゲームの高スコアの達成のためのプレイヤー間の競争はますます激しくなっています。

しかし、最高のスコアを達成したいというこの願望は、より長い時間をゲームに費やすことを必要とし、これによる手および手首の問題、例えば手根管症候群およびその他の反復性緊張障害をもたらすことが問題となっています。

ところで、ゲームの種類に応じて、最近ではそれぞれ異なるタイプのコントローラーが使用されるようになってきました。特定のタイプのゲームに特定の利点を提供するようなコントローラーが広く販売され、利用されています。このようなコントローラーは数え切れないほどの種類が市場にありますが、どれも上述した従来型のコントローラーから派生したものと言わざるを得ず、人間工学的にみて、プレイヤーの手に大きな負担を強いるものが多いのが実情です。

そこで、各ボタンの配置を、人間の手及び指の形に合わせるようにし、手首の向きに合わせて傾斜させて配置するようにしました。また、各指に対応して複数のボタンを選択できるようにし、どのボタンをどの機能に割り当てるかの機能設定もできるようにしたことで、プレイヤーの手の大きさ等に対して、よりフィットするようなボタン配置が可能となりました。このような傾斜配置をとることで、ユーザーの両肘はより離れる方向に(胸が開くような)姿勢をとることができるため、手首に対する負担がより少なくなるように設計されています。

ユーザーの手首を保護するような、エルゴノミクスデザイン・エルゴノミクスキー配置については、PCのキーボードについては左右分離型キーボードなど、少々マニアックながらも古くから存在しており、特に大量の文書入力をする仕事をする場合などに活用されていました。ゲーム分野においても、同様の課題からプレイヤーの体を守るような製品が出てきたことで、よりいっそうゲームにのめり込む時間が増えそうですね。

家庭用テレビゲームは、アーケードゲームと同様、様々な最先端の技術を駆使して、ユーザーがあたかも現実世界にいるような映像及び感覚を提供する。

また、家庭用ゲームの技術レベルは日々進歩し続けており、ユーザーは、地域的又は世界的にランク付けされたトーナメントにて、他のプレイヤーとオンラインで競うことも可能である。

ゲーム機に応じて異なるタイプのコントローラーが使用される。また最近では、アーケードスタイルのコントローラーも復活し、ゲーム好きを中心に人気が高まっている。

しかしながら、いくつかのアーケードスタイルのコントローラーは、ユーザーの指や手に負担をかけるなど、人間工学的な課題を有しており、継続的な開発が望まれている。

本発明のコントローラーは従来のものに比べて機能性及び互換性が改善されており、ユーザーはゲームのジャンルおよび個人の好みに応じて様々な家庭用ゲーム機に使用することができる。

一連のボタングループは、手首が傾斜するのを防ぐため、手首から肘の角度に対応する角度でわずかに角度がつけられている。また本発明のゲームコントローラーには、電力試験ユニットが設けられており、バッテリー回路からの危険なサージ電流又はバッテリー電源の低レベル化を防止することができる。

本発明のポイントを下記に示す。

「以下から構成されるゲームコントローラーシステム
・ゲーム中の入力に対応する複数のボタンを含むゲームコントローラー、
・ゲームコントローラー内に配置され、ゲーム内入力情報を変更するプロファイルデータを含む非一時的な可読記憶装置を有するローカルメモリー、
・ゲームコントローラー内に配置され、入力情報を変更するプロファイルデータを考慮して非一時的な記憶装置を読み取るように構成されたプロセッサ

本発明の更なるポイントとして、
・各プロファイルは、複数のボタンに関連付けられた別々のゲーム内入力を含む
・プロセッサは、メニュー画面にアクセスすることなく、ゲームにおいて複数のゲームプロファイルのうちの1つを選択するように構成される
・ゲームプロファイルを含む遠隔ネットワークをさらに含み、プロセッサは、追加のゲームプロファイルをメモリに移動するように構成される、が挙げられる

本発明におけるゲームコントローラーの一例を図1A及び1Bに示す。

【図1A】 本発明におけるゲームコントローラーの平面図

【図1B】本発明におけるゲームコントローラー上でユーザーの手を保持する方法の一例

本発明のゲームコントローラーは、概ね長方形の形をしており、図1Aに示すように、広範囲に亘って切り替え可能な一連のボタングループが配置されることにより、ユーザーのプレースタイル及び好みにハイレベルに応えることができる。

ボタングループは複数あって、例えば、第一のグループは、左移動ボタン138、右移動ボタン140、上移動ボタン142、下移動ボタン144からなる。

第二のグループは、左の移動ボタン148、右の移動ボタン150、上の移動ボタン152、及び下の移動ボタン154からなり、第三のグループは、第一のアクションボタン群158と第二のアクションボタン群160からなる。

第一のアクションボタン群158は、第一のトリガーボタン162、第二のトリガーボタン164、第三のトリガーボタン166及び第四のトリガーボタン168を含む四つのトリガーボタンから構成される。第二のアクションボタン群160は、第一アクションボタン170、第二アクションボタン172、第三アクションボタン174、及び第四アクションボタン176を含む四つのアクションボタンから構成されている。

本発明のゲームコントローラーは、図1Bに示すように、人間の手に対応するレイアウトより構成されている。平均的な人の手がリラックスしているとき、手首から測定すると、小指は最短距離、人差し指は次の最短距離、薬指は人差し指より長い距離、中指は最長距離をそれぞれ伸ばしている。リラックスすると、末節骨、中節骨、及び近位指節骨の間の関節がわずかに曲がる。好ましくは、右側の角度alは左側の角度a 2と等しく反対である。また、al及びa 2はVMに対して角度がついており、互いに45°以内、より好ましくは30°以内、さらにより好ましくは25°以内である。

本発明の制御回路を図2に示す。

【図2】本発明の制御回路

本発明の制御回路は、電力回路システム202、GCUシステム204、通信モジュール206、サーバネットワーク208、コンピュータシステム210及びボタン回路システム211等を含む。

電力回路システム202は、電源回路212及びバッテリー回路216を含み、これらはいずれも電力監視回路214を介して監視されている。

バッテリー回路216は、充電可能なバッテリーを含み、主に電源回路212を介して充電される。電力試験ユニット218は、電力を監視するために電力回路システム202からの電流を試験し、GCUシステム204に送信している。

電力試験ユニット218は、バッテリー回路216からの危険なサージ電流又はバッテリー電源の低レベル化を防止することができる。電力試験ユニット218には、電力警告LEDを接続することができ、バッテリ充電が低レベルである時にLEDを点滅させる、又は電源回路212がバッテリー電源に接続されている場合はライトを提供するように構成することができる。

同様に、バッテリー回路216が完全に充電されると、LEDの色が変わったり、LEDが点滅したりする。

電力回路システム202からの電力はGCUシステム204に送られる。このシステムはコントローラー222と通信モジュール206を含む。コントローラー222は、プロセッサ224と、非一時的な可読記憶メモリ226を含む。

コンピュータシステム210は、有線又は無線であるインターネット接続240をさらに含む。インターネット接続240は、サーバーネットワーク208へアクセスし、メモリ226とサーバーネットワーク208との間でデータを送信する。

サーバーネットワーク208は様々な種類のデータを格納することができる。例えば、プロファイルデータ232、ソフトウェアアップデート242、認証データ244、及びソーシャルネットワークデータ246、及びコントローラーサービスデータ248などが挙げられる。

GCUシステム204は計算システム208を介してサーバネットワーク210に接続され、メモリ226とサーバー208との間でデータの転送を可能にする。

各認証データ233、244は、特定のコントローラーのGCUシステム204がサーバーネットワーク208に接続されている場合、その個々のコントローラーの過去の使用に基づいてオプションが提供されるように適合させることができる。

メモリ226は限られた量のプロファイルデータ232のみを格納することができるが、他のプロファイルデータ232はサーバーネットワーク208に保存され、インターネットへの接続時にアクセスすることができる。

認証データ233、244は、個々のコントローラーをそのコントローラーに関連する様々なソーシャルメディアプラットフォームに接続するために使用することができる。ソーシャルメディアへ接続することで、プロファイルデータ、ゲームのスクリーンショット、ビデオゲームのコンテンツを共有することができる。

ここで様々なプロファイルデータは、ソフトウェアを介してインターネットに接続することなく、また、ユーザーインターフェース238上に表示されるメモリ226又はコンピュータシステム210のいずれかローカルに保管されたデータを介して、変更及び保存することもできる。

本発明は、人間工学及び機能性が改善されたゲームコントローラー及びシステムに関するものである。

ゲームコントローラーは、様々な情報入力に対応する一連のボタンのグループを含み、これらのボタングループは、操作者の指がボタンに置かれた際に、手首の傾斜及び負担が最小になるように角度が付けられている。

またゲームコントローラーには、ボタン入力の強度を変える調節ボタンが備えられている。

本発明のゲームコントローラーは、ゲームジャンル及びユーザーの好みの多様化に高品質に応えることができ、ユーザーは、優れたゲーム体験を現実のものとすることができる。

出願国:米国
発明の名称:人間工学的ゲームコントローラー及びシステム
出願番号:PCT/US2019/056952
公開番号:WO 2020/081943 Al
出願日:2019年10月08日
公開日:2020年04月23日
出願人:HIT BOX, L.L.C.
経過情報:国際公開
IPC:A63F13/22; A63F13/24

<免責事由>
本解説は、主に発明の紹介を主たる目的とするもので、特許権の権利範囲(技術的範囲の解釈)に関する見解及び発明の要旨認定に関する見解を示すものではありません。自社製品がこれらの技術的範囲に属するか否かについては、当社は一切の責任を負いません。技術的範囲の解釈に関する見解及び発明の要旨認定に関する見解については、特許(知的財産)の専門家であるお近くの弁理士にご相談ください。

ソニーインタラクティブゲーム

ゲーム世界のバーチャルビューをライブ体験

ゲーム世界のバーチャルビューをライブ体験

ビデオゲーム関連市場は、世界のエンターテイメント市場において非常に大きな割合を占めるようになっています。近い将来、ビデオゲーム及びその関連市場全体の世界的収入は、映画業界を超えると予測されています。

そんな中、ビデオゲームを競技として楽しむ、「eスポーツ」が生まれました。eスポーツの世界では、プロゲーマーが、アリーナ等に集まって、マルチプレイヤーオンラインゲーム(MOG)形式でビデオゲームをプレイします。

一方、観客は、アリーナのビデオ制作チーム等によってリアルタイムに生成されるディスプレイパネルに提示されるビューを見て、またはネットワークを介してライブストリーミングされた映像を見て、ゲームの興奮を同時進行的に味わいます。

このようなイベントは既に大規模に行われており、2016年に開催された世界選手権では、約4万人の聴衆を動員し、ライブストリーミングの視聴者は2千5百万人を超えたといわれています。このように、ライブやストリーミングを問わず、最高の視聴体験を提供するために様々な技術が用いられています。

このような背景のもと、ソニーはライブイベントが撮影されたビデオストリームに基づいて、実世界の会場の三次元ライブビューをサーバで生成させ、これをリモートユーザのヘッドマウントディスプレイ(HMD)にストリーミングすることによって、リモートユーザに拡張現実ビューを提供する技術を開発し、特許出願が行われました。この技術においては、リモートユーザは単にライブビューを見るだけでなく、eスポーツにおけるプロゲーマーの視点や、ゲーマーが操るキャラクタの視点、鳥瞰図などを選択して楽しむことができます。

もちろん、ライブ会場におけるアリーナ席からの視点を選択して、会場の雰囲気をリモートで味わうことも可能となります。

ライブ会場における熱気を直接味わうことまではできないかもしれませんが、この技術を用いることで、リモートユーザならではの新しい視点によるeスポーツの楽しみ方ができそうです。

またこのようなスポーツの楽しみ方が、これからの時代において新たな文化・価値観を創造していくことは、確かなことといえそうです。

ビデオゲームは、ゲーム機やコンピュータ及び携帯電話等を含む様々な種類のプラットフォームを用いて、いつでもどこでもプレイされているが、そんなビデオゲームの新しい夜明けが、eスポーツの形で出現している。

eスポーツの世界では、プロゲーマーがアリーナ等の会場に集まって、ローカルエリアネットワークまたはインターネットを通じサポートされるマルチプレイヤオンラインゲーム(MOG)形式でゲームをプレイする。

さらに、映像制作チームにより作成されるビデオディスプレイパネル上に提示されるビューは、インターネット等の任意のネットワークを介してより多くの視聴者にライブストリーミングされる。  

このようなeスポーツの視聴をより高次にサポートする技術が、最高の視聴体験を視聴者に与えるため日々開発されることが求められている。

本発明は、インタラクティブなゲーム世界を作り出すゲームアプリケーションを確立する。ライブイベントは、ゲームをプレイしているプレイヤが存在する実世界の会場で行われる。

実世界の会場で撮影されたビデオストリームに基づいて3Dライブビューが作成され、リモートユーザのヘッドマウントディスプレイ(HMD)に、ライブイベントの拡張現実ビューが提示される。

本発明のポイントを下記に示す。

「以下より構成されるライブイベントへの参加方法であって、
・ゲームアプリケーションの実行を通じて、複数プレイヤが参加可能なインタラクティブなゲーム空間を作り出すことができるゲームセッションをサーバで確立し、
・前記サーバからネットワークを介して、リモートユーザのHMDに観客ビューを配信することで、リモートユーザに、インタラクティブなゲーム世界の仮想現実ビューをリアルタイムで提示する、方法

本発明の更なるポイントとして、
・サーバは、インタラクティブなゲーム空間に観客として参加するためのリクエストを、リモートユーザより受信する、
・観客ビューの配信を行う前に、ライブビューの配信を停止する、
・ライブイベントへの参加を可能にするコンピュータプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体、
・ライブイベントへの参加を可能にする方法を実行するコンピュータシステム、が挙げられる。

本発明の実施形態による、仮想現実(VR)コンテンツとのインタラクティブ体験を提供するよう構成されたシステムを示す。

【図1】 VRコンテンツとのインタラクティブな体験を提供するシステム図

ユーザU1は、HMD102を装着する。HMD102は、眼鏡、ゴーグル、またはヘルメットと同じように装着され、インタラクティブアプリケーションからのコンテンツをユーザに表示する。

HMD102は、ユーザの眼のごく近くにディスプレイを設けることによって、高度に没入型の体験をユーザに提供する。HMD102は、ユーザの各眼に、ユーザの視界の大部分または全体を占める表示領域を提供することができる。

本発明のある実施形態において、HMD102は、eスポーツイベントのライブビューを提示する。ライブビューは、実世界会場のサーバ235によって管理され、実世界会場(例えば、eスポーツアリーナ)に配置されたデータ収集装置231より作成される。

ライブビュージェネレータ260は、複数の情報ソースより収集されたデータ(例えば、音声、ビデオ)をつなぎ合わせる技術を用いて、アリーナ内の任意の位置におけるライブビューを作成することができる。

エンターテイメントサーバは、ライブeスポーツイベントのライブビューに、デジタルコンテンツをオーバーレイするように構成された拡張現実ライブビュー生成部270を含む。

本発明の一実施形態における、eスポーツアリーナの後部座席の一人称視点(POV)を図2に示す。

【図2】eスポーツアリーナの後部座席の一人称視点図

図2に示すように、複数の聴衆の頭部が一人称視点に示される。さらに一人称視点において、リモートユーザは、ステージ190に、またはその近くに位置するビューを有する。

例えば、一人称視点は、オートバイコース上のレーサ(例えば、少なくともレーサ180及びレーサ181)を示すメインディスプレイ101のビューを含む。一人称視点は、チーム171上にあるサイドディスプレイ105のビューを含む。また一人称視点は、オートバイレーサ180をコントロールするチームメンバ172aのゲームプレイビューを示すサイドディスプレイ107のビューを含む。

サイドディスプレイは、オートバイレーサ181の背中のビューを含むオートバイレーサ180の視点を示し、レーサ181は、レースコースでオートバイレーサ180の前方を走行している。

本開示の様々な実施形態の態様を行うために使用できるデバイスの構成要素を図3に示す。

【図3】本発明におけるデバイスの構成要素

デバイス700は、本発明の実施形態を実践するのに適したサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、または、他のデジタルデバイスを組み込むことができる。

デバイス700は、ソフトウェアアプリケーションとオペレーティングシステムを実行する中央処理装置(CPU)702を含む。CPU702は、座席ライブビュー生成部720を含む。

ライブビューは、ライブイベントにおいて収集された1または複数のライブ記録(例えば、ビデオ、音声)に基づき、アリーナ(例えば、eスポーツアリーナ)の1または複数の位置に対して作成される。

ライブ記録は、ライブイベントの画像や映像を収集するように構成されたビデオ収集部721と、アリーナから音声を収集するように構成された音声収集部722とによって行われてもよい。

一人称視点生成部723は、アリーナの特定の座席等、特定位置のライブビューを生成するように構成される。一人称視点生成部は、アリーナの所定の位置から取得したライブイベントの1つまたは複数のビデオをつなぎ合わせて、アリーナの特定位置のライブビューを生成するように構成されたステッチング技術を用いることができる。

従って、特定の位置からライブ記録が収集されなかった場合であっても、ライブビューは、ライブイベントの1または複数のライブ記録に基づいて、その特定の位置に対して作成することができる。

ネットワークインタフェース714は、デバイス700が電子通信ネットワークを介して他のコンピュータシステムと通信するのを可能にし、ローカルエリアネットワーク、及び、インターネット等の広域ネットワークを介した有線または無線の通信を含んでいてもよい。

音声プロセッサ712は、CPU702、メモリ704、記憶装置706によって提供された命令/データからのアナログまたはデジタルの音声出力を生成するように適合される。

CPU702、メモリ704、データ記憶装置706、ユーザ入力デバイス708、ネットワークインタフェース710、及び、音声プロセッサ712を含む、デバイス700の構成要素は、1または複数のデータバス722を介して接続される。

グラフィックスサブシステム714は、データバス722及びデバイス700の構成要素にさらに接続される。グラフィックスサブシステム714は、グラフィックス処理ユニット716及びグラフィックスメモリ718を含む。

グラフィックスメモリ718は、出力画像の各画素の画素データの記憶に使用される表示メモリ(例えば、フレームバッファ)を含む。グラフィックスメモリ718は、グラフィックス処理ユニット716と同じデバイスに一体化されてもよい。

本発明は、リモートユーザが仮想の聴衆として、ライブイベント(例えば、競技ビデオゲームを含むライブeスポーツイベント)に参加する方法及びシステムを提供する。

本発明の実施形態は、リモートユーザにライブイベントの拡張現実ビューを提示することを含み、実世界の会場(例えば、eスポーツアリーナ)での体験を高品質にリモートユーザに与える様々な技術を提供する。

出願国:日本、外国(国際出願)
発明の名称:実世界会場で開催されたライブイベントで見せられるインタラクティブなゲーム世界の観客ビュー
出願番号:特願2020-517884
公開番号:特表2020-534952
出願日:2018年08月22日
公開日:2020年12月03日
出願人:ソニー インタラクティブ エンタテインメント アメリカ リミテッド ライアビリティ カンパニー
経過情報:出願審査係属中
その他情報:国際特許出願中
IPC:A63F13/86

<免責事由>
本解説は、主に発明の紹介を主たる目的とするもので、特許権の権利範囲(技術的範囲の解釈)に関する見解及び発明の要旨認定に関する見解を示すものではありません。自社製品がこれらの技術的範囲に属するか否かについては、当社は一切の責任を負いません。技術的範囲の解釈に関する見解及び発明の要旨認定に関する見解については、特許(知的財産)の専門家であるお近くの弁理士にご相談ください。

人間工学に基づいた究極のゲーミングチェア

まさに SF! 戦闘機コックピットのような究極ゲーミングチェア

まさに SF! 戦闘機コックピットのような究極ゲーミングチェア

ゲームの開発や、ゲームをプレイする際など、仕事や遊びにおいて、PCを使用することは現代人の常識となりました。

昨今では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点で、自宅等でのリモートワークが急速に進み、PCの前で仕事をすることがこれまで以上に多くなった方も多いのではないでしょうか。

台湾のPCメーカー、ACERは、よりPC作業環境、特にゲーム環境の快適化が図れ、これまで以上の没入感を体感できる、完全にユーザーを取り囲む「コックピット」のようなゲーミングチェアを特許出願しました。

一般に、ゲームの開発や、ゲームをプレイする際をはじめとして、コンピュータを使用するユーザーは、常に快適な使用環境を要求するものです。

当然ながら、ユーザーが異なれば、個人それぞれ異なる身体形状を持っているわけですから、各々の「快適さ」が異なることは至極あたりまえのことといえます。

そこで、発明では、従来の『モニター、コンピュータ、椅子、コントローラ』が一体 となったコンピュータ・コックピットに、ユーザーの情報を得て、椅子の座面やバックレストのチルト角度を調整するようにしました。

この出願は、既に台湾では特許が認められており、台湾内の出願の優先権を主張して、現在米国特許庁で特許審査が行われています。

非常に大掛かりなPC環境なので、個人宅に置くことのできるようなものではないかもしれませんが、ある意味究極のゲーミングチェアとも言えますので、e-スポーツなどを提供するゲーム施設やネットカフェで大きな需要が期待できそうですね。

コンピュータ・コックピット>

本発明は、ユーザーの身体形状に対応して各種設定を変化させる、ユーザー対話型の「コ ンピュータ・コックピット」に関するものです。

ここで、コンピュータ・コックピットと いう用語は、簡単に説明するなら、『パソコン一体型のゲーミングチェア』というべきものを意味します。

ところで、一般に、ゲームの開発や、ゲームをプレイする際をはじめとして、コンピュ ータを使用するユーザーは、常に快適な使用環境を要求するものです。

当然ながら、ユーザーが異なれば、個人それぞれ異なる身体形状を持っているわけです から、各々の「快適さ」が異なることは至極あたりまえのことといえます。

しかし、従来 の単一サイズの「コックピット」は、ユーザーそれぞれの要求の全てを満たすことはでき ませんでした。

そこで、本発明では、従来の『モニター、コンピュータ、椅子、コントローラ』が一体 となったコンピュータ・コックピットに、
さらにユーザーの情報を得るためのフロントカ メラ 110、バックカメラ 120 を設けて、ユーザーの情報を得ることとし、その情報に基づい て椅子の座面やバックレストのチルト角度を調整するようにしました。

【図1】本発明実施例。バックカメラ 120 でユーザーHB の身長 H1 を測定する。

本発明では、ユーザーがコンピュータ・コックピットに腰掛ける前に、当該コックピッ トのカメラが身長、特に上半身の高さをキャプチャし、最適な椅子の角度とヘッドレスト 及びクッションの距離を調整します。

ユーザーの高さ(身長)が高くなれば、チルト角度を大きく傾けるようにし、低くなれ ばチルト角度を小さくし、上半身が起きるように調整します。

【図2】カメラからのユーザーの情報に応じて椅子の調整を行う概念図

本発明では、椅子の背もたれのチルト角度θT1 だけでなく、フットレスト 330 の角度θ T2 も同時に調整されます。制御装置 170 は、モータ及びアクチュエータを有しており、こ れによって椅子各部の角度調整等を行います。

このような設計によって、本発明のコンピュータ・コックピットは、ユーザーが当該コ ックピットに入る前に、ユーザーの身体的形状条件に応じた椅子各部の角度及び位置を最 適化します。

【図2】本発明実施例の、ヘッドレストにヘッドホンを埋め込む図

本発明は、ヘッドレストに左右チャンネルを有するヘッドホンを埋め込んでいます。

【図3】フロントカメラ 110 でユーザーの頭がどちらを向いているかを判定する図

本発明は、ユーザーの頭部がどちらを向いているかを、モニター130 のフロントカメラ 110 からのキャプチャ画像を基にして判定し、この判定結果に応じてヘッドレストに埋め込 まれたヘッドホンの左右音量を調整します。

すなわち、ユーザーの頭部が左旋回している場合は、左側チャンネルの出力音量が低く なり、右側チャンネルの音量が高くなります。

ユーザーの頭部が右旋回している場合は、 逆に、左側チャンネルの出力音量が高くなり、右側チャンネルの音量が低くなります。

さらに、この音量調整は、基準値からの差分をとって音量の調整が行われるため、例え ば左側チャンネルの音量を高くする場合は、基準値からの差分を算出し、当該差分に基づ いて右側チャンネルの音量低下をコントロールします。

つまり、いつでも左右のトータル 音量は変わらないという仕組みになっています。

このようにして、ユーザーの身体的データを常にモニタリングして調整を続けることで、 ユーザーはコンピュータ・コックピット内の空間において、快適な調整がなされた結果、没入型仮想現実環境を享受することができ、椅子の調整に悩むことなく、最高のゲーム体 験が可能になるというわけです。

経過情報:台湾では特許化されており、本記事執筆時(2021 年 3 月 1 日)において、台湾 での出願の優先権を主張して米国特許庁で審査係属中。


続いて、同じメーカーが出願中である、「コンピュータ・コックピットとその調整方法」 の技術内容についてご説明します。

コンピュータ・コックピットとその調整方法>

本発明は、先に述べた「コンピュータ・コックピット」の具体的な駆動機構等について 出願されたものです。コンピュータ・コックピットはシート(座部)、背もたれ、移動可能なディスプレイを含みます。

コンピュータ・コックピットの各種動作を司る駆動モジュ ールや、動作のトリガーとなる検知モジュールは全て当該コックピット内に配置されます。

ユーザーの情報を検知した駆動モジュールは、ディスプレイの回転作動角度を調整し、併 せて背もたれやヘッドレストの圧力検出値、及びシート圧力検出値との差を減らし、適切 な値となるように、リクライニング角度を自動調整します。

【図1】コンピュータ・コックピットに配置された駆動モジュールとセンサーの概略図

本発明は、ディスプレイ 115 を水平方向に駆動可能とし、また、シート、背もたれ、ヘッドレストに配置された検知モジュール 130 からの圧力検出値に基づいて駆動モジュール 120 が回転駆動します。

具体的には、シートと背もたれそれぞれの圧力検出値の差を少なく

するように、リクライニング角度を調整します。これにより、ユーザーの体にかかる負荷 を分散させるという、人間工学に適合する環境を実現することができ、ユーザーの快適性 向上が図れるというわけです。

さらには、人体赤外線センサ 134 を使用して、ユーザーがシートに座っているかどうか を検知します。

同様に、ヘッド部分の赤外線センサ 135 によって、ユーザーの頭がヘッドレストの前面に位置しているかどうかを検知します。

このようなセンサを用いることで、 シートや背もたれ部分に人体が載っているのか、他の荷物等が載っているだけなのかを判 断できます。

赤外線センサ 135 は、ユーザーの頭部の検知だけでなく、目の位置についても同時に検 出します。目の高さの検出値に基づいて、制御モジュールはスライド機構 123 を可動させてディスプレイを AX 方向にスライドさせ、ユーザーの目線とディスプレイの適正な位置調 整を自動で行います。

【図2】コンピュータ・コックピットの動作原理を示す図

左の図は、調整前のコンピュータ・コックピットを表したものです。ディスプレイ 115 は、座面 111 に対して初期角度θ1 を有しています。ここで、座面 111 及び背もたれ 112 は、 軸 A1 によってコンピュータ・コックピットに接続されています。

まず、ユーザーがシート 111 に座り、さらに背もたれ 112 にもたれかかると、シート 111 は、圧力 W1 を受けて、背もたれ 112 は圧力 W2 を受けます。背もたれにかかる圧力 W2 と軸 A1 の力作用位置の間の水平距離が L2 となります。

コンピュータ・コックピットは、圧力検 出値 W1、W2 を基にして、以下の式を満たすように、作動角 θ2 だけ傾きます。

W2sin(θ1+θ2)L2=W1cos(θ2)

この式を満たすように角度 θ2が調整されることは、つまり、圧力 W1 と圧力 W2 がバラ ンスをとっているということを意味しますから、θ2の調整によって、ユーザーの体重を 座面及び背もたれに均等に分散させる調整を行うということになります。

このようにして、 ユーザーに違和感を与えることなく、常に快適な座り心地を提供できるというわけです。

【図3】座面とディスプレイの位置関係を上からみた図

コンピュータ・コックピット 300 を上から見ると、曲面ディスプレイ 315 とシート 311 との関係がよくわかります。

シート 311 は背もたれ 312 とともに、回転軸 326 によって回 転可能となっています。

このような構成とすることで、ユーザーがコンピュータ・コックピットに出入りする際 に、より大きな空間をとることができ、ユーザーが着座するとシート 311 及び背もたれ 312 は自動的に回転し、ユーザーを作業空間へ導くことができます。

以上説明しましたように、本発明のコンピュータ・コックピットは人間工学に基づいた 快適なゲーミング環境を実現することができ、これまで以上に、より没入感のある体験が できる、新たなゲーミングチェアといえそうです。

経過情報:台湾では特許化されており、本記事執筆時(2021 年 3 月 1 日)において、台湾 での出願の優先権を主張して米国特許庁で審査係属中。

発明の名称:Computer Cockpit
出願番号:US201916369082
公開番号:US2020/0147484A
優先日:2018.11.8 (優先権主張国:台湾)
出願人:Acer Incorporated

発明の名称:Computer Cockpit and Adjusting Method Thereof
出願番号:US201916431754
公開番号:US2020/0260878A1
優先日:2019.2.16 (優先権主張国:台湾)
出願人:Acer Incorporated

<免責事由>
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