クラファンで成功させる差別化の方法3選


クラウドファンディングは新しいアイデアや様々なプロジェクトが集約される場であり、多くのプロジェクトが目標額を達成するために競争している状況です。

そのため、プロジェクトを成功に導くためには、明確な差別化がないと埋もれてしまうのが現状です。

本コラムでは、クラウドファンディングで成功を収めるための差別化方法を3つご紹介します。クラファンのみならず、様々な資金調達方法に有効な手段なので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

①プロジェクトの「誰」をしっかりと打ちだす

クラウドファンディングのプロジェクトでは、「誰が」そのプロジェクトを推進しているかが非常に重要です。

支援者は、プロジェクトの背後にいる人物やチームに投資していると感じるため、プロジェクトを動かしているチームのプロフィールや動機を明確に伝えることが信頼性を高めます。さらに、もし可能であれば成功事例や過去の実績を示して、プロジェクトに対する情熱や献身をストーリーで伝えることが、支援者の心を動かすキーとなります。

②知的財産権を活用して差別化する

プロジェクトの独自性を法的に保護するために、知的財産権の取得は極めて有効です。

デザイン性や技術、ブランド名など、プロジェクトの特徴を意匠権、特許、商標登録を通じて差別化することができます。国に認められた独自性は、プロジェクトに対する信頼性と専門性を高め、他のプロジェクトとの差別化に直結します。

この方法は、支援者にとって分かりやすく明確な選択肢となり、プロジェクトへの投資意欲を向上させます。

③他社のネームバリューで差別化する

日本ではあまり知られていませんが、大手企業が開放している特許や技術を活用する方法があります。

既に存在する他社の特許を活用することで、開発コストの削減やプロジェクトの進行速度を向上させることが可能です。

さらに、「大手企業の技術を利用している」という事実は、プロジェクトへの信頼性を大きく高め、他社との差別化にインパクトがあるので、支援者にとって魅力的な投資先となる可能性があります。

特許庁が提供している開放特許データベースや各企業の公式ウェブサイト、さらに最近ではIPマーケットなどのプラットフォームが存在します。それらを使って情報を収集し、自分たちのプロジェクトに最適な知財を見つけ出すことができます。

おすすめ方法

特に、私の経験上、大手企業の知的財産を活用する方法は、コストを抑えつつもプロジェクトの信頼性と魅力を高める最短のルートだと感じています。

特許庁が開放しているデータベースは少し専門知識がないと分かりにくいと思います。IPマーケットであれば一般の人でも分かりやすく解説されていて、自分たちにあった技術をみつけやすくなっています。

もし、見つからない場合は直接IPマーケットや、地方公共団体が行っている知財相談窓口へ問い合わせると知財コーディネーターの方にサポート頂けます。

自ら他社との差別化につながる情報収集を行い、関心があれば積極的に連絡を取ってみることがプロジェクト成功に必要な要素だと思います。


ライター

渡部一成

株式会社白紙とロック代表取締役

高校卒業後、20歳で起業しwebマーケティングや商品開発に関するコンサルティング事業を15年間経営。
さらに、バンコクでスタートアップ企業を設立し、海外でIT関連のプロダクト開発を経験。
その後、大手IT企業に特許を売却し、その資金で株式会社白紙とロックを設立。
創業後も複数の特許を取得。 その他にも、新規事業の立ち上げや、医療法人理事、大学で特別講師として授業を行うなど多角的に活動中。




Latest Posts 新着記事

知財の主戦場は「充電」から「交換」へ——CATLが先回りする日本市場の布石

世界最大級の車載電池メーカーCATLは、セルやパックの“モノづくり”を超えて、交換式バッテリーによる「BaaS(Battery as a Service)」へと事業射程を拡張している。交換ステーション、共通モジュール、運用ソフト、資産管理—この新モデルが成立するとき、勝負を決めるのは工場規模だけではない。規格化を押さえる特許と、サプライチェーン横断で効くサービス設計の知財である。中国本土では、Si...

環境×技術×知財 BlueArchがつくる“持続可能な海洋モニタリング”の新モデル

海岸林、マングローブ、塩沼、藻場などの ブルーカーボン生態系 は、地球温暖化対応の大きな鍵となる。これらの環境は、陸上森林よりも濃密に炭素を隔離する能力を持つという報告もある。Nature+2USGS+2 だが、こうした海・沿岸域の調査・保全には「アクセス困難」「高コスト」「リアルタイム性の欠如」といった課題が横たわる。ここに、ドローン技術、GPS(あるいは水中位置推定技術)、そして特許設計による...

ファーウェイ、特許で動く EV×5G基地局に見る中国知財の拡張戦略

■ 序章:静かに増える“赤い知財網” 特許庁の公開データを丹念に追うと、近年ひとつの変化が浮かび上がる。日本国内での中国企業による特許出願が、2015年以降、年率二桁で増加しているのだ。 とりわけ通信・電池・モビリティといった「脱炭素×デジタル」分野に集中しており、日本企業が得意とする領域を正面から狙っている。こうした動きの中心にいるのが、通信大手・華為技術(ファーウェイ)である。 米中摩擦のさな...

終わりなき創造の旅 厚木の発明家が挑む“次の技術革命”」

特許数でギネス更新 21世紀のエジソン、厚木に―発明の街が問いかける、日本の未来図 神奈川県厚木市―東京からわずか1時間足らずの距離にあるこの街が、世界の技術史に名を刻んだ。特許数の世界記録を更新した発明家、山﨑舜平(やまざき・しゅんぺい)氏が拠点を構えるのが、まさにこの地である。彼の名がギネス世界記録に再び載ったというニュースは、科学技術の世界だけでなく、日本人のものづくり精神を象徴する話題とし...

知財は企業の良心を映す鏡――4億ドル評決が語るイノベーションの倫理

2025年10月、米テキサス州東部地区連邦地裁で、韓国の大手電子機器メーカー・サムスン電子に対し、無線通信技術の特許侵害を理由に4億4,550万ドル(約690億円)の賠償を命じる陪審評決が下された。この判決は、単なる企業間の紛争を超え、ハイテク産業における知的財産権(IP)の重みを再認識させる事件として、世界中の知財関係者の注目を集めている。 ■ 「技術を使いたいが、支払いたくない」——内部文書が...

知財が揺るがす電機業界――TMEIC×富士電機、UPS特許訴訟の裏側

2025年夏、産業用電源装置分野を揺るがすニュースが伝わった。東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、富士電機の無停電電源装置(UPS)製品が自社の特許を侵害しているとして、韓国において訴訟および輸入禁止の措置を求めた件である。韓国貿易委員会(KTC)は8月下旬、TMEICの主張を一部認め、富士電機製の特定UPSモデルについて韓国への輸入を禁止する決定を下した。日本企業同士の知財紛争が、国外で具...

「JIG-SAW、AI画像技術で米国特許を獲得へ 知財を武器にグローバル競争へ挑む」

はじめに:発表概要と意義 JIG-SAW(日本発の IoT / ソフトウェア/AI ベンチャーと理解される企業)は、米国特許商標庁から「コンピュータビジョン技術」に関する Notice of Allowance(特許査定通知) を取得した旨を、自社ウェブサイトおよびニュースリリースで公表しています。 具体的には、JIG-SAW は「コンピュータビジョン技術、画像処理・画像生成支援技術」分野において...

「特許で世界を包囲する中国 イノベーション強国への加速」

はじめに:なぜ国際特許出願数が注目されるか イノベーション(技術革新)の国際競争力を測る指標として、研究開発投資、論文発表数、特許出願数などが長らく注目されてきました。特に国際特許(例えば、特許協力条約 PCT 出願、あるいは各国出願による外国での保護を意図した出願)は、一国の発明・技術が国際市場を見据えて保護を志向していることを示すため、技術力だけでなく国際志向性の強さも反映します。 近年、中国...

View more


Summary サマリー

View more

Ranking
Report
ランキングレポート

海外発 知財活用収益ランキング

冒頭の抜粋文章がここに2〜3行程度でここにはいります鶏卵産業用機械を製造する共和機械株式会社は、1959年に日本初の自動洗卵機を開発した会社です。国内外の顧客に向き合い、技術革新を重ね、現在では21か国でその技術が活用されていますり立ちと成功の秘訣を伺いました...

View more



タグ

Popular
Posts
人気記事


Glossary 用語集

一覧を見る