「JavaScript」商標の行方は?Denoがオラクルの商標登録取り消しを申請

JavaScriptランタイム「Deno」の開発元であるDeno Landは、オラクルが所有する「JavaScript」の商標登録の取り消しを米国特許商標庁に申請したことを発表しました。

背景

JavaScriptはもともとNetscapeがWebブラウザ用に開発したプログラミング言語で、後にサン・マイクロシステムズがその名称を商標登録しました。同社がオラクルに買収されたことで、現在はオラクルが商標を所有しています。

Node.jsの作者でありDenoの開発者でもあるライアン・ダール氏は、これまでに2度、2022年と2024年にオラクルに対して商標を手放すよう求める公開書簡を発表しました。今回の申請は、2回目の書簡で表明した通りのアクションとなります。

申請の主張

Denoによる商標取り消し申請は以下の3つの主張から構成されています:

  • JavaScriptは汎用的な名称になった:JavaScriptはECMA-262仕様で定義されたプログラミング言語の一般的な名称として認識されており、オラクルの商標としてふさわしくない。
  • オラクルの虚偽申請:2019年の商標更新時に、Node.jsのスクリーンショットなど、虚偽の証拠を提出した可能性がある。
  • 商標の放棄:米国では3年連続で使用されていない商標は破棄されたとみなされる。オラクルの製品例として挙げられる「JavaScript Extension Toolkit」や「GraalVM」は、商業目的での真正な使用とはみなされない。

Denoの狙い

Denoが公開したブログ「Deno v. Oracle: Canceling the JavaScript Trademark」によれば、商標登録が取り消されれば次のような利点があると説明されています:

  • 「JavaScript Conference」などの名称を恐れることなく使用できる。
  • 言語仕様の名称を「ECMAScript」ではなく「JavaScript仕様」と呼べるようになる。
  • 「Rust for JavaScript Developers」など、コミュニティで自由に名称を活用できる。

今後の展開

オラクルはこの申請に対して2025年1月4日までに回答する必要があります。回答がない場合、商標登録が取り消される可能性が高いとされています。

* AIトピックでは、知的財産に関する最新のトピック情報をAIにより要約し、さらに+VISION編集部の編集を経て掲載しています。