エピクロノス株式会社、未来の健康管理を変革する日本人に最適化された生物学的年齢の計算方法で特許取得


岩手医科大学から誕生し、アンチエイジングとパーソナライズドヘルスケアの最前線を切り拓くエピクロノス株式会社(本社:東京都品特 代表: 清水厚志)は、同社の清水ら岩手医科大学医歯薬総合研究所生体情報解析部門のメンバーなどによる、生物学的年齢の計算方法および老化状態の評価方法を核とした特許取得したことを、24年4月5日プレスリリースで公表した。

この特許は、日本人に最適化された、DNAメチル化(エピゲノム)を基にした生物学的年齢の計算方法を革新するものであり、国際医学誌のThe Lancet Healthy Longevity にも掲載された医学的にも学術的にも確かなものとなる。

今回特許が成立した清水らの技術は、個々のDNAメチル化パターンを詳細に分析し、精確に個人の生物学的年齢を推定する方法を提供するもので、特許には、215から235個のCpGサイトを選択し、これらのサイトのメチル化状態を分析することで、個人の健康状態や老化の進度を評価する技術が含まれている。この技術は、日本人の生物学的年齢と老化プロセスの理解を深めることで、未来の医療や健康管理に革命をもたらす可能性があるとしている。

同社は、岩手医科大学医歯薬総合研究所生体情報解析部門に所属している清水厚志教授を中心に、東北メディカル・メガバンク(TMM)計画における画期的な研究成果を岩手医科大学発ベンチャー企業として社会に実装することを目指して設立された。

本特許の取得は、その使命遂行における重要な一歩であり、日本人特有のDNAメチル化パターンに基づき、生物学的年齢を計算する新しい方法を提供するものとしている。

DNAメチル化年齢推定法は、生活習慣や環境暴露によるDNAのメチル化状態を測定することで、個人の生物学的年齢を推定する。これまで欧米中心に開発されてきた推定法とは異なり、日本人に特化したエピゲノム年齢推定法を開発し、個人の老化状態の評価に新たな基準を提供する。

この特許技術は、健康寿命の延伸にも寄与し、生物学的年齢の精確な計測により、個人が直面している老化のリスクを早期に把握し、生活習慣の改善や適切な予防措置を講じることができるようになり、このようにして同社は、個人の健康管理と疾患予防に新たな視点を提供し、人々の健康と幸福に寄与することを目指すとしている。

図:特許取得した方法で血液から計算したDNAメチル化年齢(a)、およびDNAメチル化年齢加速(b)

特許概要

【特許番号】特許第7442221号(P7442221)
【登録日】令和6年2月22日(2024.2.22)
【発明の名称】生物学的年齢の計算方法、老化状態の評価方法、CpGサイトの評価方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体
【特許権者】 【氏名又は名称】学校法人 岩手医科大学
【発明者】 【氏名】小巻 翔平  清水 厚志  八谷 剛史

【要約】【課題】本発明は、生物学的年齢の新規な計算方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかる生物学的年齢の計算方法は、個人の生物学的年齢の計算方法であって、個人から得られた細胞集団のゲノムにおいて、表1に記載の1~235番の染色体の位置のDNAにあるCpGサイトのうち、(1)215個以上235個以下のCpGサイトを選択するか、または
(2)235個のCpGサイトに、ランダムに選択された1~3個のCpGサイトを追加することによって、
CpGサイトのプールを作る工程と、前記プールのCpGサイトのメチル化を調べ、前記プールのCpGサイトの各々におけるメチル化率を算出する工程と、下記数式を用いて、前記個人の生物学的年齢を計算する工程と、

【数1】

(ただし、t=79~85であり、DNAmnは、表1に記載のn番の染色体の位置のDNAにあるCpGサイトのメチル化率を示し、Cnは、表1に記載のn番の染色体の位置に対する係数の50%~150%にある値を示す。)を含む、計算方法である。


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