「光を利用した治療技術の実用化を促進し、これまで治療のできなかった患者さんに有効な治療法を提供する」ことを目指し、革新的な光治療用医療機器の研究開発を行う名古屋大学発ベンチャーのイルミメディカル株式会社(本社:愛知県名古屋市 代表:塚本俊彦)は、同社の技術の根幹となる特許取得領したことを、24年2月29日プレスリリースで公表した。
本発明は、血管内光照射デバイスによる血管内から血管外組織への光照射を「外部光源レス」で行うことを可能とする革新的プラットフォーム技術となるもので、従来、レーザー治療は大型かつ高価なレーザー光源搭載レーザー装置にて発生させたレーザー光を、光ファイバを用いて導光することで用いられてきた。
しかし、このシステムでは治療を行う病院においてレーザー装置導入のためのイニシャルコストがかかること、メンテナンスコストがかかること、レーザー装置設置に伴るスペース確保等の問題があり、加えて、現在、光治療・光診断用途としてアカデミア・事業会社において、多様な薬剤(光吸収性物質)の開発が行われいるが、薬剤の吸収波長が異なると、レーザー光源を変更する必要があるため、将来的に複数台のレーザー光源を導入する必要性があるなど、課題があった。
本発明の特許の権利化は、特に血管内から血管外組織の光照射技術による革新的医療の実用化とその普及を見据える同社にとって、大きなマイルストーンの1つとし、光治療は効果があっても、使い勝手やコスト面で普及の足かせになっていたと同社では認識しており、今回の発明は当社の技術を普及し、真のイノベーション実現に繋がると確信しており、自社、及び外部の共同開発先と連携し、さらなる技術開発を進めるとしている。
特許概要
【特許番号】特許第7336119号(P7336119)
【登録日】令和5年8月23日(2023.8.23)
【発明の名称】光照射デバイスおよび光照射システム
【特許権者】 【氏名又は名称】イルミメディカル株式会社
【発明者】 【氏名】塚本 俊彦 【氏名】佐藤 和秀
【要約】 光照射デバイス(2)は、長尺状である医療用の光照射デバイスであって、光源によって出射された光を先端部まで伝送する光ファイバ(210)を備える。光ファイバ(210)の先端部は、先端部が接続される基端部の軸方向に対して屈曲した屈曲部(220)に形成されている。光照射デバイス(2)は、光ファイバ(210)における屈曲部(220)の先端から光を出射することで、基端部の軸方向に交差する方向に光を出射する。
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