Microsoft、身体活動データによる 「仮想通貨マイニング」と呼ばれる特許を申請


Microsoft(マイクロソフト)が「身体活動データを使用した仮想通貨システム」と呼ばれる特許技術の開発に取り組んでいることを、仮想通貨ニュースメディアビットタイムスが20年3月28日次のように伝えていた。

20年3月26日に公開された特許書類には、従来のマイニング機器を使用せずに、脳波・体熱・血流など人体活動を使用して仮想通貨をマイニング(採掘)する方法に関する説明が記されていた。

Microsoft(マイクロソフト)の「身体活動データを使用した仮想通貨システム」と題された特許書類には、マイニングマシンを使用するのではなく、”身体の活動”を使用して仮想通貨をマイニングするシステムに関する説明が行われている。
同社はこの技術を用いて、新しいタイプのプルーフオブワーク(PoW)を実現することを目指している。

具体的には『ユーザーが広告を閲覧したり、特定のインターネットサービスを使用したりするなどといった情報またはサービスプロバイダーによって提供されるタスクを実行する際に身体から放出される脳波や体熱はマイニングプロセスに使用することができる』と説明されており、サーバーがユーザーのデバイスに何らかのタスクを与え、その人の活動データが設定された条件を満たした場合にはユーザーに仮想通貨報酬を付与するといった仕組みが解説されている。

この技術では身体活動を検知するためのセンサーが使用されており、検知される身体活動の例としては「人体から放出される放射線・脳活動・血流などの体液流・臓器活動・運動」などが挙げられている。

マイクロソフトは『ユーザーの身体活動に基づいて生成されたデータはPoWであるため、従来の仮想通貨システムで必要とされる大量の計算作業の代わりとして使用することができ、ユーザーは無意識のうちに計算困難な問題を解決することができる』と述べており、この技術によってマイニングプロセスの計算エネルギーを低減し、マイニングプロセスをより速くすることができると説明している。

また、この特許技術は「コンピュータプロセス・コンピューティングシステム・デバイス・コンピュータプログラム製品・コンピュータ読み取り可能媒体」などの製品として実装されるとのことだ。

今回公開された書類では、具体的にどのような仮想通貨でこの技術が採用されるのかには触れられていないため、既存の仮想通貨なのか、Microsoft独自の仮想通貨なのかは不明となっているが、「体の活動データを使用した仮想通貨システム」という概念は新しいものであるため、マイクロソフトが今後のどのような製品を開発していくのかには注目が集まる。


【オリジナル記事・引用元・参照】
https://bittimes.net/news/79114.html
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20211025-00264808


Latest Posts 新着記事

10月に出願公開されたAppleの新技術〜Vision Proの「ペルソナ」を支える虹彩検出技術〜

はじめに 今回は、Apple Inc.によって出願され、2025年10月2日に公開された特許公開公報 US 2025/0308145 A1に記載されている、「リアルタイム虹彩検出と拡張」(REAL TIME IRIS DETECTION AND AUGMENTATION)の技術内容、そしてこの技術が搭載されている「Apple Vision Pro」のペルソナ(Persona)機能について詳説してい...

工場を持たずにOEMができる──化粧品DXの答え『OEMDX』誕生

2025年10月31日、化粧品OEM/ODM事業を展開する株式会社プルソワン(大阪府大阪市)は、新サービス「OEMDX(オーイーエムディーエックス)」を正式にリリースした。今回発表されたこのサービスは、化粧品OEM事業を“受託型”から“構築型”へと転換させるためのプラットフォームであり、現在「特許出願中(出願番号:特願2025-095796)」であることも明記されている。 これまでの化粧品OEM業...

特許で動くAI──Anthropicが仕掛けた“知財戦争の号砲”

AI開発ベンチャーのAnthropic(アンソロピック)が、200ページ以上(報道では234〜245ページ)にわたる特許出願(または登録)が明らかになった。その出願・登録文書には、少なくとも「8つ以上の発明(distinct inventions)」が含まれていると言われており、単一の用途やアルゴリズムにとどまらない広範な知財戦略が透けて見える。 本コラムでは、この特許出願の概要と意図、そしてAI...

SoC時代の知財戦争──ホンダと吉利が仕掛ける“車載半導体覇権競争”

自動車産業が「電動化」「自動運転」「ソフトウェア定義車(SDV)」へと急速にシフトするなか、車載半導体・システム・チップ(SoC:System­on­Chip)を巡る知財・開発競争が激化している。特に、ホンダが「車載半導体関連特許を8割増加」させているとの情報が注目されており、同時に中国自動車メーカーが特許活動を爆発的に拡大しているとされる。なかでもジーリー(Geely)が“18倍”という成長率を...

試験から設計へ──鳥大が築くコンクリート凍害評価の新パラダイム

はじめに:なぜ“凍害”がコンクリート耐久性の大きな壁なのか コンクリート構造物が寒冷地・凍結融解環境(凍害)にさらされると、ひび割れ・剥離・かさ上がり・耐荷力低下といった劣化が進行しやすい。例えば水が凍って膨張し、内部ひびを広げる作用や、塩分や融雪剤の影響などが知られている。一方、これらの劣化挙動を実験室で迅速に・かつ実サービスに近づけて評価する試験方法の開発は、長寿命化・メンテナンス軽減の観点か...

Perplexityが切り拓く“発明の民主化”──AI駆動の特許検索ツールが変える知財リサーチの常識

2025年10月、AI検索エンジンの革新者として注目を集めるPerplexity(パープレキシティ)が、全ユーザー向けにAI駆動の特許検索ツールを正式リリースした。 「検索の民主化」を掲げて登場した同社が、ついに特許情報という高度専門領域へ本格参入したことになる。 ChatGPTやGoogleなどが自然言語検索を軸に知識アクセスを競う中で、Perplexityは“事実ベースの知識検索”を強みに急成...

特許が“耳”を動かす──『葬送のフリーレン リカちゃん』が切り開く知財とキャラクター融合の新時代

2025年秋、バンダイとタカラトミーの共同プロジェクトとして、「リカちゃん」シリーズに新たな歴史が刻まれた。 その名も『葬送のフリーレン リカちゃん』。アニメ『葬送のフリーレン』の主人公であるフリーレンの特徴を、ドールとして高精度に再現した特別モデルだ。特徴的な長い耳は、なんと特許出願中の専用パーツ構造によって実現されたという。 「かわいいだけの人形」から、「設計思想と知財の結晶」へ──。今回は、...

“低身長を演出する靴”という逆転発想──特許技術で実現した次世代『トリックシューズ』の衝撃

ファッションと遊び心を兼ね備えた新発想のシューズ「トリックシューズ」が市場に登場した。通常、多くの「シークレットシューズ」や「厚底スニーカー」は身長を高く見せるために設計されるが、本モデルは逆に身長を「低く見せる」ための構造を意図しており、そのためにいくつもの特許技術が組み込まれているという。今回は、このトリックシューズの設計思想・技術構成・使いどころ・注意点などを掘り下げてみたい。 ■ コンセプ...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る