アプリなどのGUIそのものも保護対象に、 2020年4月法改正後の「画像意匠」の動向について


ビジネスや研究分野などで聞く『知財』。一般的には、特許、商標、著作権などが認知されていると思われるが、製品・サービスのデザインを保護する「意匠制度」をご存知だろうか。
意匠制度とは、特許制度のように、デザインについて特許庁に出願することにより、意匠権として保護を受けることが可能であり、独占的な実施を可能にするもので、「意匠制度で保護されるデザイン」とは、例えば、上の画像のようなダイソンの扇風機(送風機)のように、新たなデザインの製品を保護するために存在する制度。

この意匠制度、2019年に大幅な法改正があり、2020年4月1日より保護対象が拡充され、従来は保護対象ではなかった画像意匠(画面表示に特徴的なUI)が保護されることになっている。
具体的には、従来はスマートフォン等の物品に記録・表示されてその物品と一体として用いられる画像のみが保護対象だったが、物品を離れた画像のみでも保護されることになっている。
例えば、最近話題となったバルミューダフォンでの、特徴的なアプリのような画面UIについても、意匠登録の可能性があるようになった。また、壁や床等に投影させる画像や、操作用のアイコンも保護対象になっている。

バルミューダフォンの基本アプリの画面UI(BALMUDA HPより)

2021年11月1日時点で、特許庁から出された資料によると、新たに保護されることになった画面デザインについて、1,707件出願され、605件が登録されている(「改正意匠法に基づく新たな保護対象等についての意匠登録出願動向」特許庁審査第一部意匠課資料より引用)。

このように、国内外の有名企業が画面UIの登録意匠を保有していることがわかる。ただし、まだまだ件数としては多いとはいえず、10件以上保有している意匠権者は15社しかない状況です。
法改正から1年以上経過し、新たに保護されることになった画像UIの意匠について、どのような登録例があるのかその一部を見てみる。

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 アイコン用画像(意匠登録1687581)

「食べログ」のスマートフォンアプリのUIに対応した株式会社カカクコムの情報表示画像(意匠登録1698262)

例えば、2025年大阪万博で、来場者向け(とは限らないかもしれないが)に、そのキャラクタをアプリのアイコンとして使用することを想定しているのではと思われる意匠登録。
また、株式会社カカクコムは店舗の位置を示す地図とその店舗に関するメニュー等の情報とを組み合わせて表示する画面UIの意匠と、店舗の地図と注文した商品に関する情報とを組み合わせて表示する画面UIの意匠を取得している。

これは、同社が提供する「食べログ」のスマートフォンアプリのUIに対応させて出願したものと考えられる。

では、画面UIの意匠権取得をすると、どのような狙いやメリットが得られるのか。

① プロダクトにおける画面UIについて、ユーザに対して訴求力のある特徴がある場合に、競合他社の模倣を抑止し、適切な保護を図ることが可能

②特許権と組み合わせることで、技術に対する権利保護を補完して画面UIの独占実施権を取得し、競合他社の模倣を抑止し、適切な保護を図ることが可能

③アイコン用画像については、商標権と異なる形での権利化を図ることが可能

このようにアイコン用画像は、商標登録をすることで、存続期間については半永久的に保護を図り、具体的には競合他社の模倣を防止することも可能となる(今回取り上げた意匠権は25年)。

ただし、商標登録をする場合、商品・役務(サービス)を指定する必要があり、保護を得る商品やサービスの対象が限定される。そのため、特にイメージキャラクターのように、具体的な商品やサービスとの結びつきが明確ではない場合、画像意匠の意匠権を取得することで、用途を限定されずに各種商品やサービスに対して使用することが可能となる点で有効だと考えられる。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://ascii.jp/elem/000/004/076/4076860/2/
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0be355f71c80969bfd5a852dadb8f21e24812a5


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