未来の物件探訪!新しい賃貸体験とナビ


新生活に伴い物件を検討している方も多いかと思います。今回の特許マガジンではこれまでにない賃貸住宅体験を探求する旅にあなたを招待します。

直接的な物件探索から始まり、デジタル技術を駆使した契約プロセス、そして未知の街を探索する際の新しいナビゲーションシステムまで、賃貸市場の最前線を紹介します。

不動産仲介業者を介さずに完結するスムーズな契約手続きや、ブロックチェーン技術による信頼性の高い契約情報の記録、さらにはAIによるパーソナライズされた物件情報の提供など、テクノロジーが生み出す新たな可能性を探ります。

また、目的地への道を一目で解るナビゲーションサービスを通じて、未来の都市生活がいかに便利で、かつ魅力的なものになるのかをご紹介。私たちの日常と密接に関わる「住まい探し」と「移動」の体験を、テクノロジーの力で一新する冒険に、あなたも参加しませんか?

CONTENTS LIST

部屋選び、指先一つでリアル体験

不動産の物件選びの過程では、間取り図や静止画像だけでは伝わらない物件の魅力や実際の様子を把握するために、時間と労力をかけて現地に足を運ぶ必要がありました。

今回紹介する特許は、このような問題を解決するために、遠隔操作によって物件内の仮想カメラを動かし、内覧者目線で部屋を見ることができる技術です。ユーザーは自宅やカフェから、あるいは移動中でも、スマートフォンやパソコンを通じて、まるで現地にいるかのような体験を得ることができます。具体的にどのようなシステムなのか、そして私たちの物件選びにおける体験をどのように変えるのかを深掘りしていきたいと思います。

本発明は、インターネットなどの通信ネットワークを介して賃貸物件の情報を提供する物件情報提供サーバに関します。

従来、この種の物件情報提供サーバとして、間取り図や物件内の写真を物件情報として提供するサーバが知られています。

しかしながら、上述した写真等の物件情報に基づいて賃貸契約を検討する物件を絞り込んだとしても、実際に内覧してみると、物件情報によるイメージと実物とが大きく異なる場合があります。そのため、実際に現地へ行って物件を確認する必要があり、賃貸物件の選定に手間がかかるという問題があります。

仮に、物件の部屋内の様子を伝えるために、多量の写真を掲載したとしても、写真での印象と、実際に見たときの印象とが異なってしまう場合が多いという問題があります。

以上のような問題点があるため、賃貸物件の選定を効率良く行うことが可能な物件情報提供サーバが要望されています。

発明の目的

本発明の物件情報提供サーバを利用すると、ユーザ端末(スマホなど)の遠隔操作によって、興味ある物件内の仮想カメラを移動させることができます。そして、ユーザ端末のモニタを通して、物件の部屋の様子を内覧者目線で移動しながら見ることができます。よって、本発明の物件情報提供サーバが提供する物件情報から予想される部屋と、実物の部屋との間におけるイメージの差を小さくできます。したがって、無駄な内覧を減らすことができるため、賃貸物件の効率的な選び出しが可能です。

本発明の物件情報提供サーバは、通信ネットワークとつながったユーザ端末からの要求に応じて、物件情報を提供します。

物件情報提供サーバは、データ記憶装置、仮想画像提供装置、および、移動画像提供装置を備えます。

データ記憶装置は、物件ごとに部屋内のさまざまな位置で撮影されたパノラマ画像を記憶します。

仮想画像提供装置は、物件の部屋内にあると仮定される仮想カメラが映す仮想画像を、上記データ記憶装置のパノラマ画像から生成してユーザ端末のモニタに表示させます。また、ユーザ端末によって操作される仮想カメラの位置および向きに応じて、仮想画像を変えていきます。

移動画像提供装置は、ユーザ端末の操作によって移動する仮想カメラの移動に対応し、その移動方向に沿った様々な位置であらかじめ撮影したパノラマ画像から各種の仮想画像を生成し、ユーザ端末のモニタに順次表示させます。

上記のデータ記憶装置は、建物内のいずれの部屋でも共通する部屋内パノラマ画像、および、各部屋から撮影した景色パノラマ画像を記憶します。

上記の仮想画像提供装置は、建物内の特定の部屋が選択されたときに、いずれの部屋でも共通する上記の部屋内パノラマ画像、および、選択された部屋から見える上記の景色パノラマ画像を組み合わせて、仮想画像を提供します。

本発明の物件情報提供サーバにユーザ端末を接続すれば、ユーザ端末の遠隔操作によって、部屋内で仮想カメラを移動させ、部屋内をモニタ越しに内覧者目線で移動しながら見ることができます。

発明の詳細

以下、本発明の具体例について図面を参照しながら説明します。図1は、賃貸物件検索システム9の全体的な構成(概念図)を示します。この賃貸物件検索システム9では、物件情報提供サーバ12に通信ネットワーク11を介してユーザ端末10が接続されています。賃貸物件検索システム9は、例えば、WWW(World Wide Web)技術を用いて実現されています。

【図1】

ユーザ端末10は、通信ネットワーク11に接続可能な、例えば、携帯電話、スマートフォン、パソコン、携帯型端末機(Personal Digital Assistant)等であり、WWWブラウザを搭載しています。

通信ネットワーク11は、例えば、インターネット、ローカルエリア通信ネットワーク(LAN)、ワイドエリア通信ネットワーク(WAN)、公衆交換電話網等、または、それらを組み合わせて構成されます。通信ネットワーク11は、有線または無線のどちらでも可能です。

物件情報提供サーバ12の構成に関しては後に詳述します。まず、物件情報提供サーバ12に接続したユーザ端末10で得られる物件情報について説明します。なお、「賃貸物件」とは、その賃貸物件の貸し主が、不動産業者に賃貸契約の締結の代行を依頼している物件です。例えば、集合住宅の複数の部屋をそれぞれ別々で賃貸契約するように不動産業者へ依頼している場合、1つの部屋が1つの賃貸物件となります。また、以下の説明において、単に「物件」と表記する場合、「賃貸物件」を意味します。

物件情報提供サーバ12のURLは、物件検索サイトとして登録されています。ユーザ端末10によって例えば汎用検索エンジンを利用すれば、その物件検索サイトをヒットさせることができます。そして、ヒットした物件検索サイトをクリックすることで、ユーザ端末10が物件情報提供サーバ12と接続されて通信可能な状態になります。すると、物件情報提供サーバ12が提供するメイン検索画面(図示せず)が、ユーザ端末10のモニタ10Mに表示されます。地域、家賃等の検索条件を入力して検索実行ボタンをオンすると、検索条件を満たす物件の検索結果リストがモニタ10Mに表示されます。そして、その検索結果リストから特定の物件をユーザ端末10によって選択すると、図2に例示する基本情報画面G1(基本情報画面の概略図)がモニタ10Mに表示されます。

【図2】

基本情報画面G1には、物件の建物名、所在地、賃料などのデータD1、写真D2、および、間取図(まどりず)D3などが表示されます。また、写真D2をクリックすると、外観、内部、駐車場などへと順次、写真内容が切り替わります。

従来の物件情報提供サーバが提供する物件検索サイトであれば、この基本情報画面G1に表示されるような物件情報だけで、物件検索サイトにおける絞り込みが終了し、絞り込んだ物件リストを、例えば不動産会社に連絡します。そして、実際に物件を内覧するステップへと進みます。

これに対し、本発明の物件情報提供サーバ12が提供する物件検索サイトでは、基本情報画面G1の物件情報で絞り込みを行った後、実際の内覧を行う前に、さらに十分に検討できます。具体的には、基本情報画面G1には、自由内覧ボタンB1とアシスト付内覧ボタンB2と内覧動画ボタンB3とが設けられています。自由内覧ボタンB1をオンすると、図3に示す内覧情報画面G2(内覧情報画面の概略図)がモニタ10Mに表示されます。なお、自由内覧ボタンB1がオンされた場合を、以下「フリーモード」といいます。

【図3】

内覧画面G2には、画像表示部26、現在位置表示部27、および、コメントボックス28が設けられています。

画像表示部26には、物件内を中継カメラが撮影しているLive映像のような画像が表示されます。換言すると、物件検索サイトのユーザが、物件を内覧したときの視覚情報に近い画像が画像表示部26に表示されます。後に説明するように画像表示部26の画像は、中継カメラのLive映像ではないため、以後「仮想画像」といいます。また、Live映像であるかのごとく物件内に配置されて「仮想画像」を映し出したとみなすカメラを、以後「仮想カメラ」といいます。

現在位置表示部27には、例えば、矢印形状のポインタP、内覧ラインL、および、内覧ポイントSが、物件の間取図D3に重ねて表示されています。内覧ラインLおよび内覧ポイントSは、物件内において仮想カメラが移動できる位置を示します。また、間取図D3上のポインタPの位置は、仮想カメラの現在位置を示します。ポインタPの矢印の向きは、仮想カメラの向きを示します。なお、図3に示す内覧画面G2では、間取図D3の玄関が、現在位置表示部27の下側に配置されています。一方、上下を逆転させて玄関を現在位置表示部27の上側に配置して表示する場合もあります。

コメントボックス28には、内覧画面G2の操作案内、および、物件案内等のコメントが表示されます。例えば、内覧画面G2を開いた直後に、コメントボックス28に、以下のような操作案内のコメント文が表示されます。「マウスまたはタッチパネルによって、映像内の矢印をクリックして物件内を進んで下さい。また、画面をドラッグして見る向きを変えたり、スクロールしてズーム変更したりすることもできます。間取図上の位置を選んで移動できます。」

また、内覧画面G2が開いた直後に、画像表示部26には、例えば、図3に示すように物件の玄関内または玄関前にポインタP(仮想カメラ)が配置され、その場所での仮想画像が表示されます。そこで、コメントボックス28の前述のコメント文に従って画像表示部26の仮想画像をドラッグすると、上下左右のいろいろな方向に仮想カメラを向けたさまざまな仮想画像へと変化します。例えば、玄関前にポインタPが配置されている場合、玄関前の外の景色を見渡すことができます。

画像表示部26には、仮想画像に重なって操作用矢印26Aが表示されます。操作用矢印26Aをクリックすると、その操作用矢印26Aが指す方向に仮想カメラを移動させた、動画のような移動画像が表示されます。その後、例えば図4の内覧情報画面の概略図に示すように、所定距離だけ進んだ位置の仮想画像に切り替わります。このとき、現在位置表示部27のポインタPの位置も連動して内覧ラインLの上を移動します。このようにして、物件内を移動したような感覚を得ることができます。

【図4】

現在位置表示部27の内覧ラインL上のどこかの点または内覧ポイントSを選択すると、選択された位置へ仮想カメラを瞬間的に移動させ、仮想画像を切り替えることもできます。また、図4に示すように、間取図D3上の窓付近に内覧ポイントSが設定されている場合、方向を変えながら窓の外の景色を見ることができます。間取図D3上のテラスに内覧ポイントSが設定されている場合も同様です。さらには、マウスのスクロールボタンをスクロール操作するか、または、タッチパネルで仮想画像上の2点を触って拡げる操作をすれば、仮想画像の一部を拡大して(即ち、ズームアップして)見ることもできます。

間取図D3上に設定されたコメント発動位置SP1にポインタPが来たときには、コメントボックス28にコメント文が表示されます。コメント文は、物件内の各部分(例えば、システムキッチン、証明器具、洗面所等)をアピールする文です。なお、コメントボックス28にコメント文が表示されるときに、コメント音声がスピーカから出力されるように構成することもできます。また、コメント文を表示せずにコメント音声のみが出力されるように構成することもできます。

物件によっては、図5の内覧情報画面の概略図に示すように、視線高さ変更ボタン28Bと、視線高さを標準に戻す視線高さリセットボタン28Cとが、内覧画面G2に表示されます。視線高さ変更ボタン28Bの操作によって、仮想カメラの高さを標準(例えば、床上150~170[cm])よりも低い位置(例えば、90~100[cm])、または、高い位置(例えば、190~200[cm])に変更できるため、高さを変更した仮想画像が画像表示部26に表示されます。これにより、例えば、車椅子を利用している身障者、または、極めて背が高い人の視線に合わせた仮想画像を提供できます。

このように自由内覧ボタンB1が選択されてフリーモードになった場合、ユーザ端末10によって仮想カメラを自由に操作して物件内を見学できます。なお、内覧画面G2中の終了ボタン(図示せず)をオンすると、フリーモードを抜けて基本情報画面G1に戻ります。後述するアシストモード、自動案内モードに関しても同様です。

基本情報画面G1にてアシスト付内覧ボタンB2をオンした場合(以下、「アシストモード」という)も、上述したフリーモードの場合と同様に、図5に示すような内覧画面G2が表示されます。そして、コメントボックス28に、例えば不動産会社の内覧アシスタントをイメージさせるキャラクタ画像28Gと、以下のようなコメント文とが表示されます。「ご希望の物件に到着しました。先ずは、ご自由に物件内をご覧下さい。マウスかタッチパネルで、映像内の矢印をクリックして物件内を進むことができます。また、画面をドラッグして見る向きを変えたり、スクロールしてズーム変更したりすることもできます。間取り図上の位置を選んで移動することも可能です。」

【図5】

アシストモードでも、フリーモードと同様にユーザ端末10によって仮想カメラを操作し、物件内の所定箇所の仮想画像を画像表示部26上で見ることができます。ただし、その操作に伴い、あらかじめ設定された動画発動位置SP2にポインタP(仮想カメラ)が最初に移動したときには、ユーザ端末10の操作ができなくなります。即ち、ユーザ端末10の操作が無効化されます。

そして、例えばキャラクタ画像28Gが再登場して、「お客様。是非、こちらをご覧下さい。」というコメント文が表示され、ユーザ端末10の操作とは無関係に強制的(自動的)にポインタPが、あらかじめ設定された方向に進みます。それに連動して画像表示部26の仮想画像も変化して表示されます。即ち、あらかじめ用意された仮想画像の動画(発動動画)が画像表示部26に表示されます。発動動画が表示されている間に、発動動画に合わせたコメント文またはコメント音声が出力される場合もあります。そして、発動動画の表示終了後に「有り難うございました。また、自由に物件内をご覧下さい。」というコメント文が表示されます。

そして、発動動画の表示終了時のポインタPの位置SP3(動画終了位置SP3)から再び自由に仮想カメラを移動できます。アシストモードを終了して再始動しなければ、動画発動位置SP2にもう一度移動してしまったとしても、発動動画は発動しません。

より具体的な一例では、ユーザ端末10の操作によって、図5に示す物件のリビング中央の動画発動位置SP2までポインタPが移動すると、ユーザ端末10の操作が不可能になります。そして、ポインタPが動画発動位置SP2から窓付近まで進んだあと、そこから戻って次にテラス外の動画終了位置SP3に進みます。その間、ポインタPの移動に連動して発動動画が表示され、「このすばらしい外の景色をご覧ください。」等のコメント文が表示されます。そして、発動動画が終了してから、動画終了位置SP3から再び仮想カメラの自由な移動操作が可能となります。

このようにアシスト付内覧ボタンB2が選択されてアシストモードになった場合、ユーザ端末10にて仮想カメラを自由に操作して物件内を見学できるだけでなく、部分的にユーザ端末10の操作が制限されて、物件のアピールポイントを容易かつ迅速に確認できます。

基本情報画面G1にて内覧動画ボタンB3が選択された場合(以下、「自動案内モード」という)は、前述の内覧画面G2が表示され、画像表示部26にて動画が再生されます。その動画は、上述したアシストモードの発動動画が物件内全体にわたって展開された動画です。

次に、上述したように物件情報を提供する物件情報提供サーバ12の構成について説明します。物件情報提供サーバ12は、図6のコンピュータシステムの概念図に示すように、汎用的なコンピュータシステム13が所定のアプリケーションソフトウェアを実行できるように構成されています。具体的には、コンピュータシステム13は、CPU、ROM,RAMを有した主制御部13Aを備えます。

また、例えばハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)等からなるデータ記憶部13Bを備えます。さらに、通信ネットワーク11に接続された通信制御部13Cを備えます。そして、データ記憶部13Bにインストールされたアプリケーションプログラムを主制御部13Aが実行することで、コンピュータシステム13が、図1に示すWWWサーバ21、データ処理部22、データベースサーバ23等として機能します。物件情報提供サーバ12は、それらWWWサーバ21等によって構成されます。

【図6】

データ記憶部13Bには、データベース15が記憶されています。データベース15は、データベースサーバ23のデータベース管理システム(DBMS:DataBase Management System)によって管理されます。データベース15は、例えば、物件ファイル、通常画像ファイル、複数の特殊画像ファイル、および、マップファイルなどを含みます(図1もご参照)。

特殊画像ファイルは、図9に示すパノラマ撮影装置99を使用して作成されます。図9は、パノラマ画像の撮影法を示す概念図を示しています。図9(A)ではパノラマ撮影装置99を横から見ています。図9(B)ではパノラマ撮影装置99を上から見ています。パノラマ撮影装置99は、複数のカメラ(図示せず)を備え、ほぼ全方位(真下を除く)を同時に撮影し、パノラマ撮影装置99を中心とするパノラマ画像29を撮影します。

図10は、パノラマ画像の概念図を示し、パノラマ画像29が上下軸を中心にして展開されたイメージ図です。

【図9】

【図10】

また、パノラマ撮影装置99は、GPSおよび加速度センサ(図示せず)を搭載しています。よって、現在位置データを取得可能であり、しかも、基準カメラの水平軸がどの程度傾いているかという傾きデータを取得できます。そして、パノラマ画像29を撮影するたびに、パノラマ画像データPM1、現在位置データ、および傾きデータをセットにしたパノラマセットデータがメモリに取り込まれます。

このパノラマ撮影装置99を使用し、以下のようにして各物件のパノラマセットデータを取得します。実際の物件にパノラマ撮影装置99を持ち込み、パノラマ撮影装置99の基準カメラの高さを、あらかじめ設定された標準高さ(例えば、床上150~170[cm])に設定し、座標基準データを設定します。例えば、パノラマ撮影装置99を物件の玄関口の中央に配置し、基準カメラを物件内(部屋内)に向け、基準水平軸を水平方向に合わせます。例えば、玄関口から最も遠い壁面の画像を基準カメラがとらえるように設定します。そして、データ取得ボタンをオンにすると、例えば、玄関口の中央を原点とし、玄関口から物件の内側へ向く水平方向をY軸方向とし、そのY軸に直行する方向をX軸方向とする座標基準データが、メモリに取り込まれます。

次に、一定距離(例えば、20[cm])ずつパノラマ撮影装置99を移動させるごとに、自動的に撮影を行うオートモードがセットされます。そして、物件の内部でパノラマ撮影装置99を移動させながら連写します。これにより、物件内を一定距離移動したパノラマセットデータが取得されていきます。さらに、パノラマ撮影装置99を上記の原点から玄関口の外に移動させたり、テラスの外に移動させたりして、物件外のパノラマセットデータ(外画像)を取得します。加えて、マニュアルモードに切り替えて、例えば、トイレ内、窓付近、またはテラス等にパノラマ撮影装置99を移動させてパノラマセットデータ群を取得します。

場合によっては、基準カメラの高さを標準高さよりも低く(例えば、床上90~100[cm])、または、高く(例えば、床上190~200[cm])設定し、標準高さの場合と同様にパノラマセットデータ群を追加で取得します。

一方、複数の物件で間取りが同じ場合、窓またはテラス等から見える景色のみが異なるため、各物件から見た外側(屋外)のパノラマセットデータのみを取得します。

参考として図11の間取の概略図には、撮影位置がドットdt1、dt2,dt3,・・・で示されています。前述の図10に示す帯状のパノラマ画像が、円筒状に丸められたイメージで示されています。

【図11】

図9(A)に示すパノラマ撮影装置99による撮影法から把握できるように、パノラマ画像は、実際には円筒状でなく、中空の球の内面を内側から見た状態になります。説明の簡素化のために、円筒状から展開された帯状のイメージ(図10参照)の画像がパノラマ画像であると仮定しますが、パノラマ画像は、実際には図9(A)および図9(B)に示すように、上下方向および周方向でそれぞれの領域に分割され、領域ごとにファイル化されています。そして、ユーザ端末10の操作によって向けられる中継カメラの方向は、いずれかの領域に割り当てられて処理されます。

以上説明しましたように、本発明の物件情報提供サーバ12にユーザ端末10を接続すれば、所望の物件内で仮想カメラをユーザ端末10の遠隔操作にて移動するようにして、物件内をユーザ端末10のモニタ10M越しに内覧者目線で移動しながら見ることができます。これにより、物件情報提供サーバ12が提供する物件情報からイメージされる物件と、実物との差を小さくして無駄な内覧を減らすことができるため、賃貸物件の選定を効率良く行うことが可能です。

また、ユーザ端末10の操作によって物件内を移動しながら、物件内に設定された動画発動位置SP2に移動したときに、ユーザ端末10の操作が無効になり発動動画がユーザ端末10のモニタ10Mに表示されるため、物件のアピールポイントをユーザが見落とさずに済み、この点においても賃貸物件の選定を効率良く行うことが可能です。また、発動動画にはコメント文やコメント音声が付されることもあり、それらにより物件のアピールポイントを容易に理解できます。

さらには、物件の外を写した景色画像も見ることができるため、物件のイメージと実物との差をより一層小さくできます。しかも、同じ建物の異なる部屋に対して、部屋ごとに異なる画像が提供されるため、同じ建物でも部屋単位で細かい検討が可能です。また、ユーザ端末10による自由な操作で物件内をモニタ10M越しに見学している際に、物件内に設定されたコメント発動位置SP1に移動したときには、コメント文またはコメント音声が提供されるため、この点においても物件のアピールポイントをユーザが見落とさずに済みます。

別の具体例

本発明は、上述した例に限定されず、例えば、以下に説明するような別の具体例も含みます。

上記の例では、ユーザの視点から見た仮想画像が画像表示部26に映し出されていましたが、図18の内覧情報画面の概略図に示すように、ユーザ(即ち、内覧者)を表す人物66Wを映し出し、この人物66Wを操作するように構成することも可能です。また、人物66Wだけでなく、不動産会社の内覧アシスタントを表す人物を映し出ることも可能です。

【図18】

以上説明しましたように、物件情報提供サーバを利用して、物件の部屋の様子を内覧者目線で移動しながら見ることができます。よって、物件情報から予想される部屋と、実物の部屋との間におけるイメージの差を小さくできます。したがって、無駄な内覧を減らすことができるため、賃貸物件の効率的な選び出しが可能です。

本発明の物件情報提供サーバは、通信ネットワークとつながったユーザ端末からの要求に応じて、物件情報を提供するために、データ記憶装置、仮想画像提供装置、および、移動画像提供装置を備えます。

データ記憶装置によって、部屋内のさまざまな位置で撮影されたパノラマ画像を記憶します。具体的には、部屋の内部を撮影した部屋内パノラマ画像、および、景色パノラマ画像を記憶します。

仮想画像提供装置によって、物件の部屋内にあると仮定される仮想カメラが映す仮想画像を、上記データ記憶装置のパノラマ画像から生成してユーザ端末のモニタに表示させます。また、ユーザ端末によって操作される仮想カメラの位置および向きに応じて、仮想画像を変えていきます。具体的には、部屋内パノラマ画像、および、景色パノラマ画像を組み合わせて使用します。

移動画像提供装置によって、ユーザ端末によって操作される仮想カメラの移動方向に対応して、その移動方向に沿ってあらかじめ撮影されたパノラマ画像から様々な仮想画像を生成し、ユーザ端末のモニタに順次表示させます。

本発明の物件情報提供サーバにユーザ端末を接続すれば、ユーザ端末の遠隔操作によって、部屋内で仮想カメラを移動させ、部屋内をモニタ越しに内覧者目線で移動しながら見ることができます。

本特許出願は、東建コーポレーション社から日本国特許庁へ出願され、早期審査請求されたうえで、1回の拒絶理由通知を受けた後に特許となりました。同社は、賃貸住宅のあっせんなどの事業を行っている会社です。ホームメイトという賃貸物件の検索サイトも運営しています。

ホームメイトのウェブサイトで賃貸物件を実際に検索してみますと、部屋内の写真だけでなく、動画を撮影した物件もあります。しかし、本発明の技術を利用したサービスは、未だ提供されていないようです。

本発明は、競合他社の同様な物件検索サービスよりも優位なサービスを提供するために、将来的に提供される可能性があります。実際に現地へ足を運ばなくても、リアルのような感覚を得られる本発明のようなサービスは、今後増えていくと予想されます。

発明の名称

物件情報提供サーバ

出願番号

特願2017-204568

公開番号

特開2019-079192

特許番号

特許第6297739号

出願日

2017.10.23

公開日

2019.05.23

登録日

2018.03.02

審査請求日

2017.10.23

出願人

東建コーポレーション株式会社

発明者

左右田 稔
国際特許分類

G06Q 50/16

経過情報

・本願は拒絶理由通知を1回受けた後、特許請求の範囲を補正することによって、特許となりました。


直接つながる、スマートに契約する

今回紹介する特許発明は、不動産契約システムに関するものです。従来の不動産市場では、仲介業者を介した取引が一般的であり、そのプロセスは時間がかかり、コストも高く、透明性に欠ける場合がありました。しかし、本発明により、ブロックチェーン技術を活用して契約の不変性と透明性を保証し、スマートコントラクトを用いて契約プロセスを自動化することで、仲介業者なしに直接的かつ効率的な賃貸借契約が可能になります。

このシステムは、賃貸市場における効率性、透明性、信頼性を大幅に向上させることを目指しています。

従来の不動産取引では、不動産仲介業者を介して行われることが多く、物件情報の検索や閲覧はインターネット上の不動産検索サイトを通じて行われていました。これらのサイトは多数の物件情報を提供するものの、物件情報が最新の状態に更新されていない場合や誤入力されている場合があり、ユーザーが望む物件を探すことが難しいという課題がありました。また、仲介手数料が成約した業者にのみ支払われるため、おとり広告などの問題も生じていました。

発明の目的

本発明は、不動産契約支援システム及び不動産契約支援プログラムに関するもので、特に不動産仲介業者を介在させずに賃貸不動産物件の賃貸借契約を支援するシステムとプログラムを提供しようとするものです。

発明の詳細

本発明の不動産契約支援システムは、賃貸不動産物件の物件情報を掲載し、賃貸借契約を支援するためのシステムです。このシステムは、以下の主要な機能を備えています:

物件情報登録手段:賃貸不動産物件の所有者や管理者が物件情報を登録できる機能。
物件情報検索手段:ユーザーが希望する条件を入力して賃貸不動産物件を検索できる機能。
ユーザー登録手段:ユーザーがユーザー情報を入力して登録できる機能。
トークン発行手段:ユーザー登録をしたユーザーに対して、賃貸借契約を締結する権利を有するユーザー情報を付与したトークンを発行する機能。

【図1】

このシステムにより、不動産仲介業者を介在させることなく、ユーザーが直接物件情報を検索し、賃貸借契約を締結することが可能になります。また、契約情報をブロックチェーンに記録することで、契約履歴の信頼性を高め、自動的に契約手続きを行うことができるようになります。

本発明は、不動産取引の透明性を高め、ユーザーが自身に適した賃貸不動産物件を見つけやすくすることを目的としています。これにより、不動産の所有者や管理者は物件情報を安心して登録でき、ユーザーは簡単に希望する物件を探し出すことができるようになります。

上述の各手段をそれぞれ詳細に説明していきます。

1.物件情報登録手段の詳細
物件情報登録手段は、物件の所有者や管理者がシステムに物件情報を登録するためのインターフェースを提供します。この手段は、物件の基本情報(例:住所、賃料、間取り、設備の詳細)に加えて、物件の写真やビデオツアーなどのメディアコンテンツもサポートすることが可能です。登録プロセスは、物件情報の正確性を保証するために、検証ステップを含むことができます。これにより、ユーザーが閲覧する物件情報の信頼性が向上します。

2.物件情報検索手段の詳細
物件情報検索手段は、ユーザーが自分のニーズに合った物件を効率的に見つけることができるように設計されています。ユーザーは、地域、賃料の範囲、間取り、設備の種類など、複数の検索条件を指定することができます。検索結果は、ユーザーの指定した条件に最も適合する物件から順に表示され、各物件には詳細ページへのリンクが提供されます。この検索手段は、高度なフィルタリングとソート機能を備えており、ユーザーが求める物件を迅速に特定できるようにします。

3.ユーザー登録手段とトークン発行手段の詳細
ユーザー登録手段を通じて、ユーザーはシステムに自分の情報を登録し、賃貸借契約の締結に必要な資格を得ることができます。登録プロセスでは、ユーザーの身元情報(例:名前、連絡先情報)のほか、賃貸物件に関する希望条件も収集されます。登録が完了すると、トークン発行手段がアクティブ化され、ユーザーに対して一意のデジタルトークンが発行されます。このトークンは、ユーザーが賃貸借契約を締結する際に、その権利と身元を証明するために使用されます。

4.ブロックチェーンとスマートコントラクトの応用
契約情報の記録にブロックチェーン技術を利用することで、システムは契約の透明性と不変性を保証します。各契約はブロックチェーン上に永続的に記録され、参加者による後からの改ざんが不可能になります。スマートコントラクトは、契約条件が満たされた時点で自動的に契約を実行するプログラムです。例えば、ユーザーが賃料の支払いを完了すると、スマートコントラクトが自動的に物件の鍵をユーザーに提供するデジタルキーの解放を行うなどの操作が可能です。

5.システムのセキュリティとユーザビリティ
セキュリティは、ユーザー情報の保護、トランザクションの安全性、契約データの不変性を確保するために、最先端の暗号技術を使用して強化されています。ユーザビリティに関しては、直感的なインターフェース設計と、ステップバイステップのガイダンスを提供することで、技術に精通していないユーザーでも容易にシステムを利用できるようになっています。

<本発明の不動産契約支援プログラムを使用したサービスの流れ>
1.部屋(賃貸不動産物件)を貸したい大家さん(賃貸不動産物件の所有者)などが、所有者端末又は管理者端末からマーケットプレイス(不動産契約支援システム)に物件情報を掲載します。
2.部屋を借りたいユーザが物件を探し、ユーザ端末からマーケットプレイスにユーザ登録することにより、トークンが発行されます。ユーザと大家さんとの間でユーザ端末と所有者端末又は管理者端末を介して賃貸借契約が締結されると、例えば、暗号通貨による支払いと契約情報がブロックチェーンに記録されます。
3.ブロックチェーンに記録された情報が、予め設定された所定の条件を満たすと、マーケットプレイスは、行政機関への手続(住民票の移転など)や新居での生活に必要な電気、ガス、水道などの契約手続も自動的に処理を行い、ユーザがこれまで個別に行っていた手続が自動化されます。退去のときも同様に、ユーザが、マーケットプレイスで新居を探すことにより、退去の手続も行われます。ユーザは、ユーザ個人に発行されたトークンで情報管理されていることから、新居の賃貸借契約を締結することにより、現在住んでいる部屋の退去手続(行政機関などの手続も含む)が自動的に完了されます。

本発明が対象としている賃貸不動産物件は住居用不動産だけでなく、駐車場などの場合も考えられます。例えば、ユーザが自動車(新車又は中古車)を購入する際には車庫証明が必要となります。自動車販売業者は、マーケットプレイスを経由することにより、ユーザが契約する駐車場に対する車庫証明の電子申請だけでなく、申請手数料の決済もスマートコントラクトで完了することができます。

【図2】

この発明のポイントは、不動産仲介業者を介在させずに賃貸不動産物件の賃貸借契約を支援するシステム及びプログラムを提供することです。この発明は、以下の核心的な要素によって特徴づけられます。

直接契約の促進: 不動産仲介業者を必要としない直接的な賃貸借契約プロセスを実現し、物件所有者と借主間の直接的なやり取りを可能にします。これにより、仲介手数料の削減や、契約プロセスの透明性の向上が期待されます。

ブロックチェーン技術の活用: 契約情報をブロックチェーンに記録することで、契約の不変性と透明性を保証します。これにより、契約の信頼性が高まり、参加者間の信頼を構築する基盤が提供されます。

スマートコントラクトによる自動化: 契約条件が満たされた際に自動的に契約を実行するスマートコントラクトを利用することで、契約プロセスの自動化と効率化を実現します。これにより、手続きの迅速化とヒューマンエラーの削減が可能になります。

ユーザー中心の設計: 物件情報の検索から契約締結までのプロセスを、ユーザーが直感的に操作できるように設計しています。これにより、不動産取引のアクセシビリティが向上し、より多くのユーザーがシステムを利用できるようになります。

本発明は、不動産取引のデジタル化と自動化を通じて、賃貸市場における効率性、透明性、信頼性を大幅に向上させることが可能です。ブロックチェーンとスマートコントラクトの技術を駆使することで、従来の不動産取引プロセスに存在した問題点を解決し、新しい不動産取引の形態を提案しています。

この特許発明により提供される不動産契約支援システムは、賃貸不動産市場における新たなパラダイムを提案しています。デジタル技術とブロックチェーンの応用により、不動産取引の透明性、効率性、セキュリティが大幅に向上し、ユーザーにとってより良い取引体験を提供することが期待されます。

発明の名称

不動産契約支援システム及び不動産契約支援プログラム

出願番号

特願2022-149465

特許番号

特許第7214286号

出願日

2022年9月20日

公開日

2023年1月30日

登録日

2023年1月20日

審査請求日

2022年9月20日

出願人

株式会社RESA

発明者

芝 哲也
国際特許分類

G06Q 50/16

経過情報

早期審査対象出願 


待ち時間を冒険に変える、情報の架け橋

私たちはよく、目的地に早く着きすぎて時間を持て余すことがあります。そんな時、「この近くで何ができるだろう?」と思ったことはありませんか? 従来の地図や案内サービスは、出発点と目的地がはっきりしているときには便利ですが、突然の自由時間には役立たず、周辺を探索する手助けにはなりませんでした。

今回紹介する特許発明は、そんな問題を解決します。目的地周辺の公共交通を使って、どこに行けるかを示してくれる新しいタイプのサービスです。これで、次に劇場の開演時間までカフェで時間を潰すか、近くの美術館を訪れるかを簡単に決められるようになります。突然の自由時間も、この発明でより楽しく、有意義なものに変わります。

従来、路線情報提供サーバ装置として、ユーザ端末の操作で、施設の場所や業種を選択して施設を絞り込み、最終的に選択された施設を目的地として、ユーザ端末により指定された出発地から当該施設までの路線情報を提供するものが知られています。

ところで、例えば、劇場や競技場等に到着したものの、開場まで時間があるため、近くを探索することで時間を潰そうとする場合、その劇場や競技場からどのような公共交通機関が利用可能であって、その公共交通機関で何処へ行くことができるのか、という施設を起点とした路線情報が必要となることがあります。

しかしながら、上述した路線情報提供サーバ装置では、出発地と目的地の両方が指定されたときに、出発地から目的地までの路線情報を提供する構成になっているため、目的地が明確に定まっていない場合には、施設を起点とした路線情報を得ることができないという問題がありました。

発明の目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、施設を起点とした路線情報を得ることが可能な路線情報提供サーバ装置の提供を目的とするものです。

発明の詳細

上述のとおり、この特許発明は、公共交通機関の利用者に対して、選択した施設を起点とする路線情報を提供する路線情報提供サーバ装置に関するものです。具体的には、以下のような機能と構成要素を備えています。

<データ記憶手段>
データベース管理システムに、複数のデータベースを記憶しておきます。例えば以下のようなデータファイルを予め用意します。

アクセスデータファイル: 施設とその周辺の公共交通機関の停留所が関連付けられています。これにより、ユーザーが選択した施設からアクセス可能な公共交通の停留所情報が提供されます。
停留所データファイル: 停留所とその停留所に乗り入れている路線が関連付けられています。停留所から乗り入れている公共交通の路線情報を管理します。
路線図データファイル: 路線とその路線の路線図が関連付けられています。具体的な路線の詳細図を提供し、利用者が路線の全体像を理解しやすくします。
施設データファイル:施設ファイルは以下の図に例示されるように、施設毎のレコードを複数備えるものです。各施設レコードの項目には、各施設毎に個別に設定した「施設コード」、施設の固有名称である「施設名」、施設の住所のテキストデータである「住所」、施設の「緯度」及び「経度」、施設の最寄り駅の固有名称である「最寄り駅名」、最寄り駅に乗り入れている路線の固有名称である「路線名」、最寄り駅からの徒歩での所要時間である「アクセス」、施設の最寄りのバス停の固有名称である「最寄りバス停名」、最寄りバス停に乗り入れている路線の固有名称である「路線名」、その路線の種類毎に設定された「路線分類コード」最寄りバス停からの徒歩での所要時間である「アクセス」、最寄り駅又は最寄りバス停に個別に設定された「停留所コード」、施設のエリア(地域)を特定するための「エリアコード」、施設の分類を特定するための「分類コード」等がそれぞれ関連付けられて記録されます。

<機能的手段>
停留所検索手段: ユーザー端末の操作によって選択された施設を基点として、アクセスデータファイルから施設周辺の停留所を検索します。
路線検索手段: 停留所検索手段の検索結果である停留所に乗り入れている路線を停留所データファイルから検索します。
アクセス情報表示手段: 停留所検索手段と路線検索手段の検索結果をユーザー端末のモニタに表示し、路線選択ボタンを提供して、ユーザーが特定の路線を選択できるようにします。
路線図表示手段: 路線選択ボタンを通じて選択された路線の路線図を路線図データファイルから読み込み、モニタに表示します。

<特別な取り扱い>
バス停に関するデータでは、上りバス路線と下りバス路線が別個の路線として扱われ、それぞれの路線図が独立して記憶されます。これにより、利用者はバス路線の方向性に基づいて情報を得られます。
アクセス情報表示手段では、上りバス路線と下りバス路線が含まれる場合にそれらを別々の路線として識別し、モニタに表示します。
路線図表示手段では、上りまたは下りのバス路線が選択された場合に、選択された方向のバス路線図を表示します。

<実施の態様>
では、本発明をユーザーが利用する場合の流れを簡単にみてみます。

ユーザが特定のURLにアクセスすると、サーバは施設検索用のメニュー画面をユーザのデバイスに送信します。このメニューには、地域、施設名、または施設の種類に基づいて検索するための複数のオプションが含まれています。

ユーザが検索オプションを選択すると、サービスは選択した基準に基づいて施設のリストを提供し、ユーザはリストから特定の施設を選択できます。施設が選択されると、サーバはその施設の詳細情報、周辺の公共交通機関の停留所、そしてそれらの停留所を通る路線の情報をユーザに提供します。この情報には、施設から最も近い駅やバス停、そこからのアクセス方法、そして選択した施設や停留所に関連する路線図が含まれます。

特に、このシステムは、施設とその周辺の公共交通停留所を関連付けるアクセスデータファイル、停留所とその停留所に乗り入れる路線を関連付ける停留所データファイル、そして路線とその路線図を関連付ける路線図データファイルをデータストレージに保持します。これらのデータファイルを使用して、ユーザが選択した施設周辺の停留所を検索し、それらの停留所に乗り入れる路線を特定し、選択した路線の路線図をユーザに提供します。

発明の実施の流れを以下フローチャートにして示します。このフローチャートをユーザーの端末でどのように表示するかは端末のOS等によって適宜選択されるもので、決まった形式に限定されるものではありません。

【フロー図1】

【フロー図2】

【フロー図3】

【フロー図4】

【フロー図5】

【フロー図6】

【フロー図7】

【フロー図8】

このサービスは、ユーザが選択した施設から公共交通機関を利用して目的地にアクセスする方法を簡単に見つけることができるようにすることを目的としています。バス停の場合、上りと下りのバス路線が別々に扱われ、それぞれの路線図が提供されます。これにより、ユーザは効率的に公共交通の計画を立てることができ、施設からの出発点として、または施設へのアクセス方法として公共交通機関を利用する際に便利です。

この発明により、ユーザーは選択した施設を起点として、その周辺の公共交通機関の停留所と乗り入れ路線に関する詳細な情報を得ることができます。また、上りと下りのバス路線を明確に区別して提供することで、利用者がより具体的で実用的な情報を得られるようになります。このシステムは、公共交通機関の利用計画やナビゲーションにおいて、利用者に対して高い価値を提供することが期待されます。

発明の名称

路線情報提供サーバ装置

出願番号

特願2012-221934

公開番号

特開2014-75018

特許番号

特許第5881172号

出願日

2012年10月4日

公開日

2014年4月24日

登録日

2016年2月12日

審査請求日

2014年5月7日

出願人

東建コーポレーション株式会社

発明者

左右田 稔
国際特許分類

G06Q 50/30 (2012.01)
G06F 17/30 (2006.01)
G09B 29/10 (2006.01)
G09B 29/00 (2006.01)

経過情報

・本権利は抹消されていない(満了日:2032/10/4)