アマゾン、「IPアクセラレーター」を提供開始 — 法律事務所紹介などで知的財産権を保護


アマゾンジャパンは6月15日、専門の法律事務所を紹介することで知的財産の保護に貢献する「Amazon IPアクセラレーター」の日本での提供を開始したと発表したことをYAHOO!JAPANニュースは22年6月17日伝えている。

「Amazonブランド登録」「Project Zero(プロジェクト・ゼロ)」「Transparency(トランスペアレンシー)」をあわせ、同社が模倣品を撲滅すべく提供する4つのブランド保護ツールとサービスが、日本で活用できるようになった。

Amazon IPアクセラレーターは、中小企業のブランドオーナーによる知的財産権の登録を迅速化し、Amazonだけでなくあらゆる場所のすべてのストアで知的財産を保護するためのサービス。質の高い商標登録サービスを競争力の高い価格で提供する、厳選された知的財産専門の法律事務所を紹介するという。
そのほか、ブランドを保護するためのAmazonのツール、サービスの一部が、商標出願中でも活用できる。商標登録が正式に交付されるまでの数カ月間ないし数年間、ブランドの保護と成長に貢献するという。

Amazonブランド登録は、Amazon上でブランドや知的財産権を管理、保護するためのサービス。Amazonでの販売の有無にかかわらず利用可能で、ブランドオーナーは「Report a Violation」というツールから権利侵害をチェック、検出、報告できるという。その後の出品も専用のダッシュボードから追跡可能。

また、機械学習やブランド登録に登録されたデータを活用した自動保護機能により、効果的にブランドを保護できる。同社独自の自動保護機能でAmazonのストアを常にスキャンし、権利侵害の可能性のある商品を検出するとしている。

Project Zeroは、同社の技術とブランドオーナーが持つ知的財産権に関する知識や模倣品検出のノウハウを組み合わせた、模倣品の撲滅を目的とした取り組み。模倣品の疑いのある出品について、ブランドオーナーが自らストアから削除できる機能などが含まれている。

Transparencyは、商品にシリアル番号を付与することで、世界中の購入希望者へ模倣品が届かないようにするためのソリューション。

ブランドオーナーは、固有のコードが付いたラベルを商品1点1点に貼付し、同社がコードをスキャンすることで、商品が購入者に配送される前に正規品であることを確認できるようになる。有効なコードのない商品を識別して出荷を停止するため、購入者には正規品のみを配送できるという。

同社の最新版のブランドプロテクションレポートによると、同社は2021年、利用者やブランドオーナー、販売事業者、販売事業者のストアを模倣品、詐欺、その他の不正から保護するために9億ドル以上を投資し、機械学習のサイエンティストやソフトウェア開発者、専門調査員など、1万2000人以上がこの活動に取り組みに参加したという。

同社は今後も、ブランドオーナーや法執行機関などと協力しながら、ストアの利用者に対して、より安心して買物できる環境を提供できるよう努めていくとしている。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4d0e237adf131bc124db1ec63ffd21894b51704
https://amzadvisers.com/ja/everything-you-need-to-know-about-amazon-ip-accelerator/


Latest Posts 新着記事

AI×半導体の知財戦略を加速 アリババが築く世界規模の特許ポートフォリオ

かつてアリババといえば、EC・物流・決済システムを中心とした巨大インターネット企業というイメージが強かった。しかし近年のアリババは、AI・クラウド・半導体・ロボティクスまで領域を拡大し、技術企業としての輪郭を大きく変えつつある。その象徴が、世界最高峰AI学会での論文数と、半導体を含むハードウェア領域の特許出願である。アリババ・ダモアカデミー(Alibaba DAMO Academy)が毎年100本...

翻訳プロセス自体を発明に──Play「XMAT®」の特許が意味する産業インパクト

近年、生成AIの普及によって翻訳の世界は劇的な変化を迎えている。とりわけ、専門文書や産業領域では、単なる機械翻訳ではなく「人間の判断」と「AIの高速処理」を組み合わせた“ハイブリッド翻訳”が注目を集めている。そうした潮流の中で、Play株式会社が開発したAI翻訳ソリューション 「XMAT®(トランスマット)」 が、日本国内で翻訳支援技術として特許を取得した。この特許は、AIを活用して翻訳作業を効率...

特許技術が支える次世代EdTech──未来教育が開発した「AIVICE」の真価

学習の個別最適化は、教育界で長年議論され続けてきたテーマである。生徒一人ひとりに違う教材を提示し、理解度に合わせて学習ルートを変化させ、弱点に寄り添いながら伸ばしていく理想の学習プロセス。しかし、従来の教育現場では、教師の業務負担や教材制作の限界から、それを十分に実現することは難しかった。 この課題に真正面から挑んだのが 未来教育株式会社 だ。同社は独自の AI学習最適化技術 で特許を取得し、その...

抗体医薬×特許の価値を示した免疫生物研究所の株価急伸

東京証券取引所グロース市場に上場する 免疫生物研究所(Immuno-Biological Laboratories:IBL) の株価が連日でストップ高となり、市場の大きな注目を集めている。背景にあるのは、同社が保有する 抗HIV抗体に関する特許 をはじめとしたバイオ医薬分野の独自技術が、国内外で新たな価値を持ち始めているためだ。 バイオ・創薬企業にとって、研究成果そのものだけでなく 知財ポートフォ...

農業自動化のラストピース──トクイテンの青果物収穫技術が特許認定

農業分野では近年、深刻な人手不足と高齢化により「収穫作業の自動化」が急務となっている。特に、いちご・トマト・ブルーベリー・柑橘など、表皮が繊細な青果物は人の手で丁寧に扱う必要があり、ロボットによる自動収穫は難易度が極めて高かった。そうした課題に挑む中で、株式会社トクイテンが開発した “青果物を傷付けにくい収穫装置” が特許を取得し、農業DX領域で大きな注目を集めている。 今回の特許は単なる「収穫機...

<社説>地域ブランドの危機と希望――GI制度を攻めの武器に

国が地理的表示(GI:Geographical Indication)保護制度をスタートしてから10年が経つ。ワインやチーズなど農産物を地域の名前とともに保護する仕組みは、欧米では産地価値を国境を越えて守る知財戦略としてすでに大きな成果を上げてきた。一方、日本でのGI制度は、導入から10年が経った今ようやくその重要性が幅広く認識される段階に差し掛かったと言える。 農林水産省によれば、2024年時点...

保育データの構造化とAI分析を特許化 ルクミー「すくすくレポート」技術の本質

保育業界におけるDXが本格的に進む中、ユニファ株式会社が展開する「ルクミー」は、写真・動画販売や登降園管理、午睡チェックシステムなどを通じて保育の可視化と効率化を支えてきた。その同社が開発した 保育AI™「すくすくレポート」 が特許を取得したことは、保育現場のデジタル化における大きな節目となった。 「すくすくレポート」は、子どもの日々の成長・発達をAIが分析し、保育士の観察記録を補助...

JIG-SAW、動物行動AIの“核技術”を米国で特許化 世界標準を狙う布石に

IoTプラットフォーム事業を展開する JIG-SAW株式会社 が、米国特許商標庁(USPTO)より「AI算出によるベクトルデータをベースとしたアルゴリズム・システム」に関する特許査定を受領した。対象となるのは 動物行動解析分野—つまり動物の動き・姿勢・行動をAIで読み取り、ベクトルデータとして構造化し、行動傾向や異常を自動判定するための技術だ。 近年、ペットヘルスケア、畜産、動物実験、野生動物の行...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る