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仮想を現実と思わせる工夫

なにが現実で何が過去なのか混乱させる技術?

なにが現実で何が過去なのか混乱させる技術?

仮想現実研究において、実際には目の前で起きていないことを、いかにして実際に目の前で起きていることとして認識させるか、というのは長くこの研究の課題となっています。どうやって現実とは違う映像を現実のものとして認識させるか、というのはなかなか難しい問題なのです。 例えばVRゴーグルを装着して見えるもの、これってちょっと現実とは違うものを見せられているという認識をもつのが普通だと思います。というのも、CGや映像の動きの不自然さが、目の前の映像を「現実ではないもの」と認識するからですね。
そこで、ある場所において撮影された、まったく同じ視点から撮影された映像を、現在映像、代替映像、これらを組み合わせた複合映像へと切り替える映像切替手段を備える「代替現実システム制御装置」が開発されました。これは、過去の映像(自分が写っている可能性もある)と現在の映像をミックスして視聴者に見せるというもので、どこまでが過去映像で、どこからが現在映像であるかを混乱させることが目的なのです。過去映像の撮影にあたっては、同じ視点であることはもちろん、周辺の音声についても同様です。このような装置を使って映像を見せると、ほとんどの被験者は、自分の判断に自信を持てなくなり、ほとんどの過去映像を現在実際に生じている事象として受け止めるようになるそうです。
このような技術は、研究分野だけでなく、例えば、ヘッドマウントVRディスプレイを用いたいわゆる「没入型一人称ゲーム」に応用が可能かもしれません。ゲーム内環境の現実感等を高めることができるとのことで、このような技術を応用したVRゲームの今後の発展がとても気になりますね。

今回ご紹介する特許出願は、日本の研究機関によって出願され、いったん特許となった出願です。その後、特許料の不納によって特許権が消滅しています。しかし、審査を経て特許となった内容ですから、技術的に意味のある内容となっています。
このように、日本研究機関によって出願されて特許となった内容についてご紹介します。

■従来の課題

従来、仮想現実研究において、仮想の事象を、いかに現実の事象として被験者に認識させるかが課題となっています。