Samsung Displayは、透過型ディスプレイパネルの実現に必要な技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2020年8月27日に「TRANSPARENT DISPLAY DEVICE AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」(公開特許番号「US 2020/0273926 A1」)として取得した。
この特許は、透明な表示デバイスについて、表示部分の構造を説明したもので対象とする具体
的なデバイスへの言及はないが、図面では画面が透明なスマートフォンらしきものを例としている。
さらに、この表示デバイスは各種電子回路を実装するための層と、表示用の画素(ピクセル)を配置する層の2層構造。各ピクセルは、有機ELなどの発光素子を設けた部分と、光と透過する部分で構成されている。こうした構造にすることで、このデバイスを通して背後を見られるようにしつつ、何らかの画像を表示できるわけだ。ただし、これだけでは新規性がなく、特許の権利化は難しいだろうとされている。
同特許では、各ピクセルで発光部分の境目となる第1のサイドウォールと、透過部分の境目と
なる第2のサイドウォールに関して、表示デバイスの面方向からの角度を規定している。具体的には、第1サイドウォールの角度より、第2サイドウォールの角度を大きくするようだ。
どのような効果を狙ってこの構造を採用するのかについて、クレーム(請求項)からは読み取れないが、この特許で示された構造が、透過率や画質の向上、製造の容易化などに貢献する可能性はある。
しかしながら、後ろにある物が透けて見える透明なディスプレイは以前から存在する。たとえば、サムスン電子傘下のSamsung Displayが以前、透過型の有機ELディスプレイを披露している。また、Xiaomi Technology(シャオミ)は、透明な55型テレビを販売するとしている。
透明ディスプレイは、スマホだけでなく、テレビ、モニター、ノートパソコン、ゲームコンソール、カメラなどにも応用可能とされているが、はたして実現するかどうかは見えない。
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