特許は売買可能!その売却金額とかかる料金


突然ですが、知的財産「特許・意匠・商標」が売買できることを、ご存じでしょうか?

知的財産は自分のアイデアを権利として守ってくれる法律であり、基本的には独占可能といわれています。主に模倣を防ぐための権利です。

そんな知的財産、近年では商品を販売する時に「特許取得の商品!」という文言をよく目にするとも増えていると思いますが、「特許取得」と言われると、何だか凄い商品と印象を受ける人も多いのではないでしょうか?

実はそんな「特許・知的財産」は権利自体を売ることもできるし、買うこともできるんです!今回は、”特許の売買”について解説します。

CONTENTS LIST


特許売買とその料金について

特許って売るとすごく高い値段で売れそうなイメージですよね?

特にニュースや書籍で目にするのは、何億円もの金額の権利収入だったり、不労所得だってり、インパクトの強い金額を目にする機会が多いと思います。

しかし、実際には高額取引だけではなく、活用しやすい条件での取引も多く存在します。

私が実際に特許を2件売却した時の金額は、1件は数百万、もう1件は数千万で売却しました。

ジャンルや契約条件にもよるので、一概には言えませんが特許を売った時に知人の弁理士からは「いい評価をしてもらった方」と教えてもらったので、平均以上だったと思われます。

その後、色々とリサーチしていると、下記のような金額が平均的なようです。
・契約金として数十万円+ロイヤリティとして2%~4%
・特許を売買する場合、数百万~数千万円

もちろん、重要な発明や素晴らしい技術には億単位も当然あるので、夢るある世界だと言えるのではないでしょうか。

特許売買の方法

でも、特許ってどうやって売るの?どうやって買うの?と思いますよね。権利や権利者によって、様々な方法があると思いますが、大きく2つの方法が考えられます。

一つは、「自分で営業」です。

このアイディアを使ってほしい!と思うような企業や相手に対して、説明資料作成して自分自身で積極的にアプローチをします。

私が売却した2件はどちらもこの方法です。「この企業が権利を活用したら、もっとよくなりそう」そんなイメージを持つことが大事だと思います。

二つ目は、特許売買可能なプラットフォームを利用する方法です。

特許を売りたい権利者と、特許を活用したい企業や起業家などをマッチングされるようなサイトがいくつか存在します。

売りたい権利者は保有している特許の情報を登録します。活用したい側は、これから必要としている技術を探し出し、権利者へアプローチを行います。

特許売買可能なプラットフォーム

プラットフォームとしては大きく3サービスありますが、まずは、日本で最も有名でしょうか、独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営するサービスです。

特許庁と連携しており、ほぼ行政のサービスと考えていいのではないでしょうか?

INPT 特許開放データベース

独立行政法人工業所有権情報・研修館が公開している、開放された特許を検索することができるデータベースです。

<料金について>
プラットフォームの使用料金についてはかかりません。かかるのは、その特許を買う場合、売る場合に発生する専門家などの諸経費になります。

INPT(https://www.inpit.go.jp/

IPマーケット®(アイピーマーケット)

+VISIONを運営している白紙とロックが提供するプラットフォームIPマーケット(アイピーマーケット)®。

より知財を身近に感じてわかりやすく提供したいという思いから、イラストやAIを駆使した解説で、複雑な特許情報をわかりやすく解説されていたり、専門家による動画解説や4コマ漫画を含む、学習と理解を助けるコンテンツを豊富に提供されています。

<料金について>
通常は月額9,800円で使い放題。
現在はβ版リリースに伴い無料閲覧が可能。
この機会に使用してみてはいかがでしょうか?

IPマーケット((https://ipmarket.jp/

IPwe

海外最大級の特許評価及び特許売買プラットフォームです。

日本へは正式な参入は現時点ではないですが、特許評価の精密度から、東芝デジタルソリューションズやデトロイト トーマツと協業し、近年の日本での知的財産の注目度アップに伴い、少しずつ日本進出がされています。

<料金について>
IPweでは、スマートプールという知財のライセンス契約を結ぶプランがあり$500~&225,000 までのプランが用意されています。

IPwe(https://ipwe.com/


ライター

+VISION編集部

普段からメディアを運営する上で、特許活用やマーケティング、商品開発に関する情報に触れる機会が多い編集スタッフが順に気になったテーマで執筆しています。

好きなテーマは、#特許 #IT #AIなど新しいもが多めです。




Latest Posts 新着記事

​OpenAIの特許分析:技術戦略と知財の未来

はじめに OpenAIは、人工知能(AI)分野で最も注目される企業の一つであり、自然言語処理(NLP)を中心とした生成AIの開発で世界をリードしています。その代表作であるGPTシリーズは、テキスト生成能力の精度を飛躍的に向上させ、様々な分野での応用が広がっています。 OpenAIの技術開発は、特許出願と密接に関係しており、その内容を分析することで同社の技術戦略や今後の展望を推測することができます。...

ウイスキーの小分け販売は商標権侵害になるのか?—法的リスクと実務対応

はじめに 近年、ウイスキーの需要が高まり、特に高級ウイスキーや限定品が投資対象としても注目されています。その一方で、ウイスキーの「小分け販売」が問題視されるケースが出てきています。例えば、ボトル単位で販売されるはずのウイスキーを小さな容器に移し替えて販売する行為は、商標権侵害にあたるのでしょうか? 本コラムでは、ウイスキーの小分け販売が商標権に与える影響を考察し、関連する判例や法律を交えながら、実...

中国、国際特許出願数で首位を維持──知財戦略と今後の展望

はじめに 中国は近年、国際特許出願件数で世界のトップを維持し続けています。2023年の統計によると、世界全体の特許出願の約46.2%が中国からのものであり、164万件を超える出願が行われました。これは他国を大きく引き離す数字であり、中国が技術革新と知的財産の保護において世界的なリーダーシップを発揮していることを示しています。 中国が国際特許出願数で首位に立ったのは2019年ですが、それ以来、その地...

Switchユーザー歓喜!特許から判明した「Switch 2」の驚きの新機能とは?

Nintendo Switchは、発売以来多くのゲーマーに愛され、携帯機と据え置き機のハイブリッドとして独自の地位を築いてきました。そして、次世代機「Nintendo Switch 2」に関する特許情報が明らかになり、新たな機能の存在が期待されています。本記事では、特許から判明したSwitch 2の新機能を詳しく解説し、どのようにゲーム体験が向上するのかを考察します。 Joy-Conがマウスとして...

「設立20年の知財高裁が初判決を下した『一太郎』事件 ー ビジネスに与える影響とその意義

知的財産(知財)に関する訴訟の中で、企業活動や市場に与える影響が大きいのは、特に特許、著作権、商標などに関連した裁判です。これらの問題は、企業の競争力やブランド価値に直結し、その結果としてビジネス戦略に多大な影響を与える可能性があります。その中でも、知的財産に関する判決の専門的な処理を担っているのが、「知的財産高等裁判所(知財高裁)」です。 設立から20年を迎えた知財高裁は、これまでに多くの重要な...

あおもりプロテオグリカンの新たな可能性:花粉症抑制への挑戦

青森県は、その豊かな自然と特産品で知られていますが、近年、新たな健康素材として注目を集めているのが「あおもりプロテオグリカン(PG)」です。プロテオグリカンは、細胞外マトリクスの主要成分であり、皮膚や軟骨などに存在し、高い保水性と柔軟性を持つクッションのような役割を果たしています。  プロテオグリカンの発見と抽出技術の革新 プロテオグリカンは、プロテイン(たんぱく質)とグリカン(多糖)の複合語であ...

韓国の脱毛化粧品特許出願が世界最大の理由とその背景

近年、美容・パーソナルケア市場において、脱毛関連製品の需要が急速に拡大している。特に、韓国における脱毛化粧品の特許出願が2002年から2023年までの22年間で世界最大の比重を占めていることが明らかとなった。この背景には、韓国の美容文化の変遷、研究開発の強化、政府の知的財産政策、そしてグローバル市場への進出戦略が関係している。本稿では、韓国が脱毛化粧品の特許出願で世界をリードする要因を探り、その影...

トヨタ「ランクルミニ」登場間近?「ランドクルーザーFJ」商標取得で期待高まる

2025年、トヨタの自動車市場に新たな波が訪れるかもしれません。特に注目されているのは、同社のランドクルーザーシリーズに新たに加わる可能性がある「新型ランクルミニ」の登場です。この新型車の登場を示唆する証拠として、「ランドクルーザーFJ」の商標取得が報じられています。この商標が何を意味しているのか、そして新型車がどのようなコンセプトで登場するのかについて、あらゆる観点から考察していきます。 1.ラ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

大学発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る