EC事業者は“消費者のための”知財管理を!北の達人コーポレーション木下社長が語る


「このくらいのことはネット通販の広告で言ってもいいだろう」「この程度の嘘ならバレないだろう」――。 ネット通販の業界であやふやになりがちな認識が、改めて違法であると証明された。

北の達人コーポレーション(以下、北の達人コーポ)は202129日、はぐくみプラスに対して提起していた訴訟において、東京地方裁判所による第一審判決の言渡しがあったと発表した。

東京地方裁判所による第一審判決では、はぐくみプラスが販売する「はぐくみオリゴ」のオリゴ糖が53.29%しかふくまれていないにもかかわらず、純度を100%と表示していた行為が品質誤認表示に該当することなどを認定。はぐくみプラスに対し、損害賠償金として18357803円、および遅延損害金の支払いなどを命じた。

これに対して北の達人コーポの木下勝寿社長は、「今回の勝訴は当然のことだと考えております。通信販売業界はヒット商品が生まれると、すぐに粗悪なコピー商品が出回り、その粗悪な品質から消費者の信頼を失っていき、その結果、市場そのものを潰してしまうという負の連鎖を引き起こしている状態にあります。

当社は、業界の健全化、消費者保護の観点からこのような状態を改善する必要があると感じております。通信販売業界がこのような状態にある理由の一つとして、社名・商品名の変更や法人格の濫用によるいわゆる『ネームロンダリング』によって、問題が表面化しにくい傾向にあるということが挙げられます。

知財大切知的財産および知的財産法の種類 「知財財産法入門」(特許庁)を元に作成

当社は、広告媒体やアフィリエイトサービスプロバイダにも協力を求め、悪質な会社の動向に注視し、広告の掲載を停止する等の対策を強く求めるつもりです。
引き続き競合他社による不正競争行為を野放しにせず、このような行為が二度となされないようにしっかり監視してまいります。

なお、本件の詳細は、業界健全化のため消費者庁に報告する予定です。また、今後については、判決内容を精査し、訴訟代理人とも協議・検討のうえ決定いたします」とコメントしている。

【引用・参照】

https://netkeizai.com/articles/detail/2984
https://netshop.impress.co.jp/node/8504
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000051691.html


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