映画スタジオのミラマックスは21 年11月16日、クエンティン・タランティーノ監督が販売を計画中の「パルプ・フィクション」のNFTについて、著作権・商標権の侵害と契約違反を理由とする訴訟を起こし、映画のNFTの販売権に関する法廷闘争を開始したことをYAHOOニュースは21年11月17日次のように伝えている。
カリフォルニア州の連邦裁判所に提出された訴状の中で、ミラマックスは、タランティーノ監督に「パルプ・フィクション」のNFTの計画を中止するよう求める停止命令書を送ったが、監督はその計画をさらに強化し、拡大したと述べている。
ミラマックスは、タランティーノ監督が1993年の契約で映画の独占コンテツや機密情報を含む「パルプ・フィクション」の“ほぼすべての権利”を同社に渡すことに同意していると主張し、損害賠償を求めている。
同社は、自社の知的財産権を執行、保全、保護するために訴訟を起こし、同様の権利を持つと考えられる他の関係者の著作権を守るために、今回の措置に打って出たと述べている。
タランティーノ監督の弁護士は、ミラマックスが以前に送った停止命令書に対して、監督がNFTを公開することは、映画の「脚本の出版」の権利の範囲内であると述べていた。
ハリウッド・レポーターは、今回の裁判の争点が、NFTというテクノロジーが登場する以前に交わされた契約に、どのような権利が含まれていたかを巡るものになると指摘した。 タランティーノ監督は11月初旬、自身が脚本・監督を務めた映画「パルプ・フィクション」の7つのノーカットシーンのNFTをオークションに出品すると発表した。
このNFTには、手書きの台本や本人による解説などが含まれているという。 ハリウッド・レポーターによると、タランティーノ監督はミラマックスとの契約で、サウンドトラック、印刷物、メイキング・ブック、インタラクティブ・メディアなどの一定の権利を保有しているという。
同様な計画は他の映画スタジオの間でも相次いでおり、MGMはジェームズ・ボンドの映画「ノー・タイム・トゥ・ダイ」に関連したNFTを公開する計画を発表し、ワーナー・ブラザースは「マトリックス」に関連したアバターのNFTを公開すると発表している。
ロイターによると、2020年上半期のNFTの販売額は1370万ドルだったが、今年の上半期の販売額は25億ドルに達していた。
ところでいまさらだけど、この、いま話題のデジタル資産『NFT』とはそもそも何かだが、「インターネット上でデジタル作品が数百万ドルで売れる。そんな話やニュースを見聞きしたことはないだろうか。さらに、そのとき「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」という言葉も耳にしていたのではないだろうか。
NFTがここまで注目を集めるようになったのは2021年に入ってからだ。人気の理由を新型コロナウイルスのパンデミックに求める人もいれば、暗号資産の高騰を理由に挙げる人もいる。実際の要因はそれら両方だ。暗号資産やブロックチェーンの世界では、今やNFTが流行の最先端にある。
NFTとは、ブロックチェーン上で発行され、流通する、偽造不可な鑑定書、所有証明書付きのデジタルデータである。
世界で初めてNFTの作品を扱ったオークションハウスは、クリスティーズだ。落札価格は美術品としては破格で、6900万ドルを超えた。サザビーズでも、Pakというデジタルアーティストの作品が1680万ドルで落札されている。
さて、こうしてNFT作品を落札した人が手に入れたのは何だろうか。実は、形あるものは一切得られない。落札したからといって、「作品の原本」がもらえるわけではない。デジタル作品には原本など存在しないのだ。
落札した人が得られるのは、いわば作品の所有権だ。「その作品は私のもの」という声明のようなものである。NFTを手に入れると、それがデジタルの唯一無二のトークン(証拠)になる。
自分が暗号資産の所有者であるという証明書の役割を果たすわけだ。代替性のある資産は、物理的な方法で容易に現金化できる。その一方で、代替性のない資産は売却も現金化もできない。
デジタル上の存在であるNFTを支えるのがブロックチェーンだ。ブロックチェーンに記録された情報が公開台帳となり、NFTに紐付けられたデジタル作品の所有者を証明してくれる。実体のある美術品が売れる流れを想像するとわかりやすいかもしれない。
デジタル作品は共有、拡散などができるものの、誰もがその作品の持ち主を知っているという点では、形ある美術品の場合と同じなのだ。
【オリジナル記事・引用元・参照】
https://news.yahoo.co.jp/articles/596a6b3e14eedb8cfb35c253bf94ab25165f1127
https://forbesjapan.com/articles/detail/41234?utm_source=YahooNews&utm_medium=referral&utm_campaign=yahoonews
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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