令和5年度関東地方発明表彰~キヤノンMJの「複数プリンタでのサーバーレスプリント技術」が発明奨励賞


キヤノンマーケティングジャパン株式会社(本社:東京都港区 代表:足立正親、以下キヤノンMJ)は、特許「複数プリンタでのサーバーレスプリント技術(特許第6414287号)」が公益社団法人 発明協会が主催する「令和5年度関東地方発明表彰」において「発明奨励賞」を受賞したと、23年12月1日プレスリリースで公表した。

本発明は、キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ株式会社(本社:東京都港区 代表:金澤明、以下キヤノンITS)が開発し、キヤノンMJが提供するプリンタ機能拡張アプリケーション「サーバーレス Anyplace Print for MEAP ADVANCE」に活用されている。

「地方発明表彰」は地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的に1921年(大正10年)に創設され、全国を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州の8地方に分け、各地方において優秀な発明、考案、または意匠を完成された方々、発明などの実施化に尽力された方々、発明などの指導・育成・奨励に貢献された方々の功績を称え顕彰するもの。

ことし、令和5年度の「関東地方発明表彰」においては、キヤノンMJの「複数プリンタでのサーバーレスプリント技術」に関する特許(以下、本発明)が「発明奨励賞」を受賞した。本発明は、複数のプリンタが配置された環境においてサーバー機器を設置することなく、ユーザーが印刷実行するプリンタを意識せずに印刷指示を行い、任意のタイミング、任意のプリンタから「いつでも、どこでも」印刷可能とする技術で、キヤノンMJが提供するプリンタ機能拡張アプリケーション「サーバーレス Anyplace Print for MEAP ADVANCE」に活用されている。

このサーバーレス Anyplace Print for MEAP ADVANCEは、サーバーを導入することなく、いつでもどの複合機・レーザービームプリンターでも印刷が可能なプリンタ機能拡張アプリケーションで、印刷指示後に印刷データを複合機で一旦留め置きすることで、同一グループ内の複合機間でどこからでも印刷が可能なため、セキュリティの確保とプリントミスの削減、および利便性を兼ね備えたシステム。

また、MEAPとは、Multifunctional Embedded Application Platformの略称で、キヤノン複合機およびレーザービームプリンターに搭載されたアプリケーションのプラットホーム。

地方発明表彰を実施する公益社団法人発明協会の概要

協会名称:公益社団法人 発明協会
設立:1904年(明治37年)5月 「工業所有権保護協会」として創立
本部所在地:東京都港区⻁ノ⾨3-1-1

発明奨励賞を受賞した「複数プリンタでのサーバーレスプリント技術」の特許概要

【特許番号】特許第6414287号(P6414287)
【登録日】平成30年10月12日(2018.10.12)
【発明の名称】印刷システム、画像形成装置、特定情報記憶装置とその処理方法及びプログラムに関する。
【特許権者】 【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
【発明者】 【氏名】森井 寛幸

【要約】 【課題】印刷データを格納した画像形成装置の一覧を管理し、この一覧に従って画像形成装置に溜め置いた印刷データを所望の画像形成装置から印刷させる際の通信負荷を軽減させる仕組みを提供する。

【解決手段】第1の画像形成装置は、印刷データの受け付けに応じて、前記印刷データと当該印刷データの書誌情報を所定の記憶手段に記憶させ、第1の画像形成装置に印刷データが格納されたことを通知するべく、第1の画像形成装置を特定するための特定情報を第2の画像形成装置に送信し、第2の画像形成装置に、印刷データが格納されている画像形成装置の一覧を要求し、第2の画像形成装置から印刷データの格納先である画像形成装置の一覧を受信し、受信した画像形成装置の一覧に対応する画像形成装置に対して、印刷データの一覧を要求し、要求先の画像形成装置から受信した印刷データ一覧に従って、印刷データが格納されている画像形成装置に対して印刷要求をする。


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