待ち時間を冒険に変える、情報の架け橋

待ち時間を冒険に変える、情報の架け橋

私たちはよく、目的地に早く着きすぎて時間を持て余すことがあります。そんな時、「この近くで何ができるだろう?」と思ったことはありませんか? 従来の地図や案内サービスは、出発点と目的地がはっきりしているときには便利ですが、突然の自由時間には役立たず、周辺を探索する手助けにはなりませんでした。

今回紹介する特許発明は、そんな問題を解決します。目的地周辺の公共交通を使って、どこに行けるかを示してくれる新しいタイプのサービスです。これで、次に劇場の開演時間までカフェで時間を潰すか、近くの美術館を訪れるかを簡単に決められるようになります。突然の自由時間も、この発明でより楽しく、有意義なものに変わります。

従来、路線情報提供サーバ装置として、ユーザ端末の操作で、施設の場所や業種を選択して施設を絞り込み、最終的に選択された施設を目的地として、ユーザ端末により指定された出発地から当該施設までの路線情報を提供するものが知られています。

ところで、例えば、劇場や競技場等に到着したものの、開場まで時間があるため、近くを探索することで時間を潰そうとする場合、その劇場や競技場からどのような公共交通機関が利用可能であって、その公共交通機関で何処へ行くことができるのか、という施設を起点とした路線情報が必要となることがあります。

しかしながら、上述した路線情報提供サーバ装置では、出発地と目的地の両方が指定されたときに、出発地から目的地までの路線情報を提供する構成になっているため、目的地が明確に定まっていない場合には、施設を起点とした路線情報を得ることができないという問題がありました。

発明の目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、施設を起点とした路線情報を得ることが可能な路線情報提供サーバ装置の提供を目的とするものです。

発明の詳細

上述のとおり、この特許発明は、公共交通機関の利用者に対して、選択した施設を起点とする路線情報を提供する路線情報提供サーバ装置に関するものです。具体的には、以下のような機能と構成要素を備えています。

<データ記憶手段>
データベース管理システムに、複数のデータベースを記憶しておきます。例えば以下のようなデータファイルを予め用意します。

アクセスデータファイル: 施設とその周辺の公共交通機関の停留所が関連付けられています。これにより、ユーザーが選択した施設からアクセス可能な公共交通の停留所情報が提供されます。
停留所データファイル: 停留所とその停留所に乗り入れている路線が関連付けられています。停留所から乗り入れている公共交通の路線情報を管理します。
路線図データファイル: 路線とその路線の路線図が関連付けられています。具体的な路線の詳細図を提供し、利用者が路線の全体像を理解しやすくします。
施設データファイル:施設ファイルは以下の図に例示されるように、施設毎のレコードを複数備えるものです。各施設レコードの項目には、各施設毎に個別に設定した「施設コード」、施設の固有名称である「施設名」、施設の住所のテキストデータである「住所」、施設の「緯度」及び「経度」、施設の最寄り駅の固有名称である「最寄り駅名」、最寄り駅に乗り入れている路線の固有名称である「路線名」、最寄り駅からの徒歩での所要時間である「アクセス」、施設の最寄りのバス停の固有名称である「最寄りバス停名」、最寄りバス停に乗り入れている路線の固有名称である「路線名」、その路線の種類毎に設定された「路線分類コード」最寄りバス停からの徒歩での所要時間である「アクセス」、最寄り駅又は最寄りバス停に個別に設定された「停留所コード」、施設のエリア(地域)を特定するための「エリアコード」、施設の分類を特定するための「分類コード」等がそれぞれ関連付けられて記録されます。

<機能的手段>
停留所検索手段: ユーザー端末の操作によって選択された施設を基点として、アクセスデータファイルから施設周辺の停留所を検索します。
路線検索手段: 停留所検索手段の検索結果である停留所に乗り入れている路線を停留所データファイルから検索します。
アクセス情報表示手段: 停留所検索手段と路線検索手段の検索結果をユーザー端末のモニタに表示し、路線選択ボタンを提供して、ユーザーが特定の路線を選択できるようにします。
路線図表示手段: 路線選択ボタンを通じて選択された路線の路線図を路線図データファイルから読み込み、モニタに表示します。

<特別な取り扱い>
バス停に関するデータでは、上りバス路線と下りバス路線が別個の路線として扱われ、それぞれの路線図が独立して記憶されます。これにより、利用者はバス路線の方向性に基づいて情報を得られます。
アクセス情報表示手段では、上りバス路線と下りバス路線が含まれる場合にそれらを別々の路線として識別し、モニタに表示します。
路線図表示手段では、上りまたは下りのバス路線が選択された場合に、選択された方向のバス路線図を表示します。

<実施の態様>
では、本発明をユーザーが利用する場合の流れを簡単にみてみます。

ユーザが特定のURLにアクセスすると、サーバは施設検索用のメニュー画面をユーザのデバイスに送信します。このメニューには、地域、施設名、または施設の種類に基づいて検索するための複数のオプションが含まれています。

ユーザが検索オプションを選択すると、サービスは選択した基準に基づいて施設のリストを提供し、ユーザはリストから特定の施設を選択できます。施設が選択されると、サーバはその施設の詳細情報、周辺の公共交通機関の停留所、そしてそれらの停留所を通る路線の情報をユーザに提供します。この情報には、施設から最も近い駅やバス停、そこからのアクセス方法、そして選択した施設や停留所に関連する路線図が含まれます。

特に、このシステムは、施設とその周辺の公共交通停留所を関連付けるアクセスデータファイル、停留所とその停留所に乗り入れる路線を関連付ける停留所データファイル、そして路線とその路線図を関連付ける路線図データファイルをデータストレージに保持します。これらのデータファイルを使用して、ユーザが選択した施設周辺の停留所を検索し、それらの停留所に乗り入れる路線を特定し、選択した路線の路線図をユーザに提供します。

発明の実施の流れを以下フローチャートにして示します。このフローチャートをユーザーの端末でどのように表示するかは端末のOS等によって適宜選択されるもので、決まった形式に限定されるものではありません。

【フロー図1】

【フロー図2】

【フロー図3】

【フロー図4】

【フロー図5】

【フロー図6】

【フロー図7】

【フロー図8】

このサービスは、ユーザが選択した施設から公共交通機関を利用して目的地にアクセスする方法を簡単に見つけることができるようにすることを目的としています。バス停の場合、上りと下りのバス路線が別々に扱われ、それぞれの路線図が提供されます。これにより、ユーザは効率的に公共交通の計画を立てることができ、施設からの出発点として、または施設へのアクセス方法として公共交通機関を利用する際に便利です。

この発明により、ユーザーは選択した施設を起点として、その周辺の公共交通機関の停留所と乗り入れ路線に関する詳細な情報を得ることができます。また、上りと下りのバス路線を明確に区別して提供することで、利用者がより具体的で実用的な情報を得られるようになります。このシステムは、公共交通機関の利用計画やナビゲーションにおいて、利用者に対して高い価値を提供することが期待されます。

発明の名称

路線情報提供サーバ装置

出願番号

特願2012-221934

公開番号

特開2014-75018

特許番号

特許第5881172号

出願日

2012年10月4日

公開日

2014年4月24日

登録日

2016年2月12日

審査請求日

2014年5月7日

出願人

東建コーポレーション株式会社

発明者

左右田 稔
国際特許分類

G06Q 50/30 (2012.01)
G06F 17/30 (2006.01)
G09B 29/10 (2006.01)
G09B 29/00 (2006.01)

経過情報

・本権利は抹消されていない(満了日:2032/10/4)