追手門学院大手前中・高等学校(大阪市中央区 校長:濵田賢治)は同校の中学生チームが昨年開発し、世界最大級の国際ロボットコンテスト「WRO(World Robot Olympiad)2022」で世界一となったアイデア。医師が処方した薬を画像で認識・分別し、必要な量と種類を患者に提供する「お薬管理ロボット」が実用新案権を取得したことを、23年12月12日プレスリリースで公表した。
12月18日に、日本弁理士会の担当者が来校し、ロボットを開発した古本美月さんと水谷風花さん(現在、いずれも高校1年生)に実用新案登録証が手渡された。
「心に寄り添うお薬管理ロボット『Pal』」は、少子高齢化や核家族化を背景に、医療支援を目的として開発された。必要な錠剤薬の種類や数を登録し、包装された状態で挿入口に入れると、AI搭載のカメラが識別しアームが必要分を包装から押し出して薬を提供するもの。また、患者の音声を認識して、健康状態を家族や医師に知らせる機能を備えているのも特徴だ。
このうち、実用新案権として認められたのは「錠剤を取り出す装置」のアイデア。生徒らは、錠剤を真上から均等に力を加えて押し出すよりも、斜めから押し出した方が、少ない力で取り出すことができることを発見し、アームの動作機構に組み込んだことが評価された。
今回の権利化は日本弁理士会の助言によるもので、ちょっとしたアイデアが特許、実用新案登録に繋がることで、若者の発明への関心を高めていきたいという狙いがある。古本さん、水谷さんは「試行錯誤したアイデアが権利として認められて嬉しい。」と話している。
ロボットサイエンス部は昨年11月にパナマで開催された「WRO2023」でも、世界85ケ国の代表が集う中で8位に入賞している。今後もロボット開発を通じて、社会課題解決への貢献を目指すとしている。
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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