ワールドスキャンプロジェクト、深海や地中に眠る金属を探知するドローン搭載センサを開発~特許出願


ドローン、センサ、ブロックチェーン開発などを行う株式会社ワールドスキャンプロジェクト(本社:東京都新宿区 代表:上瀧 良平)は、磁界の存在を検出し、磁場の強度と方向を測定するためのリモートセンサ「JIKAI」を開発したことを、24年3月28日プレスリリースで公表した。この「JIKAI」は、従来では困難とされていたドローンなどの移動体に搭載した状態での高品質な磁場計測を実現するとしている。

従来の金属探知センサは、オフセット(強力な磁石などを近づけた前後でゼロ点がずれてしまう現象)による信頼性の有無と、ノイズによる信号雑音比(S/N比)のレベルがこれまでの大きな課題だった。例えば、手持ちでの探査では、対象物の近くで計測する必要があり、データ品質を維持するためにセンサの姿勢が大きく変わらないような工夫が必要だった。

さらに、ドローンに搭載する場合も、高度0.5m程度の低空飛行が推奨され、センサ自体の重量・サイズから大型ドローンにしか搭載できないという問題も残されていた。

JIKAIはこれらの問題を解決する。JIKAIは、重さ約1kgほどの小型ドローンにも搭載することが可能で、採用されている独自開発した検出技術は、姿勢変化が大きいドローンにおいても優れたパフォーマンスを発揮します(特許出願済)。

既に、磁化された直径20mm、長さ0.5mの鉄棒(500ポンド爆弾相当)を探索対象とした模擬試験では、従来製品は7mの検知距離だったところ、開発品は20m以上の検知距離を実現している。検知距離性能向上によって、地表近くでの運用といった制約がなくなり、安全で効率的な探査が可能となる。また、水深1000m以深の観測に成功しており、地球最深部調査への対応も可能だとしている。

このJIKAIの活用が見込まれる分野においては、宇宙空間には多数のアステロイド(小惑星)が存在し、地球上で採掘するのが困難かつ貴重な資源が含まれてる。これらの資源を採掘する「アステロイドマイニング」について、枯渇しつつある地球上の資源に代わる新たな資源を採掘する方法として期待されており、アステロイドマイニングは、探査中に資源量を見定めることが重要でありJIKAIは高品質な資源量探査に活用できるとされている。

さらに地雷や機雷の探査において、世界中の地雷や機雷を検知し、完全撤去をサポート。また、世界中の考古学などの探査での活用をはじめ、海中の沈没船や埋没してしまっている遺物などの発見ソリューションとしても活用できる。 その他、産業用センシング、医療応用、宇宙航空用途、セキュリティなど幅広い活用が見込まれている。


Latest Posts 新着記事

プレーも快適、運営もスマート アクロディアがゴルフ場向け表示特許を獲得!

株式会社WHDCアクロディア(以下、アクロディア)は、2025年8月、ゴルフ場利用者の利便性向上と運営効率の改善を目的とした「ゴルフ場向け表示技術」に関する特許を正式に取得したと発表した。本特許は、スポーツ×IT領域における同社の知的財産ポートフォリオをさらに強化するものであり、今後の事業展開において大きな推進力となることが期待されている。 特許取得の背景 近年、スポーツ業界全体でDX(デジタルト...

日立・川崎・シーメンスに学ぶ ― 鉄道AI活用と特許戦略の最前線

1. ライフサイクル全体を貫く「予知×最適化×自律化」 AIの主戦場は、(1)予知保全(異常検知・故障予測)、(2)工程最適化(生産・点検・要員配置)、(3)自律化(画像・3D認識による自動検査/警報)に集約されます。2024~2025年にかけては、クラウド/エッジ連携とデジタルツインの普及で「1拠点PoC」から「複数拠点・他社路線展開」へ局面が移りました。特にNVIDIA系スタック(Jetson...

菱ガス化、CO₂から未来を創る ― メタノール製造特許で描くカーボンニュートラルの道

世界的に脱炭素化の潮流が加速する中、石油・天然ガスに依存しない新たな化学品製造プロセスの確立は、日本をはじめとするエネルギー輸入国にとって喫緊の課題となっている。その中で、菱ガス化(仮称)は近年、「メタノール製造方法」に関する複数の特許出願・取得を通じて、次世代の化学原料製造に挑戦している。本稿では、同社の技術的背景と特許の特徴、さらに業界全体における位置づけについて詳しく見ていきたい。 メタノー...

キヤノン参戦!? 新特許が示す“シネマ級スマホ”の衝撃

世界的なカメラメーカーであるキヤノンが、ついにスマートフォン市場へ参入するのではないか―そんな観測が特許情報をきっかけに広がっている。これまでカメラ業界をけん引してきた同社がもしスマホ分野に本格的に乗り出すとすれば、その意味は非常に大きい。単なる「カメラが強いスマホ」ではなく、映画撮影レベルの表現力を一般消費者の手のひらに届ける可能性があるからだ。ここでは、新たに明らかになった特許の内容や、カメラ...

高精細×省電力を両立 半導体エネ研の酸化物半導体特許が拓く未来

近年、スマートフォンやタブレットに加え、テレビやパソコン用ディスプレイ、さらには車載ディスプレイに至るまで「大画面化」の潮流が加速している。高精細かつ省電力を両立したディスプレイが求められる中、バックプレーン技術の要となる半導体材料として、酸化物半導体が再び注目を浴びている。 こうした状況下で、半導体エネルギー研究所(半導体エネ研)が、大画面パネル向けの酸化物半導体技術に関する新たな特許を取得した...

I-ne、東大と共同で「化粧品用マイクロニードル技術」を特許出願 株価後場に上昇

化粧品ブランド「BOTANIST」や「YOLU」を展開するI-ne(アイエヌイー、東証グロース上場)は、東京大学との共同研究の成果として「新規化粧品用途におけるマイクロニードル技術」を特許出願したことを明らかにした。この発表を受け、同社株は後場に入り上げ幅を拡大。投資家からは「技術力の裏付けとなる知財戦略が進展した」との評価が寄せられている。 ■ マイクロニードル技術とは何か マイクロニードルとは...

EV急速充電の主導権争い シリコン負極材で韓国勢が優位に

電気自動車(EV)の普及において最大の課題の一つが「充電時間」である。ガソリン車に比べて充電に時間がかかることは、ユーザー体験を損ねる要因となってきた。しかし近年、バッテリー技術の革新、とりわけ「シリコン系負極材」の実用化が進むことで、急速充電の実現に大きな期待が寄せられている。こうした中、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)やSKオンが、関連する特許ポートフォリオの拡充によって、中国最大...

知財で支える防災社会──特許技術がもたらす安全と創意

知財を活用して防災を支える技術と創意の力 私たちの生活は、地震、台風、豪雨、火山噴火といった自然災害の影響を受けやすい環境にあります。災害によって命や財産が脅かされるだけでなく、社会インフラや経済活動にも大きな影響を与えます。こうした脅威に備えるためには、防災技術の開発や迅速な対応が不可欠ですが、近年では「知的財産(知財)」の活用が防災力向上に大きく寄与することが注目されています。 特許技術が支え...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る