アップルがイヤーチップに関連する特許、イヤホンがウェアラブルデバイス化する⁉

apple特許

アップルは初めてのヘッドホン製品である「AirPods Max」を昨年発表したが、未だに海外でもどこに何色が入荷したというニュースが続くほどの人気を得ている。また、イヤホンの「AirPods」シリーズは、完全ワイヤレスでは国内トップの人気で快走している。こうしてアップルのヘッドホン・イヤホン製品の売り上げが大きくなる中で、アップルが興味深い特許を出願したとASCII.jp×デジタルは2021年3月22日に以下のように報じている。
 
それは米国特許出願番号20210084402号の”IDENTIFICATION OF CUSHIONING MEMBERS IN PERSONAL AUDIO DEVICES”というアップル社の特許だ。

この特許は図を参照するとわかりやすいが、イヤーピースやイヤーパッドにIDタグを組み込んで、どういうイヤーピースを実際に装着しているかをスマートフォン側で知るというものだ。図6Bでは番号608、図4Bでは番号408がIDタグとなる。つまりどのサイズのどのタイプのイヤーピースやイヤーパッドが実際に装着されているかがわかる。

IDタグにはおそらくNFCに類するバッテリーレス(電磁誘導による起電など)の仕組みが使わ
れていると考えられる。イヤーピースやイヤーパッドのタイプやサイズを知ってどういうメリットがあるのだろうか。

「この識別コードによって音量の上限調整やアクティブノイズキャンセリングのプロファイルの調整、またはその他の適用が可能だ」と特許の概要欄に記されている。また、イヤーピースやイヤーパッドに生体センサーがつくことで、「体温や脈拍、皮膚の湿度が検知可能である」とも記されている。これによってイヤホンのIoT機器化が促進されるかもしれない。

さらに興味深いのは、”User interface behavior can also be modified”と記載されているので、異なるイヤーピースやイヤーパッドを装着した際、UI画面にそれが反映されるかもしれないということだ。

図1 イヤーパッドの例

図2 イヤーピースの例

また、この特許は別な面からも見ることができる。つまりアップルはこのタグが内蔵されていないイヤーパッドやイヤーピースを知ることで、サードパーティ製のイヤーピースはどう扱われるのかという問題だ。これはあたかもMFI(Made for iPhone)認証のようなアクセサリー管理が、イヤーピースやイヤーパッドにも及ぶのではないかとも深読みすることもできる。

ちなみに特許を出す目的には製品化以外にも、ライバル会社に使わせないためとか、クロスライセンスを得るためなど、様々な戦略があるので、必ずしもこれが将来の製品に採用されるわけではないということを確認しておきたい。

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。