ユニクロ、セルフレジ訴訟で和解していた — アスタリスト特許権侵害を請求取り下げる


ユニクロを運営する株式会社ファーストリテイリング(本社:山口市 代表:柳井正)は無線自動識別(RFID)を活用したセルフレジに関する特許訴訟で、IT企業の株式会社アスタリスク(本社:大阪市
代表:鈴木規之)および知財ライセンス企業のNIP(ニップ、本社:滋賀県守山市 代表:美馬規良)と21年12月和解していた。

発端となったのは、RFIDを活用したセルフレジはファストリ傘下のユニクロやジーユーの店舗ですでに導入されているが、アスタリスクが特許権の侵害で2019年9月訴訟を起こし、ファストリは特許の無効を求める審判を申し立てていた。

この和解の理由について3社は、「話し合いを継続する中で、互いのそれぞれの主張はボタンのかけ違いから発生したものであるという相互理解ができ、かつ、係争状態を長期化させることは、互いの事業の発展を阻害しかねないという観点から、互いに無益であるという意見で一致し」たとしている。

和解の結果、アスタリスクとNIPは特許侵害と損害賠償の訴訟を取り下げ、ファストリは無効審判請求を取り下げるとし、和解の条件については公表していない。

発表によると、この和解は、FRは、現在NIPの保有する特許が有効に存在していることを尊重し、ASXおよびNIPは、本セルフレジはASXの特許出願が公開される以前から、FRが独自に開発し使用していたものであると確認するという円満な和解合意だとしている。

本件係争は当初、セルフレジの開口型RFID読み取り機能に関する特許(以下、本件特許)を取得していたASX(現在はNIPに譲渡)と、この特許公開前から独自にセルフレジを開発し使用していたFRとの間で本件特許の有効性について見解の相違があり、話し合いによっても溝が埋まらなかった。

出典 特許第6469758号公報

そのため、FRは、公平な第三者の判断を得る目的で無効審判を請求していた。他方、ASXおよびNIPは、本件特許が有効であり、かつ、本セルフレジが本件特許を利用するものであるとの見解により、本セルフレジが本件特許を侵害するとして、ユニクロおよびジーユーに対し、特許権侵害訴訟を提起していた。

しかし、話し合いを継続する中で、互いのそれぞれの主張はボタンのかけ違いから発生したものであるという相互理解ができ、かつ、係争状態を長期化させることは、互いの事業の発展を阻害しかねないという観点から、互いに無益であるという意見で一致し、これ以上係争を続けないということに留まらず、協力して互いの事業の発展に努めようという合意に至ったとしている。

今後は、それぞれの権利や事業を尊重し、互いに良好な関係を築いていく所存だともしている。FRはユニクロおよびジーユー店舗において、今後も国内外で本セルフレジを展開していき、お客様はこれまで通り、本セルフレジの利用が可能だ。また、ASXおよびNIPは、これまで通り特許品としての販売、およびサービス提供を継続していくとしている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://www.fastretailing.com/jp/ir/news/2112241500.html
https://diamond-rm.net/management/102042/


Latest Posts 新着記事

プレーも快適、運営もスマート アクロディアがゴルフ場向け表示特許を獲得!

株式会社WHDCアクロディア(以下、アクロディア)は、2025年8月、ゴルフ場利用者の利便性向上と運営効率の改善を目的とした「ゴルフ場向け表示技術」に関する特許を正式に取得したと発表した。本特許は、スポーツ×IT領域における同社の知的財産ポートフォリオをさらに強化するものであり、今後の事業展開において大きな推進力となることが期待されている。 特許取得の背景 近年、スポーツ業界全体でDX(デジタルト...

日立・川崎・シーメンスに学ぶ ― 鉄道AI活用と特許戦略の最前線

1. ライフサイクル全体を貫く「予知×最適化×自律化」 AIの主戦場は、(1)予知保全(異常検知・故障予測)、(2)工程最適化(生産・点検・要員配置)、(3)自律化(画像・3D認識による自動検査/警報)に集約されます。2024~2025年にかけては、クラウド/エッジ連携とデジタルツインの普及で「1拠点PoC」から「複数拠点・他社路線展開」へ局面が移りました。特にNVIDIA系スタック(Jetson...

菱ガス化、CO₂から未来を創る ― メタノール製造特許で描くカーボンニュートラルの道

世界的に脱炭素化の潮流が加速する中、石油・天然ガスに依存しない新たな化学品製造プロセスの確立は、日本をはじめとするエネルギー輸入国にとって喫緊の課題となっている。その中で、菱ガス化(仮称)は近年、「メタノール製造方法」に関する複数の特許出願・取得を通じて、次世代の化学原料製造に挑戦している。本稿では、同社の技術的背景と特許の特徴、さらに業界全体における位置づけについて詳しく見ていきたい。 メタノー...

キヤノン参戦!? 新特許が示す“シネマ級スマホ”の衝撃

世界的なカメラメーカーであるキヤノンが、ついにスマートフォン市場へ参入するのではないか―そんな観測が特許情報をきっかけに広がっている。これまでカメラ業界をけん引してきた同社がもしスマホ分野に本格的に乗り出すとすれば、その意味は非常に大きい。単なる「カメラが強いスマホ」ではなく、映画撮影レベルの表現力を一般消費者の手のひらに届ける可能性があるからだ。ここでは、新たに明らかになった特許の内容や、カメラ...

高精細×省電力を両立 半導体エネ研の酸化物半導体特許が拓く未来

近年、スマートフォンやタブレットに加え、テレビやパソコン用ディスプレイ、さらには車載ディスプレイに至るまで「大画面化」の潮流が加速している。高精細かつ省電力を両立したディスプレイが求められる中、バックプレーン技術の要となる半導体材料として、酸化物半導体が再び注目を浴びている。 こうした状況下で、半導体エネルギー研究所(半導体エネ研)が、大画面パネル向けの酸化物半導体技術に関する新たな特許を取得した...

I-ne、東大と共同で「化粧品用マイクロニードル技術」を特許出願 株価後場に上昇

化粧品ブランド「BOTANIST」や「YOLU」を展開するI-ne(アイエヌイー、東証グロース上場)は、東京大学との共同研究の成果として「新規化粧品用途におけるマイクロニードル技術」を特許出願したことを明らかにした。この発表を受け、同社株は後場に入り上げ幅を拡大。投資家からは「技術力の裏付けとなる知財戦略が進展した」との評価が寄せられている。 ■ マイクロニードル技術とは何か マイクロニードルとは...

EV急速充電の主導権争い シリコン負極材で韓国勢が優位に

電気自動車(EV)の普及において最大の課題の一つが「充電時間」である。ガソリン車に比べて充電に時間がかかることは、ユーザー体験を損ねる要因となってきた。しかし近年、バッテリー技術の革新、とりわけ「シリコン系負極材」の実用化が進むことで、急速充電の実現に大きな期待が寄せられている。こうした中、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)やSKオンが、関連する特許ポートフォリオの拡充によって、中国最大...

知財で支える防災社会──特許技術がもたらす安全と創意

知財を活用して防災を支える技術と創意の力 私たちの生活は、地震、台風、豪雨、火山噴火といった自然災害の影響を受けやすい環境にあります。災害によって命や財産が脅かされるだけでなく、社会インフラや経済活動にも大きな影響を与えます。こうした脅威に備えるためには、防災技術の開発や迅速な対応が不可欠ですが、近年では「知的財産(知財)」の活用が防災力向上に大きく寄与することが注目されています。 特許技術が支え...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る