GMOメディア、成長するオンライン決済におけるクレジットカードの利用促進に関する特許を取得


GMOインターネットグループのGMOメディア株式会社(本社:東京都渋谷区 代表:森 輝幸)は、クレジットカード番号に基づく特典付与システムの特許を取得したことを、23年12月11日プレスリリースで公表した。

本特許技術は、利用者がオンラインサイトで決済時に使用したクレジットカード番号を自動で識別することで、クレジットカード会社が設定した特定のオンラインサービス(決済)のユーザーに対して金額に応じたポイントを付与することができるというもの。

この技術により、クレジットカード会社は簡単かつ即時に、特定のオンラインサービス(決済)に対しポイント付与をすることが可能になるため、カードの利用促進に向けた柔軟なプロモーションを行うことができるようになる。

従来、クレジットカード会社によるポイント付与は、ユーザーが利用したサービス側から提供される情報をもとにユーザーを判別しており、このシステムの場合、決済時に即時でユーザーに対してポイント付与が行えず、月に1回などまとめて同じ還元率でポイントを付与することしかできなかった。

また、個別で特定のサービスを利用したユーザーに対して追加のポイントを付与する場合、実店舗で使用している決済端末では即時のポイント付与が行えていたが、オンラインサイトでは通常のポイント付与のフローとは別で、クレジットカード会社側で利用ユーザーとポイント付与の情報を個別で照合する必要があり、多くの工数を費やす必要があった。

本特許技術は、ユーザーがサービス(決済)利用時に入力した番号でクレジットカード会社の識別を行うことができるため、クレジットカード会社があらかじめ特定のECサイトなどに本特許技術の導入を行うと、クレジットカード会社側で個別の照合をする必要がなく、決済時にシステム上で即時にユーザーに対してポイントを付与することができる。

クレジットカード各社は本特許技術を利用することで、特定のオンラインサービスにおいて簡単に追加のポイント付与ができるようになり、特にクレジットカード利用を促進したいサービス等でのプロモーションに活用できることになる。

本特許技術の仕組みとしては、クレジットカード会社が、ECサイトなどでカード利用促進に向けたプロモーションを実施する場合、プロモーションを行うサイトへ本特許技術の導入を行い、本特許技術がユーザーの決済情報を取得すると同時にクレジットカード会社へポイント付与に必要な情報を連携するため、クレジットカード会社は最小限の工数でユーザーへのポイントの付与が可能となる。

クレジットカードの総発行枚数は、日本国内において3億枚(※1)を超えると言われ、1人が複数枚持つ時代において、その利活用実態が重要視されております。一方で、キャッシュレス決済の普及によりクレジットカード各社は、QRコード決済等、各種決済手段における競争に直面している。(※1)一般社団法人日本クレジット協会調べ(2022年11月30日)

同社では、1999年よりポイ活サービス「ポイントタウン byGMO」を提供するなど、オンラインサービスやECサイトにおける販売促進をサポートしており、今後さらにオンラインサービスやECサイトにおけるクレジットカードの活用を促進させるため、本特許技術を開発したとしている。

特許概要

【特許番号】特許第7391483号(P7391483)
【登録日】令和5年11月27日(2023.11.27)
【発明の名称】特典付与装置、特典付与システム、特典付与方法および特典付与プログラム
【特許権者】【氏名又は名称】GMOメディア株式会社
【発明者】【氏名】佐藤 真

【要約】
【課題】 ユーザーの支払い態様に応じて特典を柔軟に付与する。

【解決手段】 ユーザー端末30および決済端末40とネットワークNWを通じて接続される特典付与装置10であって、ユーザー端末からの決済情報を受け付ける受付部11と、決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DB21を参照し、ユーザー端末に付与される特典を判別情報に基づいて判別する判別部12と、決済情報を送信したユーザー端末と、判別部により判別される特典とを対応付けて記録する記録部13と、決済情報を決済端末に送信する決済情報送信部14と、決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信部15と、決済が完了した決済情報に対応する特典を、ユーザー端末に付与する特典付与部16と、を備える、特典付与装置。


Latest Posts 新着記事

知財の主戦場は「充電」から「交換」へ——CATLが先回りする日本市場の布石

世界最大級の車載電池メーカーCATLは、セルやパックの“モノづくり”を超えて、交換式バッテリーによる「BaaS(Battery as a Service)」へと事業射程を拡張している。交換ステーション、共通モジュール、運用ソフト、資産管理—この新モデルが成立するとき、勝負を決めるのは工場規模だけではない。規格化を押さえる特許と、サプライチェーン横断で効くサービス設計の知財である。中国本土では、Si...

環境×技術×知財 BlueArchがつくる“持続可能な海洋モニタリング”の新モデル

海岸林、マングローブ、塩沼、藻場などの ブルーカーボン生態系 は、地球温暖化対応の大きな鍵となる。これらの環境は、陸上森林よりも濃密に炭素を隔離する能力を持つという報告もある。Nature+2USGS+2 だが、こうした海・沿岸域の調査・保全には「アクセス困難」「高コスト」「リアルタイム性の欠如」といった課題が横たわる。ここに、ドローン技術、GPS(あるいは水中位置推定技術)、そして特許設計による...

ファーウェイ、特許で動く EV×5G基地局に見る中国知財の拡張戦略

■ 序章:静かに増える“赤い知財網” 特許庁の公開データを丹念に追うと、近年ひとつの変化が浮かび上がる。日本国内での中国企業による特許出願が、2015年以降、年率二桁で増加しているのだ。 とりわけ通信・電池・モビリティといった「脱炭素×デジタル」分野に集中しており、日本企業が得意とする領域を正面から狙っている。こうした動きの中心にいるのが、通信大手・華為技術(ファーウェイ)である。 米中摩擦のさな...

終わりなき創造の旅 厚木の発明家が挑む“次の技術革命”」

特許数でギネス更新 21世紀のエジソン、厚木に―発明の街が問いかける、日本の未来図 神奈川県厚木市―東京からわずか1時間足らずの距離にあるこの街が、世界の技術史に名を刻んだ。特許数の世界記録を更新した発明家、山﨑舜平(やまざき・しゅんぺい)氏が拠点を構えるのが、まさにこの地である。彼の名がギネス世界記録に再び載ったというニュースは、科学技術の世界だけでなく、日本人のものづくり精神を象徴する話題とし...

知財は企業の良心を映す鏡――4億ドル評決が語るイノベーションの倫理

2025年10月、米テキサス州東部地区連邦地裁で、韓国の大手電子機器メーカー・サムスン電子に対し、無線通信技術の特許侵害を理由に4億4,550万ドル(約690億円)の賠償を命じる陪審評決が下された。この判決は、単なる企業間の紛争を超え、ハイテク産業における知的財産権(IP)の重みを再認識させる事件として、世界中の知財関係者の注目を集めている。 ■ 「技術を使いたいが、支払いたくない」——内部文書が...

知財が揺るがす電機業界――TMEIC×富士電機、UPS特許訴訟の裏側

2025年夏、産業用電源装置分野を揺るがすニュースが伝わった。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、富士電機の無停電電源装置(UPS)製品が自社の特許を侵害しているとして、韓国において訴訟および輸入禁止の措置を求めた件である。韓国貿易委員会(KTC)は8月下旬、TMEICの主張を一部認め、富士電機製の特定UPSモデルについて韓国への輸入を禁止する決定を下した。日本企業同士の知財紛争が、国外で具...

「JIG-SAW、AI画像技術で米国特許を獲得へ 知財を武器にグローバル競争へ挑む」

はじめに:発表概要と意義 JIG-SAW(日本発の IoT / ソフトウェア/AI ベンチャーと理解される企業)は、米国特許商標庁から「コンピュータビジョン技術」に関する Notice of Allowance(特許査定通知) を取得した旨を、自社ウェブサイトおよびニュースリリースで公表しています。 具体的には、JIG-SAW は「コンピュータビジョン技術、画像処理・画像生成支援技術」分野において...

「特許で世界を包囲する中国 イノベーション強国への加速」

はじめに:なぜ国際特許出願数が注目されるか イノベーション(技術革新)の国際競争力を測る指標として、研究開発投資、論文発表数、特許出願数などが長らく注目されてきました。特に国際特許(例えば、特許協力条約 PCT 出願、あるいは各国出願による外国での保護を意図した出願)は、一国の発明・技術が国際市場を見据えて保護を志向していることを示すため、技術力だけでなく国際志向性の強さも反映します。 近年、中国...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る