サムスン電子元副社長が特許訴訟提起で起訴


サムスン電子の特許技術を持ち出し、米国の裁判所でサムスン電子を相手取り特許侵害訴訟を起こした元サムスン電子副社長が6月18日に起訴されました。ソウル中央地検情報技術犯罪捜査部は、安昇晧(アン・スンホ)元サムスン電子副社長(IPセンター長)を不正競争防止と営業秘密保護法違反などの容疑で身柄を拘束し起訴しました。また、安元副社長に内部機密を漏洩したサムスン電子知的財産権(IP)チームの社員も同じ容疑で起訴されました。

事件の背景

安元副社長は2019年7月にサムスン電子IPセンター長を最後に退社しました。その後、特許管理企業「シナジーIP」を設立し、今回起訴された社員から機密資料の提供を受け、これを基に米国でサムスンを相手に訴訟を行いました。検察の調べの結果、安元副社長は投資家を募集して訴訟費用を調達したことが判明しました。検察は「退社直後に特許管理企業を作り、サムスンを相手に巨額の合意金(9000万ドル)を要求した」と述べています。

訴訟の経過と結果

安元副社長が介入したサムスン電子を相手にした訴訟は、米テキサス東部地裁が最近再訴を認めず棄却し、結果的に失敗に終わりました。米裁判所は、韓国検察の捜査結果に基づいて、安元副社長がサムスン電子の内部資料を訴訟に利用した事実を認め、「不正直で不公正で法治主義に反する嫌悪すべき行為」として厳しく非難しました。

韓国検察の捜査と証拠

韓国検察は事件関係先を家宅捜索し、彼らの犯行を立証する決定的物証を確保しました。安元副社長と社員ら4人を起訴し、この過程で彼らが内部報告書を取得して訴訟に利用した事実を確認しました。これにより、サムスン電子の特許を守る業務を担当しながら、退社後には特許を媒介にサムスン電子を脅した形となります。

今回の事件は、企業の知的財産の保護と不正競争防止の重要性を再認識させるものとなっています。企業内部での機密情報の管理体制を強化し、従業員による情報漏洩を防ぐ対策が急務です。また、特許技術の持ち出しや不正利用に対する法的措置の厳格化が求められています。

安元副社長とその共犯者に対する裁判の行方が注目されており、今後の捜査結果や判決が待たれます。企業は自社の知的財産を守るため、内部監視とコンプライアンスの強化を図る必要があります。


Latest Posts 新着記事

プレーも快適、運営もスマート アクロディアがゴルフ場向け表示特許を獲得!

株式会社WHDCアクロディア(以下、アクロディア)は、2025年8月、ゴルフ場利用者の利便性向上と運営効率の改善を目的とした「ゴルフ場向け表示技術」に関する特許を正式に取得したと発表した。本特許は、スポーツ×IT領域における同社の知的財産ポートフォリオをさらに強化するものであり、今後の事業展開において大きな推進力となることが期待されている。 特許取得の背景 近年、スポーツ業界全体でDX(デジタルト...

日立・川崎・シーメンスに学ぶ ― 鉄道AI活用と特許戦略の最前線

1. ライフサイクル全体を貫く「予知×最適化×自律化」 AIの主戦場は、(1)予知保全(異常検知・故障予測)、(2)工程最適化(生産・点検・要員配置)、(3)自律化(画像・3D認識による自動検査/警報)に集約されます。2024~2025年にかけては、クラウド/エッジ連携とデジタルツインの普及で「1拠点PoC」から「複数拠点・他社路線展開」へ局面が移りました。特にNVIDIA系スタック(Jetson...

菱ガス化、CO₂から未来を創る ― メタノール製造特許で描くカーボンニュートラルの道

世界的に脱炭素化の潮流が加速する中、石油・天然ガスに依存しない新たな化学品製造プロセスの確立は、日本をはじめとするエネルギー輸入国にとって喫緊の課題となっている。その中で、菱ガス化(仮称)は近年、「メタノール製造方法」に関する複数の特許出願・取得を通じて、次世代の化学原料製造に挑戦している。本稿では、同社の技術的背景と特許の特徴、さらに業界全体における位置づけについて詳しく見ていきたい。 メタノー...

キヤノン参戦!? 新特許が示す“シネマ級スマホ”の衝撃

世界的なカメラメーカーであるキヤノンが、ついにスマートフォン市場へ参入するのではないか―そんな観測が特許情報をきっかけに広がっている。これまでカメラ業界をけん引してきた同社がもしスマホ分野に本格的に乗り出すとすれば、その意味は非常に大きい。単なる「カメラが強いスマホ」ではなく、映画撮影レベルの表現力を一般消費者の手のひらに届ける可能性があるからだ。ここでは、新たに明らかになった特許の内容や、カメラ...

高精細×省電力を両立 半導体エネ研の酸化物半導体特許が拓く未来

近年、スマートフォンやタブレットに加え、テレビやパソコン用ディスプレイ、さらには車載ディスプレイに至るまで「大画面化」の潮流が加速している。高精細かつ省電力を両立したディスプレイが求められる中、バックプレーン技術の要となる半導体材料として、酸化物半導体が再び注目を浴びている。 こうした状況下で、半導体エネルギー研究所(半導体エネ研)が、大画面パネル向けの酸化物半導体技術に関する新たな特許を取得した...

I-ne、東大と共同で「化粧品用マイクロニードル技術」を特許出願 株価後場に上昇

化粧品ブランド「BOTANIST」や「YOLU」を展開するI-ne(アイエヌイー、東証グロース上場)は、東京大学との共同研究の成果として「新規化粧品用途におけるマイクロニードル技術」を特許出願したことを明らかにした。この発表を受け、同社株は後場に入り上げ幅を拡大。投資家からは「技術力の裏付けとなる知財戦略が進展した」との評価が寄せられている。 ■ マイクロニードル技術とは何か マイクロニードルとは...

EV急速充電の主導権争い シリコン負極材で韓国勢が優位に

電気自動車(EV)の普及において最大の課題の一つが「充電時間」である。ガソリン車に比べて充電に時間がかかることは、ユーザー体験を損ねる要因となってきた。しかし近年、バッテリー技術の革新、とりわけ「シリコン系負極材」の実用化が進むことで、急速充電の実現に大きな期待が寄せられている。こうした中、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)やSKオンが、関連する特許ポートフォリオの拡充によって、中国最大...

知財で支える防災社会──特許技術がもたらす安全と創意

知財を活用して防災を支える技術と創意の力 私たちの生活は、地震、台風、豪雨、火山噴火といった自然災害の影響を受けやすい環境にあります。災害によって命や財産が脅かされるだけでなく、社会インフラや経済活動にも大きな影響を与えます。こうした脅威に備えるためには、防災技術の開発や迅速な対応が不可欠ですが、近年では「知的財産(知財)」の活用が防災力向上に大きく寄与することが注目されています。 特許技術が支え...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る