ニコリオ、オルトとの共同研究で新たな体重増加抑制剤の特許を取得


株式会社ニコリオ(本社:東京都世田谷区 代表:中上元弘 以下ニコリオ)は、オルト株式会社(本社:東京都港区、代表:青山海太竜樹 以下オルト)との共同研究で体重または体脂肪(内臓脂肪および皮下脂肪)の増加抑制など、健康を促進する健康促進剤に関する特許を取得したことを23年8月14日プレスリリースで公表した。

近年、食事の欧米化に伴う高脂肪食を中心とする食生活や運動不足などによる体重増加により、肥満が社会的な問題となっている。過度の肥満は、糖尿病、高血圧症、高脂血症や心血管症(動脈硬化、脳卒中)などの生活習慣病を引き起こす要因ともなり得ることから、これらの予防や治療には、体重増加を抑制し、肥満を解消することが不可欠であると考えられている。

また、外見や美容にとって、肥満は好ましくないとする風潮があり、これは時として拒食症や過食症を引き起こし、医療が必要となる場合が生じることも多い。

肥満の解消または治療策としては、(1)食欲を抑制すること、(2)脂肪や糖質などの栄養素の摂取・吸収を抑制すること、(3)運動などにより基礎代謝を上げ、熱産生を増加させること、(4)脂質やタンパク質の代謝を改善すること、そして(5)中枢の体重制御機構を調節することなどが挙げられ、それぞれ広範な研究が成されている。

近年、上記の機能を発現する様々な体重増加抑制剤が開発されているとともに、上記の機能を有する成分を含有する食材も肥満者の増加やダイエット志向の上昇に伴い注目されている。

これは、治療薬のように処方箋を必要としないため、容易に入手でき、日常生活において無理なく摂取できるという利点を有する。しかしながら、これらの体重増加抑制剤には、現状、ダイエット効果が十分に得られていないものも多く存在することから、付加価値が高く、かつ副作用の少ない体重増加抑制剤が求められている。

今回の特許については、「ブラックジンジャー:アドレナリン分泌促進」と「わさび葉エキス:β3-AR(細胞膜上にあるアドレナリンレセプター)活性化」を組み合わせることで、単独摂取より相乗効果的に抗肥満効果を示すものとされ、この発明によりさまざまな肥満への悩みに対応できるものとされている。

特許の概要

【特許番号】特許第7312954号(P7312954)
【登録日】令和5年7月13日(2023.7.13)
【発明の名称】組成物
【特許権者】  【氏名又は名称】オルト株式会社 【氏名又は名称】株式会社ニコリオ
【発明者】 【氏名】中上元弘  白土直


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