田辺三菱製薬・上野社長、 4月スタートの新中期経営計画で特許品比率向上へ意欲


株式会社ミクスの「ミクスonline」2021/03/22で掲載された田辺三菱製薬の上野裕明代表取締役社長の取材記事で、4月からスタートした新中期経営計画において、「誰もやったことのないような疾患や医薬品の創薬にチャレンジしたい」と意欲を語っている。以下はその一部を引用させていただいた。 

記事中で田辺三菱製薬の上野社長は、中枢神経と免疫炎症領域を重点領域に据え、特定の疾患で圧倒的な強みを有する企業に成長していく姿を描く。ラジカヴァで培った創薬情報の多い筋萎縮性側索硬化症(ALS)については、「世界で一番情報を持っているのは当社だと思っている」と自信をみせ、こうした疾患領域の強みを生かし、最適なパートナーと組み、国境を超えたバリューチェーンを展開する考えを示した。

合わせて、今後は、特許品の構成比率が上がることを見据えるが、長期収載品については、「昨今のジェネリックの品質問題もある。品質面を維持しながら、必要とされる医薬品については安定的に供給していけるような体制を今後も続けていきたい」と語った。

また、現在の業績を支える長期収載品については、「必要であるがゆえに長きにわたって医薬品としてのプレゼンスを示している。今後も必要とされる医薬品については安定供給していきたい」と述べた。

長期収載品の譲渡なども相次いでいるが、「検討は常にしているが、現時点ではそういう考えではなく、自分たちで支えられるものはしっかりやっていきたい」とも述べている。

そのうえで、「長期的には、特許品の割合をもっと上げていかないといけない。海外比率を上げていくことは成長という意味では必須だと考えている」と述べた。

このほか、カナダ子会社のメディカゴ社が開発を進める新型コロナウイルス感染症ワクチンについては、カナダおよび米国規制当局から、第3相のフェーズに入った。上野社長は、「なるべく早く日本に持ち込みたい。臨床試験をやる必要があると認識している。それに向けて当局と相談している。その前提としてはP3がどのタイミングで進んでいくかということになるので、それを見据えながら、いつ日本にということを決めていきたい」とも述べている。

【引用・参照】
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70819
https://www.mt-pharma.co.jp/


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