
Spotifyが、カラオケ機能の本格的な導入のために動き出している。同社は6月23日、欧州特許庁(EPO)に対し「カラオケクエリ処理システム」に関連する特許を出願したことを、音楽、映画、テック、ブックで構成される総合カルチャーサイトのReal Soundが2021年7月8日次のように掲載している。
EPOのサイト上に掲載されている出願書によると、特許は「カラオケクエリ処理システム」に関するもので、「電子デバイスはオーディオクリップを受信し、マッチングプロセスを実行する。
マッチングプロセスは、オーディオクリップの少なくとも一部を複数の参照オーディオトラックと比較し、その比較に基づいてオーディオサンプルに対応する特定の参照トラックの第1部分を特定することを含む」「一致する部分を識別すると、電子デバイスは、特定の参照トラックに対応する再生用のバッキングトラック、およびバッキングトラックの初期再生位置を提供する」(オリジナル:英語)と記載されている。
つまり、曲のタイトルやアーティストの名前を思い出せなくても、メロディーの一部だけを汲み取って希望の楽曲を認識するカラオケシステムを構築するのがSpotifyの目的のようだ。では、このような特許が、なぜ必要になるのだろうか。
人は、記憶している楽曲を口ずさむ時、必ずしも原曲と同じキーで歌えるとは限らない。絶対音感があるのでない限り、自分が歌いやすいキーに楽曲を変調して口ずさむことがほとんどである。
そのため今回の申請では、各楽曲の転調バージョンを複数用意し、Spotifyのカラオケシステムに事前に記憶させるシステム(行為?)についての許可を要求しているようだ。そうすることで、ユーザーの口ずさんだ音声を転調して再解釈するといった手間が省けるのだという。
また出願書では、「各楽曲について、少なくとも歌詞またはコーラスが注釈されている楽曲ライブラリを事前に構成することで、カラオケシステムが各楽曲の一部分のみを使用してマッチングを実行することができ、それによってマッチング処理を簡素化する」とも説明している。
こうして「名前が思い出せない楽曲」を探し出す機能に長けたサービスを提供できるようにし、他のカラオケサービスとの差別化を図るものだと考えられる。
大手音楽ストリーミングサービスであるSpotifyは、ユーザーには到底把握しきれない量の音源をストックし、さらに、毎日世界中でリリースされる数万曲という新曲をSpotifyのライブラリに取り込んでいる。したがって、豊富なライブラリからユーザーが求める特定の楽曲を探し出して提供する機能の開発は、Spotifyにとって最優先かつ最難関な問題の一つなのだろう。
Spotifyの今回の特許申請が実際にどう活用されるのか、そもそも申請が通るのかなどもまだわからないが、Spotifyがカラオケ機能に注力していることは明らかだ。
【オリジナル記事】
https://japan.cnet.com/article/35173596/
* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。
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