キビテク、NEDO公募に“ドア開閉やエレベータの通行等が必須な場所へ移動できるロボットの先行研究で採択


株式会社キビテク(本社:東京都品川区 代表:林摩梨花、吉海智晃)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ロボットによる社会変革推進に向けたロボット・AI部事業の周辺技術・関連課題に係る先導調査研究」(以下「本事業」)において「既存設備の操作を要する配送のロボット化拡大のための遠隔監視・操作および自律動作の先導調査研究」というテーマで採択されたことを23年1月10日プレスリリースで公表した。

それは、ロボットアームの動作を遠隔制御によって円滑かつ安全にアシストすることで、ドア開閉やエレベータの通行等が必須な場所へも、よりロボットがスムーズに移動できるようにし、自動配送領域の拡大に貢献することを目指すとしている。

本事業では同社の開発した「ロボット遠隔制御サービスHATS(ハッツ)」を、多機能な双腕自律走行ロボット対応に改良し、集合住宅や商業施設、飲食店の「ドアの開閉」、「エレベータの操作」など既存設備の操作に必要な手や腕の動作を遠隔操作にてアシストする「マニピュレーター自律走行型ロボットの遠隔制御技術(特にマニピュレーター部分の遠隔)」の先行研究をする。

現行の自動走行ロボットの将来需要としては「集合住宅やオフィス等のエレベータやドアの先にある戸口までの配送」「整備が進む宅配ボックス内まで配送」といった、宅配物が盗難され難い安全が確保された場所に再配達なく届けられる能力が求められる。

同様に、飲食業向け配膳ロボットは「注文の品を載せて配送する業務」に現在は特化しているが、配送プロセスで生じる「ドアを開けて移動」「エレベータのボタンをおして階を移動」することは出来ない。 この課題を克服するにはロボット側で人間の腕を代替する機能が求められますが、現行のマニピュレーター搭載ロボットであっても、多種多様な形状のドアノブを認識し、押し引き・スライドなど多様な開閉方法を判断することは 、極めて難易度の高い動作となっている。

そこで、腕に必要な動作を遠隔制御システムによって円滑かつ安全にアシストすることで、これまでの自動配送には届け辛かった 集合住宅や商業施設、多層階の飲食店でも配送ロボットの導入を可能とし、自動配送領域を拡大する研究を行うというもの。

NEDO公募に採択されたキビテクは、東京大学の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者を主として2011年に創業。知能ロボットの開発や、ロボット遠隔制御サービスの開発、販売を行うスタートアップ企業で、会社名「キビテク」の「キビ」は心の「機微」を意味している。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000065626.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000065626.html


Latest Posts 新着記事

ロボットの動きをAIが特許化する時代に──MyTokkyo.Aiの最新発明抽出事例

家庭内ロボット市場が急速に進化している。掃除ロボットや見守りロボットだけでなく、洗濯物の片付けや調理補助など、従来は人が行ってきた細やかな日常作業を担う“家庭アシスタントロボット”が次のトレンドとして期待されている。しかし、家庭内という複雑な環境で、人に近いレベルの判断と動作を瞬時に行うためには、膨大なセンサー情報を統合し、高度なモーションプランニング(動作計画)を行う技術が不可欠だ。 このモーシ...

「施工会社」から「技術企業」へ──特許資産ランキング2025、鹿島建設が首位に立つ理由

建設業界は今、大きな転換点に立っている。少子高齢化による深刻な人手不足、カーボンニュートラルへの対応、インフラの老朽化、建設コストの上昇など、従来型のゼネコン経営では持続可能でなくなる課題が次々と顕在化している。こうした中、各社が未来の競争力として注力しているのが「特許」だ。特殊技術の囲い込み、施工ノウハウの形式知化、AI・ロボティクス・材料開発などの分野で、知財の強化が急速に進んでいる。 202...

自動車軽量化の裏側で進む加工技術革新──JFEスチールの割れ防止発明が鍵に

自動車の軽量化ニーズが高まり、高強度鋼板(AHSS:Advanced High Strength Steel)が普及するにつれて、プレス成形時の“割れ”は避けて通れない技術課題となっている。特にAピラー下部、サイドメンバー、バッテリーフレームなど、複雑な形状でありながら衝突時に高いエネルギー吸収が求められる部位では、L字形状のプレス部品が多用される。しかし、こうしたL字プレス品は、曲げコーナー部に...

アップルはなぜ負けた? 医療特許の壁に直面したApple Watch

米国の特許訴訟市場が久々に世界の注目を集めている。発端は、Apple Watchシリーズに搭載されてきた「血中酸素濃度測定(SpO₂)機能」をめぐる特許訴訟で、米国ITC(International Trade Commission)がアップルに対し“侵害あり”の判断を下したことだ。米国では特許侵害が認められると、対象製品の輸入禁止措置という強力な制裁が発動される可能性がある。今回の判断は、App...

デフリンピック開催に寄せて:「聞こえ」を支えるテクノロジー、人工内耳の「中核特許」

2025年11月、日本では初めてのデフリンピックが開催されています。これは、手話をはじめとする、ろう者の文化(デフ・カルチャー)が持つ独自の力強さに光が当たる、歴史的なイベントです。 https://deaflympics2025-games.jp/   デフリンピックの開催は、スポーツイベントであると同時に「聞こえ」の多様性について考える絶好の機会でもあります。聴覚障害を持つ人々にとっ...

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る