中国の大学が「海底ケーブル切断装置」の特許を出願、世界的な安全保障上の懸念が高まる

中国の沿岸部に位置する麗水大学の研究チームが、海底ケーブル切断装置の特許を出願していたことが明らかとなりました。この事実は、近年相次ぐ海底ケーブル切断事案との関連性について、新たな懸念を引き起こすものです。

麗水大学による特許の詳細

麗水大学の研究チーム（Zhang Shusen、Dai Ying、Fu Changrong、Gao Zikun、Li Xuping、Ji Guangyao）は、2020年に「引きずり型海底ケーブル切断装置」の特許を出願しました。この装置は、従来の複雑なケーブル切断作業を効率化することを目的としています。

この装置の特徴は、アンカー部分に付着する銅の残留物を検査することで、切断の成否を迅速に確認できる点です。また、この技術は、海底通信ケーブルの主要な導電材料である銅に基づいています。

過去の関連技術と背景

2009年には中国国家海洋局のエンジニアチームが類似の特許を申請しており、この技術が麗水大学の発明の基礎となったと見られています。これらの技術は、違法ケーブルの破壊を目的として開発されました。

国際安全保障上の懸念

海底ケーブル損傷事案が世界各地で相次いでおり、中国船舶が関与している可能性が指摘されています。例えば、2025年1月に発生したTrans-Pacific Express Cable Systemの切断事案では、中国の貨物船が疑われています。

これらの事案について専門家たちは、「中国がハイブリッド型の脅威作戦を実行する能力と動機を持っている」と警告しています。

今後の対応と提言

専門家たちは、NATOとの協議メカニズム強化や監視体制の向上など、国際社会の連携が必要だと訴えています。また、海底ケーブルの保護を強化するための海軍ドローン開発が進行中ですが、完全な保護体制の確立には時間を要する見込みです。