特許を売却して有効活用!?取得するだけでないメリットと相場とは


特許と聞くと、何か特別な権利や取得まで難しいなどを想像するかもしれませんが、実際には身近なものにもたくさん使われています。
たとえば、スマートフォンの技術や新しいお菓子の作り方など、私たちの生活の中で使われている多くのものが特許(知的財産)で守られています。

特許とは新しい発明や技術に対して与えられるもので、その発明者や企業がその技術を独占的に利用することができるものです。
しかし、特許をただ所有しているだけではなく、それを売買したり、他の企業に利用してもらうことで、さらに多くの利益を得ることができます。

知的財産を自社活用以外で活用できるプラットフォームIPmarket(IPマーケット)で活用するのも良いのではないでしょうか?

今回は、特許の売買やロイヤルティ等の有効活用について、わかりやすく解説していきます。
特許を売買することでどんなメリットがあるのか、どれくらいの価値があるのか、そして特許のライセンス契約でよく使われる「25%ルール」についても詳しく紹介します。

特許とは何か?

まず、特許とは何かについて簡単に説明します。
特許とは、新しいアイデアや技術に対して、発明者に与えられる独占的な権利です。
この権利を持つことで、その技術を他の人や企業が勝手に使うことを防ぐことができます。
特許は政府(特許庁)から与えられるもので、通常は20年間有効です。

特許を取得するためには、その発明が新しく、実際に役立つものであることが求められます。例えば、新しい機械の仕組みや、より効果的な薬の成分配合などが特許として認められることがあります。
特許を取得することで、その発明を守り、発明者や企業はその技術を使って利益を得ることが可能になります。

特許の売却とは?

特許を取得した後、その特許をどのように使うかは発明者次第です。
多くの企業や個人は、その特許を使って製品を作り、販売して利益を得ます。
しかし、特許を自分で使うだけでなく、他の企業や個人に売却することも可能です。
これを「特許の売却」といいます。

特許を売却する理由はいくつかあります。
たとえば、発明者がその技術を自分で活用するための資金や技術を持っていない場合、その特許を売却して別の企業に利用させることで、利益を得ることができます。
また、特許を売却することで、発明者は新しいプロジェクトに集中することができるようになります。

特許のライセンス契約とは?

特許を売却する方法の一つに「ライセンス契約」があります。
ライセンス契約では、特許の所有者が他の企業や個人に対して、その特許技術を使う権利を与えることができます。
この契約によって、特許所有者は特許の所有権を持ち続けますが、ライセンスを受けた企業はその技術を使って製品を作り、販売することができるようになります。

ライセンス契約の大きな特徴は、「ロイヤリティ」という料金です。ライセンスを受けた企業は、特許技術を利用するための料金を特許所有者に支払います。
このロイヤリティは、特許を利用することによって得られる利益の一部を特許所有者に還元するためのものです。

特許を売却するメリット

特許を売却することには多くのメリットがあります。ここでは、その主なメリットについて説明します。

1. まとまった収益を得られる

特許を売却することで、発明者は一度にまとまった金額を得ることができます。
この収益を新しいプロジェクトや発明に投資することができるため、次のステップに進むための資金を確保することができます。

2. 製品化のリスクを回避できる

特許を自分で使って製品を作る場合、製品化にかかる費用や市場での競争に勝つためのリスクがあります。
しかし、特許を売却することで、そのリスクを回避し、安定した収益を得ることができます。

3. 新しい市場へのアクセス

特許を売却することで、その技術が他の企業によって広く利用され、新しい市場に進出することができます。これにより、その技術が社会全体に広まり、より多くの人々に役立つ可能性があります。

4. 時間とリソースの節約

特許を売却することで、発明者は製品化やマーケティングにかかる時間とリソースを節約できます。
その結果、発明者は新しいアイデアやプロジェクトに集中することができます。

特許の売却の相場

特許の売却には相場があり、その価値は発明の種類や市場の需要、特許の有効期限などによって大きく異なります。
たとえば、特許が非常に革新的で、今後の市場で大きな影響を与える可能性がある場合、その価値は非常に高くなります。
逆に、技術が古くなり、時代遅れになると、その価値は低くなります。

一般的には、特許の売却価格は数百万円から数億円に及ぶことがありますが、具体的な金額はケースバイケースです。
特許の価値を評価するには、市場調査や専門家の意見を参考にすることが重要です。
また、特許を売却する際には、その特許がどれだけの利益を生む可能性があるかを見極めることが大切です。

そんな価格の評価まで行えるプラットフォームがIPmarket(IPマーケット)になります。

特許のライセンス契約とロイヤリティ

特許を売却する方法の一つにライセンス契約がありますが、ここで重要なのが「ロイヤリティ」です。
ロイヤリティとは、特許技術を使用するために支払う料金であり、特許を利用することで得られる利益の一部を特許所有者に支払うものです。

ロイヤリティの「25%ルール」

ロイヤリティの金額を決定する際に「25%ルール」という考え方がよく使われます。
このルールでは、特許技術を使用した製品の利益の25%をロイヤリティとして特許所有者に支払うことが基準とされています。
たとえば、ある製品が100万円の利益を生んだ場合、その25%、つまり25万円を特許所有者に支払うというものです。

25%ルールは、特許ライセンス契約の出発点として広く使われてきました。
このルールは、公正な利益配分を目指しており、ライセンスを受けた企業は75%の利益を保持し、特許所有者が25%を受け取るという考え方に基づいています。

25%ルールの適用と限界

しかし、25%ルールはあくまでガイドラインであり、すべての特許に適用されるわけではありません。
製品や市場によって、特許技術の重要性や価値が異なるため、実際のロイヤリティは25%より高くなることもあれば、低くなることもあります。

たとえば、特許技術が製品の成功に大きく寄与している場合、ロイヤリティが25%よりも高く設定されることがあります。
また、逆に特許技術が製品の一部にしか関与していない場合には、ロイヤリティが25%未満に設定されることもあります。

最近では、特許ライセンス料を決定する際に、より詳細な分析や市場調査が行われることが増えており、25%ルールだけに頼ることが少なくなってきています。
裁判所や専門家も、ライセンス料を決定する際には、個別の事情に応じて柔軟に対応することが求められると考えています。

IPmarket(IPマーケット)では、適正価格を算出することが可能なので、もし不安な場合は利用するのもいいのではないでしょうか。

25%ルールを考慮した特許戦略

特許所有者がロイヤリティを設定する際には、25%ルールを参考にすることができますが、同時に市場価値や特許技術の重要性をしっかりと評価することが重要です。
適正なロイヤリティを設定するためには、市場調査や専門家のアドバイスを活用することが必要です。

一方、ライセンスを受ける企業としては、特許技術が自社製品の成功にどれだけ貢献するかを見極め、それに見合ったロイヤリティを支払うよう交渉することが求められます。
25%ルールはあくまで一つの目安であり、実際の交渉では柔軟な対応が重要です。

特許を売却する際の注意点

特許を売却する際には、いくつかの注意点があります。まず、特許が本当に価値があるかどうかをしっかりと評価する必要があります。市場での需要や競争相手の状況を考慮して、その特許がどれだけの利益を生む可能性があるかを見極めることが重要です。

また、特許を売却する際には、その売却先が信頼できる企業かどうかを確認することも大切です。信頼できない企業に特許を売却すると、その技術が適切に利用されないリスクがあります。さらに、特許のライセンス契約を結ぶ際には、契約内容を十分に理解し、特許の利用方法やロイヤリティの支払い条件などを明確にしておくことが必要です。

特許を有効活用するための戦略

特許を有効活用するためには、いくつかの戦略があります。
まず、自社で製品を開発し、その特許技術を最大限に活用することが考えられます。これにより、特許を持つ企業は競争優位性を保ち、市場でのシェアを拡大することができます。

また、特許を他の企業と共同で利用することも一つの戦略です。これにより、複数の企業が協力して新しい製品を開発し、市場に投入することができます。
さらに、特許をライセンスして、他の企業にその技術を利用させることで、安定した収益を得ることができます。

最後に、特許を売却することで、発明者は新しいプロジェクトに集中することができます。
特許の売却によって得られた資金を活用して、新しい技術やアイデアを開発するためのリソースを確保することができます。

うまく特許活用を行うために、IPmarket(IPマーケット)の活用をしてみるのはいいかもしれません。

まとめ

特許はただ取得して保有するだけでなく、売却やライセンスを通じて有効活用することで、さらに多くの利益を得ることができる貴重な資産です。
特許を売却することで、発明者はまとまった収益を得ることができ、製品化のリスクを回避し、新しいプロジェクトに集中することができます。
また、特許のライセンス契約においては、「25%ルール」などの考え方を理解し、適正なロイヤリティを設定することが重要です。

このように、特許をうまく活用することで、発明者や企業はその技術を社会に広め、多くの人々に貢献することができます。

特許の売却やライセンス契約を通じて、新しい価値を生み出し、未来のイノベーションを促進していきましょう。


ライター

+VISION編集部

普段からメディアを運営する上で、特許活用やマーケティング、商品開発に関する情報に触れる機会が多い編集スタッフが順に気になったテーマで執筆しています。

好きなテーマは、#特許 #IT #AIなど新しいもが多めです。




Latest Posts 新着記事

知財分析に地殻変動:Patentfieldが中韓データ標準化を実現

はじめに 企業がグローバル市場で競争力を維持・強化するうえで、知的財産(IP:Intellectual Property)の戦略的な活用は欠かせません。特許情報の分析は、新たな事業機会の発見、研究開発の方向性決定、競合の動向把握など、多様な意思決定の根拠となります。その中で、知財分析プラットフォームとして多くの企業や研究機関に支持されてきた「Patentfield(パテントフィールド)」が、このた...

iPhoneの次はこれ?アップルが仕掛けるAIウェアラブル革命

2025年5月、米Apple(アップル)が出願した新しい特許資料が公開され、テック業界やウェアラブル技術の未来に関心を持つ多くの人々の間で話題となっている。その内容は、従来のスマートウォッチやARグラスの枠を超える、まさに「身体拡張」と呼ぶにふさわしい次世代のAIウェアラブルデバイスに関するものだった。 本稿では、特許から読み取れるデバイスの可能性、他社動向との比較、そしてアップルが目指すであろう...

エーザイ、レンビマ特許訴訟に勝訴 知財強化で収益基盤を防衛

2024年3月、日本の製薬大手エーザイ株式会社は、同社が開発・販売する抗がん剤「レンビマ(一般名:レンバチニブ)」に関する米国での特許侵害訴訟において、インドの大手後発医薬品メーカーであるサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ(Sun Pharmaceutical Industries Ltd.)との間で和解に至ったことを発表した。この訴訟での勝訴は、単なる一製薬企業の勝利にとどまらず、国...

「宇宙旅行OS」が誕生──スペースデータ、次世代ステーション統合特許を取得

2025年、宇宙ビジネスのフロンティアを牽引する日本企業「スペースデータ株式会社」が、宇宙ステーションの統合管理から宇宙旅行の予約・運用システムに至るまでを包括的にカバーする特許を取得した。これは単なる技術的成果にとどまらず、宇宙産業全体の未来像を方向づけるマイルストーンとなり得る重要な出来事である。 本コラムでは、スペースデータ社の取得した特許の概要、技術的・社会的な意義、そしてそこから見えてく...

ステランティス、ブラジルで特許出願急増 3倍増で革新の最前線へ

2024年、ステランティスはブラジルにおいて目覚ましい成果を収めた。特許出願数が前年比で3倍に達し、国内企業としては第3位という快挙を成し遂げたのである。これは単なる数字の増加ではなく、同社が南米、特にブラジルを次世代モビリティの技術革新の中核と位置づけ、グローバルな戦略拠点として本格的に機能させ始めていることを示す重要な指標だ。 ブラジルでの研究開発強化 ステランティスが急速に特許出願数を増やし...

知財リノベーション:老舗企業に求められる特許戦略の転換

はじめに:増え続ける「数」の先にあるもの 日本は長年にわたり、技術立国として数多くの特許を生み出してきた。特に1980年代から1990年代にかけては「知財大国」として世界を牽引していたが、21世紀に入り、特許出願件数が急増する一方で、その“質”への懸念が深まっている。いま、企業は単なる特許の“数”ではなく、社会的価値や経済的インパクトを持つ“質”を問われる時代に突入しているのだ。 この流れの中で、...

知財戦略の先に未来がある ― IT企業の特許から見る国際競争力

近年、IT業界のグローバル競争は激化の一途をたどっている。GAFAを筆頭に、中国BAT(Baidu, Alibaba, Tencent)や新興のスタートアップが覇権を争う中、各社がグローバル市場での競争優位を築くために重視しているのが「知的財産」、特に「特許」である。特許は単なる技術の保護にとどまらず、国際戦略の可視化、競合排除、M&Aの交渉材料としても機能する。各社がどの分野にどのような...

ジェネリックに逆風?東レ新薬が特許侵害で沢井製薬に大勝利

2025年5月、知的財産高等裁判所(知財高裁)は、東レ株式会社が起こした特許権侵害訴訟において、沢井製薬株式会社をはじめとするジェネリック医薬品メーカーに対して、217億円の損害賠償を命じる判決を下した。このニュースは製薬業界関係者を驚かせるとともに、日本の知財制度と医薬品政策のあり方について、改めて深い議論を呼び起こす契機となっている。 本稿では、この判決の背景、判決が意味するもの、そして今後の...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る