ハーバード大学ベルファー科学・国際問題研究センターはこのほど、同センターのグレアム・アリソン所長らの署名入りの「巨大なテクノロジー対抗:中国 vs 合衆国」と題する論文を発表したことを、中中国、韓国、東アジアのニュースを伝えるRecord China(レコードチャイナ)は21年12月22日伝えた。
同論文は、中国は人工知能(AI)、5G、量子情報科学、半導体、バイオテクノロジー、グリーン・エネルギーなど科学技術の多くの分野で世界一のレベルになっており、現在の状況が続けばその他の分野でも中国は米国を追い越す存在になるとの予測を示した。
移動通信の5G技術については、4G導入が急速に進んだ2010年ごろの米国の状況を、中国は5G導入で再現していると論じた。米国は5Gの標準やチップ設計で優位だが、米国の5Gインフラの導入は中国よりも何年も遅れており、このため中国は5G時代のプラットフォーム開発において、先行者利益を得ることになったという。
AIについては、中国はAI分野で急速に台頭したので注目していない人もいるが、製品市場テスト、金融市場テスト、研究出版物、特許、国際コンテストなど多くのカテゴリーのコンペティションで、中国は米国を抜いて「議論の余地がない」ほどの世界のトップに立っているという。
また、中国におけるAIの研究開発への投資は、米国の水準まで達しており、その成果が現れ始めているという。AI分野の中でも最も注目されるディープ・ラーニングでは、中国の特許取得件数は米国の6倍に達した。マイクロソフトの共同創業者であるポール・アレン氏が設立したアレン人工知能研究所によれば、米国で書かれたAI関連の論文の引用回数は2025年までに論文全体の1%程度になり、第1位の座を失うことになる。
量子情報科学では、関連特許取得件数で、中国の13年の年間実績は231件だったが18年には1157件に達した。米国は13年が185件で18年は363件だった。日本の場合には13年が93件で18年には53件と、5年間でほぼ半減した。
中国はすでに量子情報システムに米国の4倍の資金を投入している。米国側の米中経済安全保検討査員会の17年のリポートには「中国は量子情報科学分野での技術力格差を縮小した。この分野は米国が長らく支配していた」と書かれている。また、中国は第14次5カ年計画で、技術発展における優先事項の筆頭にAIを据えたが、量子情報科学はその次に重要な優先事項とした。
同リポートは半導体生産について、20年の中国製品の全世界シェアは15%だったが、30年には24%にまで増加すると予測した。一方、20年には12%だった米国は30年には10%に低下。また、2020年に22%だった台湾は30年には21%に、21%だった韓国は19%に、15%だった日本は13%に、いずれもシェアは低下するが、中国だけはシェアを大きく拡大すると予測した。
リポートは、米国が産業のリーダーである状況は短期間には変わらないが、中国は多くの重要分野で力強く進歩しており、中国の半導体業界は今後10年間で急速に成長する可能性があると主張。まあ、華為技術(ファーウェイ)や中芯国際(SMIC)などへの制裁という米国の動きは、中国の発展を遅らせている一方で、中国が先進的な半導体を輸入することを完全に遮断すれば、米国はチップ販売の36%を占める中国市場を失うことになり、同政策は米国に自己破滅をもたらすと主張した。
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://nordot.app/846186124777406464?c=62479058578587648
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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