ニコリオ、「ラクビプレミアム」で腸内環境改善に関する新特許取得 独自性と競争力を強化


2025年、株式会社ニコリオは、同社の主力サプリメント「ラクビプレミアム」に関連する新たな特許を取得した。この特許は、腸内環境の改善に関する有効成分の組成およびその摂取方法に関するものであり、健康食品市場における同社製品の独自性と競争優位性をさらに強化することが期待されている。本稿では、今回の特許取得に至った背景、ラクビプレミアムの特長、そして今後の展望について詳述する。

■腸内環境と健康の関係:現代人の課題に応える

現代人の生活習慣は多忙かつ不規則になりがちであり、食生活の偏りや運動不足、ストレスの蓄積により、腸内環境の悪化が深刻な健康リスクの一因とされている。腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスが崩れると、便秘や下痢といった消化器系の問題だけでなく、免疫力の低下、アレルギー症状、さらにはメンタルヘルスにも影響を及ぼすとされている。

腸は「第二の脳」とも称され、身体全体の健康維持において極めて重要な役割を担っている。そのため、腸内環境の改善を図る食品やサプリメントのニーズは年々高まっており、プロバイオティクス(有用菌)やプレバイオティクス(有用菌のエサ)、シンバイオティクス(その両方を含む組み合わせ製品)といった市場が急成長を遂げている。

■「ラクビプレミアム」の開発経緯と独自性

ニコリオは、腸内フローラに着目した製品開発を早期から進めてきた企業の一つであり、なかでも「ラクビ」シリーズは、同社のブランドを代表する主力製品群として多くのユーザーから支持を得ている。

「ラクビプレミアム」は、従来の「ラクビ」シリーズを進化させた上位モデルとして、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など多様な善玉菌に加え、オリゴ糖、難消化性デキストリンといったプレバイオティクス成分をバランスよく配合。加えて、特殊カプセル技術を採用し、胃酸などの消化環境を乗り越えて腸まで有効成分を確実に届ける工夫が施されている。

今回の特許取得により、こうした独自の配合技術や製剤構造が科学的に裏付けられた形となり、消費者への安心感と製品の信頼性が大きく高まることとなる。

■新特許の技術的内容と意義

今回取得された特許(特許番号:非公開)は、「特定の有用菌とプレバイオティクスの配合比率および共存安定性に関する技術」に関連していると見られる。具体的には、有用菌の生存率を高めるための保護構造や、腸内での発現タイミングをコントロールする工夫が盛り込まれており、これにより腸内フローラの改善効果をより効率的に引き出せるという。

また、特許文献では、継続摂取による腸内環境への変化について、健常成人を対象とした臨床試験結果も添えられており、排便回数や便の性状改善、腹部膨満感の緩和などにおいて統計的有意差が確認された。これらのエビデンスは、同社が「科学に基づいた健康」を目指す姿勢を明確に示すものである。

■市場におけるポジショニングと今後の展開

国内の健康食品市場において、「腸活」はすでに主要なキーワードとなっており、多くの企業がプロバイオティクス製品を展開している。だが、菌の種類や数を単純に競う時代から、「効果的に届け、働かせる」技術の優劣が問われる段階へと進化している。

ニコリオの今回の特許取得は、まさにこの次世代の「腸活」競争における布石といえる。特許の取得は法的保護をもたらすのみならず、ブランド価値の向上や差別化戦略の中核となる。消費者から見ても、「特許技術採用」は製品選びの指標となることが多く、購入の動機づけに直結する重要な要素である。

また、同社は今回の特許技術を活用した新商品の展開や、海外市場での販売戦略も視野に入れており、今後の展開に期待が寄せられる。特に東南アジアや北米では、腸内フローラの改善に対する意識が高まっており、日本発の科学的根拠に基づいた製品が求められている状況だ。

■消費者と企業の未来をつなぐヘルステック

今回のニコリオによる特許取得は、単なる製品開発の成果にとどまらず、企業としての「健康価値創造」の姿勢を強く打ち出すものといえる。科学的根拠と独自性を兼ね備えた製品は、単なる「流行」に終わらず、継続的に支持されるための鍵となる。

ニコリオは今後も、「科学とテクノロジーで人々の健康を支える」という理念のもと、消費者の声に耳を傾けながら、持続可能な健康支援型ブランドとしての地位を確立していくことが求められる。

本特許の取得は、その大きな一歩となるに違いない。


Latest Posts 新着記事

「aiwa pen」誕生!端末を選ばない次世代タッチペン登場

株式会社アイワ(aiwa)は、ワコム株式会社が開発した先進的なAES(Active Electrostatic)方式の特許技術を搭載した新製品「aiwa pen(アイワペン)」を、2025年7月3日より全国の家電量販店およびオンラインショップにて販売開始したと発表しました。マルチプロトコル対応によって、Windows・Android・Chromebookなど様々な端末での利用を可能にし、使う端末を...

完全養殖ウナギ、商用化へ前進 水研機構とヤンマーが量産技術を特許化

絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの持続的な利用に向けた大きな一歩となる「完全養殖」技術の量産化が、いよいよ現実味を帯びてきた。国の研究機関である水産研究・教育機構(以下、水研機構)と、産業機械メーカーのヤンマーホールディングス(以下、ヤンマー)が共同で開発を進めてきたウナギの完全養殖技術について、両者が関連する特許を取得したことが明らかになった。 これにより、これまで不可能とされていたウナギ...

ミライズ英会話、AI活用の語学教材生成技術で特許取得 EdTech革新が加速

英会話スクール「ミライズ英会話」(運営:株式会社ミライズ、東京都渋谷区)は、AIを活用した「完全パーソナライズ語学教材自動生成技術」に関する特許を、2025年5月に日本国内で正式に取得したと発表した。この技術は、学習者一人ひとりの語学レベルや目的、学習傾向に応じて最適な学習教材をリアルタイムで生成・更新するという、従来にない革新的な仕組みである。 本技術の特許取得により、語学教育における個別最適化...

トランスGG、創薬支援で前進 エクソンヒト化マウスの特許が成立

株式会社トランスジェニック(以下、トランスGG)は、2025年6月、日本国内において「エクソンヒト化マウス」に関する特許が正式に成立したと発表した。本特許は、ヒト疾患の分子機構解析や創薬における薬効評価、毒性試験など、幅広い分野で活用が期待される次世代モデル動物に関するものであり、今後の創薬研究において大きなインパクトを与えるものとなる。 ■ エクソンヒト化マウスとは エクソンヒト化マウスは、マウ...

紙も繊維も“東レの特許にぶつかる”──業界を動かす知財の力とは?

繊維、紙、パルプ業界は、古くから日本の基幹産業の一つとして発展してきました。近年では、環境配慮型の製品開発や高機能素材の開発が加速し、技術競争の主戦場となっています。そんな中、特許という形で技術を押さえることの重要性がかつてないほど高まっており、「特許牽制力」すなわち他社の出願・権利化を妨げる力が、企業競争力の鍵を握る要素として注目されています。 2024年の業界分析において、特許牽制力で群を抜く...

万博で出会う、未来のヒント──“知財”がひらく可能性

2025年に開催される大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、世界中から最先端の技術、文化、アイデアが集まる祭典です。その中で、ひときわ注目を集めているのが「知的財産(知財)」をテーマにした展示や体験型イベント。普段は馴染みが薄いと感じがちな“知財”の世界を、子どもから大人まで誰もが楽しく学べる機会が広がっています。 知財とは?難しくない、でもとても大事なこと 「知的財産...

ロボットタクシーの現状|自動運転と特許

「ロボットタクシー」の実用化が世界各地で進んでいます。本コラムでは、その現状とメリット・問題点を簡潔にまとめ、特にロボットタクシーを支える特許に焦点を当てて、日本における実用化の可能性を考察してみます。 世界で進むロボットタクシーの実用化 ロボットタクシーの導入は、主に米国と中国で先行しています。 米国 Google系のWaymo(ウェイモ)は、アリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンフランシ...

6月に出願公開されたAppleの新技術〜顔料/染料レスのカラーマーキング 〜

はじめに 今回のコラムは、2025年6月19日に出願公開された、Appleの特許出願、「Electronic device with a colored marking(カラーマーキングを備えた電子デバイス)」について紹介します。   発明の名称:Electronic device with a colored marking 出願人名:Apple Inc.  公開日:2025年6月19...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

中小企業 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る